おとといの続き
1964年の東京オリンピック
国立競技場メインスタジアムの落成式には
アラン・ドロンがおとずれていた
つい先日、アランドロン最後の映画ともいわれる
1998年作「ハーフアチャンス」を見たのだが
63歳にしてまったく衰え知らずの男の艶っぽさに驚いた
その昔デビューしたてのドロンが大好きで
1959年「お嬢さんお手やわらかに」から
ずっと映画を見ていた時期がある
そのころよりもよくなっている感があった
私よりだいぶ遅れてファンになった千恵ちゃんは
属する大学病院の医局忘年会で
アランドロンがセリフを言ってダリダが歌う
ヒット曲「甘い囁き parole,parole」を使うと言い出した
藤間流の名取でもある彼女は
バックに人体解剖図を貼ってそれを指示棒で刺しながら
フランス語の歌詞と合わせていく演出を考えていた
原語の歌は男が甘い言葉の山もりで迫るのを
女がばっさぱっさとよけていく内容だ
それで千恵ちゃんは音楽に合わせて歌いたいから
私にフランス語を聞き取ってカタカナにしてくれと言ってきた
今なら歌詞はすぐに検索できるが
書いた歌詞を今調べるとほとんど合っていた
ダリダとアランドロンが二人とも登場する動画は
アップされていなくて
検索でひっかかるのはセリーヌディオンとドロンのものだが
これでも素晴らしくて
ドロンが甘い囁きを畳みかける声と表情がいやらしくなくて感激する
メロディーも詩も心地よく
今どきの音楽とはくらべものにならない
私も歌いたくなる歌
そばでドロンにセリフを言ってもらったらどんなにいい気分だろう
そこまで望まないとしてもステージで生のセリフをいうドロンを見たい
ドロンの動画は
つい一年前のロングインタビューで
ヴィスコンティの映画「山猫」の舞台を訪ねる企画があった
これもふつうにいうならぐっと老けているのだが
決して劣化ではなく、渋みというのでもなく、
老人らしくナチュラルでしかもしっかりと内容のある話をしていて
とても感じよかった
アランドロンは昨年引退宣言をした
アズナヴールだって92歳で日本にまで来て歌うのに
駄目だ、俳優はベッドに横たわる役でも披露してほしい
ところで千恵ちゃんのパロールパロールは成功したんだろうか
今更だけど聞いておかなくちゃ