ぬいぐるみ

神楽坂でも老舗の文具店が

いつの間にかぬいぐるみ屋さんみたいになっている

ぬいぐるみなんか…と思っているくせに

時々立ち止まって見入ってしまう

昔は誰よりも沢山(また始まった)ぬいぐるみを持っていた

これが“誰よりも沢山ままごとを持っていた”話と違うところは

子供時代の話ではなく、大学時代の話であるところ

下宿の壁面の棚全体にぬいぐるみが詰まっていた

収集の始まりはボーイフレンドからのプレゼント

もうそんな話は思い出す気はないけど

そしてそれらがどうしてなくなったかも覚えていないけど

神楽坂の文具店のウインドーで立ち止まるとき

昔とは違う気分でぬいぐるみを見ている

いわゆるＩＹＡＳＡＲＥＲＵとかいう気分で

最近のニューフェイスは、この縞模様のウリボウちゃん
　　　　　　　　

来年の干支に合わせて入荷したようだ

ウリボウというと必ず思い出す場面がある

京都府立医大に強引に入院したとき

東京の息子と大阪のマリさんの見舞いが一緒になった

息子を子供の頃から知っているマリさんは

帰りに息子と一緒に食事に行くと言った

ご馳走させては悪いと思った私は

夜でも昼の値段と変わらない円山公園の「いもぼう」はどうかと提案した

「え、うりぼう？」とマリさんは問い返したので

「なに、それ」と私が言うと

マリさんと息子は声を揃えて「うりぼうは有名よね」と笑った

マリさんはいつも真顔で私をからかうので

この時もわざとそういっているのだと思った

いやそれとも漫画か何かに出てくるキャラクターだろうかと

そしてずっと後で関西のニュースでうりぼうが実在するのを知り

自分だけがこの歳まで知らなかったことを悟った

兵庫県のニュースではよく出てくるし

芦屋などの住宅街でもイノシシと一緒の映像が流れる

マリさんは大阪に住むようになってからウリボウを知ったのかもしれないけど

少なくとも私よりは早く知っていた

映像の中のウリボウは作り物のようにきれいな縞のある可愛い動物だった

それがあの獰猛なイノシシに変わるとは

兵庫県の人にとっては忌々しい動物でも

遠くに住む人には命永らえさせたい生き物

うりぼうを瓜坊などと表記するから尚更可哀そうなのであって

瓜棒にしたら少しはましかも

瓜棒　芋棒(芋棒の棒は棒だらの棒ですけどね)

