文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

フルハウスのできる確率とストレートフラッシュのできる確率

2016-01-31 20:39:21 | その他数理的考察

 同じく「浜村渚の計算ノート 4さつめ」(青柳碧人:講談社文庫)にジョーカーを除いた52枚のトランプから5枚を引いたときに、フルハウスのできる確率は、ストレートフラッシュのできる確率の何倍かという問題があった。これも計算してみよう。

 まず52枚のカードから5枚を抜いたときにできる組み合わせの数は、

 52C5=2598960(通り)

 次にフルハウスになる組み合わせだ。

 同じ数のものを3枚ひく組み合わせは、同じ数4枚中3枚が同じで、これが13通りあるから

 4C3×13=4×13=52(通り)

 また残りの2枚が同じ数になる組み合わせは、同じ数4枚のうち2枚が同じで、これがスリーカードとなった数とは違う数の12通りあるから

 4C2×12=6×12=72(通り)

 よって、フルハウスになる確率は

 (52×72)/2598960×100(%)=0.144(%)


 次にストレートフラッシュになる確率を計算しよう。

 ロイヤルストレートフラッシュを除けば、ひとつのマークでストレートになるのは、A~5から9~Kの9通り。

 これが4種類あるから、ストレートフラッシュになる確率は、

 (9×4)/2598960×100(%)=0.00139(%)

 よって、ほぼ100倍の開きがあることが分かる。



浜村渚の計算ノート 4さつめ 方程式は歌声に乗って (講談社文庫)
クリエーター情報なし
講談社
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モンティ・ホール問題

2016-01-31 14:00:00 | その他数理的考察

 「浜村渚の計算ノート 4さつめ」(青柳碧人:講談社文庫)を読んでいると、モンティ・ホール問題が出てきた。有名な問題であり、他の本でも紹介されているのを見たが、一言で言えば、条件付き確率を扱ったものだ。

 どんなものか簡単に紹介しよう。モンティ・ホールとはクイズショーの司会者の名前だ。この番組では、解答者に3つのドアの一つを選ばせる。当たりの賞品は、自動車だ。このクイズの特徴は、解答者がどれか一つのドアを選んだ後に、モンティ・ホール氏が残りの2つのドアから一つ(これは外れ)を開け、一度だけ選びなおしのチャンスを与えるということ。

 問題は、モンティ・ホール氏がドアを開けた後で、選びなおしをしたほうが得か、それとも変えないほうが得かというものだが、当時、数学界を巻き込んで大論争になったそうだ。

 一見選びなおそうが、なおすまいが、当たる確率は変わらないと思いそうだが、実は違う。選びなおした方が、当選率は2倍になるのである。このことを簡単に解説してみよう。


 最初に選んだドア    残りのドア   (●;当り  ○:外れ)

①    ●          ○ ○


②    ○          ● ○            

 この問題は上のように、2通りに分けられる。①最初に選んだドアが当りの場合と、②外れの場合だ。ここで2種類の確率を定義する。P(a)とP(b/a)だ。P(a)は結果がaになる確率。P(b/a)は、aという条件の元でbとなる確率だ。そしてa、bには、いずれも1(当り)または0(外れ)のどちらかの値が入る。

 まず解答者が選択を変える場合だ。

 ①の場合は、最初に当りを選ぶ確率は1/3であり、変えてしまったら必ず外れてしまうから、最初に当りを選んだ場合に選択を変えて当たる確率は

 P(1)×P(1/1)=1/3×0=0 となる。

 ②の場合は、最初に外れを選ぶ確率は2/3.モンティ・ホール氏が開けたドアでないほうは、必ず当りになるから

 P(0)×P(1/0)=2/3×1=2/3 となる。
 

 次に、選択を変えない場合だ。

 ①の場合も同様に

 P(1)×P(1/1)=1/3×1=1/3

 ②の場合は、 
 
 P(0)×P(1/0)=2/3×0=0

 これらより、選択を変えたほうが当たる確率は倍になることが分かる。本書中にも一応の説明は書いてあるが、少しまだるっこしい観もあるので、きちんと数式を使って説明してみた。 なお、P(b/a)は条件付き確率と呼ばれている。最近これを使ったベイズの定理に関することが書いてある本を時に目にするが、これらは、ウン十年前から既に知られていたものだ。私は場合は、大学3回生の時に学んだ「情報理論」で知った。なお、これは当選確率がどうなるかの問題であり、変えれば必ず当たるということではないので、くれぐれも間違えないように。


浜村渚の計算ノート 4さつめ 方程式は歌声に乗って (講談社文庫)
クリエーター情報なし
講談社


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竹原8:胡堂(見学会バス旅行10)

2016-01-31 09:48:35 | 旅行:広島県


 竹原の町並み保存地区をぶらぶら歩いていくと、突き当りのところに小さなお堂が建っている。突き当りだとはいえ、道の上にどーんと建っているいるので少し驚く。これは胡堂といい、商業の神様として古くから祀られているらしい。このお堂は、大林宣彦監督の映画 「時をかける少女」にも出ているという。