文具店のうりぼう　一匹ほしいなあと思っていたら

うちの裏の古道具屋で文子みたいな猫のぬいぐるみが
　　　　　　　　

これも欲しいなあ

いかんいかん　壁面にぬいぐるみだらけなんて

出勤弁当

今日は校正の(お)仕事で出勤する日

歩いてちょっとのとこにあるデザイン会社へ

この辺は新潮社をはじめ出版社が多く、

凸版に大日本印刷もあって印刷会社も大小多い

さらに出版取次のトーハンもあるし

校正の(お)仕事も探せばもっとあるのかもしれない

初校、再校、念校と複数の人がチェックするときは気が軽い

ひとりで全部任されるとミスがこわいけど

近所だからあり合わせの材量で朝ちょちょっとお弁当作って出勤

今日はゆかりおむすびと海苔巻むすび

ツナオムレツと、豚バラ入りキンピラ牛蒡、茹でブロッコリ

でも近くのスーパーで豚肉が以上に値上がりしていたのはなぜ？

テレビないからその辺の事情を知りません

お弁当箱は以前もらった末富のお菓子の缶に

ラップを敷いて使いました

見直した

以前面白いと書いた「探偵ナイトスクープ」

この頃つまらなくてずっと見ていなかったが

前回の放送は見直した

視聴者の依頼は、中学生の娘がイケメンの若いタレントではなく

キダタローのファンだというので心配だという母親からのもの

キダタローは関西でしか知名度がないのに

その中学生は神奈川在住だという

関西以外の人に説明するなら

キダタローは浪速のモーツァルトなどと呼ばれる作曲家で

ＣＭソング番組のテーマ曲を多く作っている

ナイトスクープでは最高顧問とかいわれて探偵局長の横にすわっている

依頼者の娘はキダタローを６９歳くらいの俳優だと思っていたらしい

実際には８８歳なのでひ孫とひいおじいちゃんくらい離れている

そのキダを中学生はかわいいと言う

力んでもいずわざとらしくもない

何がしたいかというとキダとペアルックをして

食事をしたりアトラクションに乗ったりしたいという
　　　　　　　　

ペアルックがとてもよかったし

二人でパンケーキを食べながら

キダが「俺らの若い頃はモノがなくて配給だった」

と友達のように説明し、聞く方もともだちのように聞いて

二人とも気を使いすぎない会話がとても自然でよかった

年齢ってなんだろうな　そこには垣根もなくてうちとけて

おそらく二人の性格や心がとても自然なんだろうなと思わせた

これまでキダタローの髪形も存在もすきじゃなかったのに

見直した

この回の放送

あと数日ＧＹＡＯでみられます

ひなぼの日

空気の澄んだ秋晴れの日

おやおや　日向ぼっこをしているのは

いつものグリちゃんではなく文子
　　　　　　　　

これは我が家を外の通りから見たところ

文ちゃん　そんなとこ居たら

この家は猫を飼ってるってバレバレ

でも気持ち良くてずっとお日様に当たってたいよね

同じ日　雑司ヶ谷に行くと

野良ちゃんが塀の上でぐーっすり夕日に当たっていました
　　　　　　　　

例によって「アーオアーオ」と話しかける私

猫ちゃんはハァと首を挙げましたが目は眠ったまま

そのくらい気持ちの良い日差しでした

どうして野良ちゃんだとわかったかというと

耳が桜カットしてあったからです

容子もどこか日当たりのよい場所をみつけて

ひなぼしているだろうなと想像しました

不法投棄

公園の愛子さまご誕生記念の五葉ツツジは

とうとう…

その場所には

ついに…
　　　　　　　　

誰かが空き場所を利用して

不要になった植物を植え

球根まで植えられました

区役所はこんなことしませんものね

もっと業者をもうけさせるような植え替えしかしない

公園は役所と業者の思惑で植生が決められ

その隙間に引っ越す住民の都合が割り込む

今度はこんな植木鉢も捨てられました
　　　　　　　　

なんだか獣医さんのとこに子猫が捨てられるみたいに

でも私が観察しているミカンも誰かが日陰に植えていったものでした

私は植生の中では自然の盛衰を観察して楽しむけど

この公園では行政の権力と住民の気まぐれな都合の変遷を見せられる

小浜と神楽坂

神楽坂に色々あるお祭りの中

この三連休は若狭まつり

これも年々盛んになっている感じがする

神楽坂なぜで若狭まつりかというと

神楽坂の端、新潮社のある矢来町あたりに

小浜藩の江戸屋敷があった縁からという

以前は鯖寿司を売るテントが出る程度だったのが

いまでは福井県の名産のすべてを並べたような

沢山のテントが神楽坂通りと赤城神社の境内に出店する
　　　　　　　　

カニ、サバ、梅、海産物、糠漬けへしこ、練り物

どれもおいしそうだ

ほかに観光協会のテントやら

恐竜資料やらへしこ作り体験やら

そうだ今年は大名行列も(そのうちみすぼらしくないのができると期待する)
　　　　　　　　

小浜に最初に行ったのは５０年近く前花背に滞在していた時だった

山の中にいると新鮮な海の幸に飢える

思い切って日本海側までドライブしたときに

小浜でお寿司を食べた

その途中でまだ名も知られない美山町の美しさに

日本の田舎はなんて素晴らしいのかと思った

小浜のお寿司がおいしかったので

その後何度も友人たちと行ったが

その店は九州出身の素人みたいな人が握っていて

一旦握ったすしを皿に載せたあと

それを横から眺めてご飯が崩れないように補強のタッチをしていた

「なんかイナセじゃなかったね」

と笑ったマリさんは

寿司屋のトイレでスリッパを便器に落とし

車を運転したチエさんは店に財布を置き忘れ

その後小浜名物の水まんじゅうをたべに行ったとき

もうその寿司屋はなくなっていた

九州にかえらはったんやろか

冬の前に

ウイーンウイーンという音で

台所の窓を開けたら

公園の樹木が伐られていた
　　　　　　　　

落ち葉の前に面倒なことにならないようにスッキリさせたいのだ

結果は床屋さんからでてきた坊やみたいになった
　　　　　　　　

ここに越してきて数年は

椎の実拾いもできたし

それを炒ってお客様に出したりしていたけれど

今はまったく椎の実が見られない

公園の落ち葉は周辺住民から苦情が出るので

役所はなるべく問題がないようにしたいのだ

強剪定が終わると冬も近いのだなあと思う

公園の豆柿はぶよぶよで透明になり
　　　　　　　　

みかんはついに一番大きなのが取られた盗られた
　　　　　　　　

クリスマスの飾りつけは

いやまだ１２月になるまで我慢

あり合わせ

近所にスーパーがいくつもあるのをいいことに

つい食べ物には制御を知らなくなっていた

食費をカットしよう

今日は一切食べ物を買わない

近所にスーパーがいくつもあるので

私は買い置きや買いだめをしていない

それで我が家にあるのはキャベツとネギと卵だけ

それでも食べたいものは浮かんでくる

これらに小麦粉と削り節と青海苔を足して

野菜だけのお好み焼きを作る

お好み焼きは予備校に入るまで食べたことがなかった

そんな私に

早々と社会人になった純子さんがいつもお好み焼きをごちそうしてくれた

お肉がもっと入っているといいのに

と思いながら食べたお好み焼きの

お肉じゃない部分の味の記憶がよみがえる

よし　肉はなくともソースと青海苔と削り節があれば食べられる

厚めのお好み焼きをじっくり中まで火を通して

キャベツの旨みを味わいながら

昼ごはんの代わりにした

つぼみの季節

ツワブキのつぼみ
　　　　　　　　

これをみるとたまらない

視覚的に好きなのではない

これに鉛筆削りナイフを当てて

輪切りにする　その感覚がよみがえるのが好きなのだ

中からは黄色の花弁と白い綿のような雄蕊が現れて

これぞままごとの刃応え

ツワブキは咲いた花より蕾が良い

蕾は早春のイメージがあるけれど

今は目立たない蕾があちこちにある

公園の椿と山茶花はもう少しで咲く
　　　　　　　　
　　　　　　　　

ヒュウガミズキも春の足音がしたら咲く
　　　　　　　　

水仙も葉の中にエンドウ豆のような蕾の茎が見える
　　　　　　　　

面白いのは桐で

今年の実と来年の花が競演となる
　　　　　　　　

この桐は新潮社のもので

この木の下に新潮４５休刊で幕のかけられた看板がある

丹波篠山

兵庫県篠山市は昨日の住民投票で「丹波篠山市」に改められることが決まった

個人の好みとしては、丹波篠山になって嬉しい

兵庫県には丹波市というのもあるから面倒臭い

離れてはいるけれど日本には久留米市と東久留米市もあるから

なんとかなるでしょう

丹波篠山と言う言葉は６０年前に初めて認識した

それは当時爆発的人気を持っていたテレビの公開番組

「番頭はんと丁稚どん」の中で度々聞く地名だったから
　　　　　　　　

丁稚の崑松(大村崑)が丹波篠山出身ということではやしたてられるのだ

関西の人が意図しているのだろうけど

番組の舞台の薬問屋は大阪であり、

丹波篠山は関西の中では田舎を表しているらしかった

今ならハラスメントと言われ、はやしたてるのも許されないだろう

崑松は時々故郷を思い出してしんみりとする場面もあった

「番頭はんと丁稚どん」は「全員集合」など足元にも及ばない人気で

番組の最初は観客のワーッという歓声で何も聞き取れないほどだった

その番組が福岡の劇場で収録されることになったとき

福岡の放送局にいる父の教え子に切符を頼んで

母と兄と私の三人で見に行った

作者の花登筐も舞台挨拶に立った

耳に残った丹波篠山に初めて行ったのは

２５年前に京都に住んで

栗の銘菓を売る店に行ったとき

次に行ったのは水が日本海と瀬戸内海に分かれる分水嶺が見られる公園に行ったとき

丹波篠山は山深い田舎というより盆地の城下町の印象だった

１９９９年に篠山市が出来た時に上に丹波をつけなかったのは

関西では丹波は田舎のイメージがあるからだろうか

京都の奥の花脊で「うちまでは京都でうちから向こうは丹波」

などと言う冗談を聞いたこともある

しかし黒豆や栗や松茸などのブランド品の価値のためもあって

今回やはり丹波篠山を名乗ろうということになったらしい

大村崑は神戸生まれだが

一時期丹波篠山に「崑の村」というコミュニティを作って

劇場や資料館を運営していた

それが丁稚役の出身地と関係があるのかどうか

今は時々山村紅葉と葬儀社のドラマに出たりしているが８７歳！

知らなかったけれどＮＨＫ「西郷どん」にも出ているのですね

大村崑も丹波篠山支持かな