○関連過去記事
竹原7:県史跡 頼惟清旧宅(見学会バス旅行9)
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竹原7:県史跡 頼惟清旧宅(見学会バス旅行9)

2016-01-30 18:42:34 | 旅行:広島県

県史跡 頼惟清旧宅




 上の写真は、「県史跡 頼惟清旧宅」。尊皇攘夷運動に大きな影響を与えた「日本外史」の著者・頼山陽の祖父に当たる人物だ。家業の紺屋を営む一方で、学問にも励み、頼山陽の父である長男春水や、その弟である春風、杏坪を広島藩で活躍するような人物として育て上げた。

○関連過去記事
竹原6:竹原市歴史民俗資料館(見学会バス旅行8)
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携帯電話の抑制

2016-01-30 12:00:00 | 電気・電子工学
 先般「博多座」で「放浪記」を観劇した際のこと、上演中は、携帯電波を抑制している旨のアナウンスがあった。劇場全体をシールドしているのかと思ったが、携帯電話の電波は意外に執念深く?、ちょっとした隙間からでも入り込んでしまう。これはちょっとむつかしいだろう。現に休憩時間には電源を入れると、アンテナがちゃんと立って通話可能状態になっている。いったいどんな原理を使っているのだろうと気になって調べてみた。

 どうも、通信機能抑止装置というものを使っているらしい。原理は、携帯と同じ周波数で、何の情報も入っていない妨害電波を基地局からの電波より少し強く出すことにより、携帯~基地局間の通信を妨害するというもの。ここからは想像だが、現在の携帯はディジタル方式のため、信号が1を表しているのか、0を表しているのかを判別できなければ通信ができなくなる。そして、ディジタル通信では、2つの電波がある場合、アナログ通信のように混信が起こるというわけではなく、強いほうが勝ってしまう。だから、通話ができるかどうかについても1か0になってしまうのである。このことを利用して、携帯の使用を妨害しているのだと推測する。

 劇場、映画館、コンサートホールなどで使われるほか、振り込め詐欺防止でATM周辺で使われたり、試験時の不正防止で大学などの試験会場でも使われているという。ただし、電波を発射する装置なので、使用するためには、総務大臣から免許を受けるなければならないので、注意が必要だ。


 
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書評:偽神譜 考古探偵一法師全の追跡

2016-01-30 08:46:30 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)
偽神譜 考古探偵一法師全の追跡 (角川文庫)
クリエーター情報なし
角川書店(角川グループパブリッシング)

・化野燐


 高ビーな態度と「愚か者」という口癖がトレードマークという、考古探偵一法師全が活躍するシリーズの第3弾。この作品は、前作「鬼神曲」の裏表となる作品だ。あちらの副題は「一法師全の不在」だった。それでは彼はどこに行っていたかというと、本作の舞台である北九州の遺跡の発掘現場に居たという訳である。

 舞台はF市にある面差山山麓遺跡。そこから石製の鋳型らしい遺物が発見されたというので、一法師たちは見学のためにその遺跡を訪れる。ところが古代の致死性の高いウィルス騒ぎに巻き込まれて隔離用テントに入れられてしまう。それだけではない。遺跡の発掘をしていた北九州国際大学の関係者が、テントで次々に殺されていくのだ。彼らが殺されたテントには誰も出入りしていない。

 ということで、これはてっきり密室殺人トリックを扱ったミステリーと思っっていたら大間違い。前作のレビューでも書いたが、いったいどこへ向かうか分からないというのがこの作品の特徴だ。後半は完全にミステリーの枠を飛び越えて、話はバイオテロを企む謎の連中との闘いとなっていく。殺人事件の方も意外な結末に繋がっていくのだ。一法師は考古探偵という触れ込みなのだが、舞台や登場人物が考古学に絡んでいるだけで、事件の解明に考古学の知識が使われるようなことがほとんどないというのはちょっと残念。

 ただ邪視紋のついた福田型銅鐸というものが存在し、最初に出土したのが広島市ということや、弥生時代に分銅型土製品というものが瀬戸内海沿岸で作られていたことなど、ある程度の考古学に関する知識は得ることができるだろう。

 ストーリーは最後に、前作の「鬼神曲 考古探偵一法師全の不在」と重なり、この次の作品となる「火神録 考古探偵一法師全の記憶」への繋がりを暗示して終わっている。次の作品では時代が一番最初のエピソードまで戻っているので、最初にそちらを読めば作品の色々な背景なども分かるだろうし、前作と併せて読めば、この作品を一層楽しむことができるだろう。

☆☆☆

※本記事は、書評専門の拙ブログ「風竜胆の書評」に掲載したものです。

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電力系統の系統定数の話

2016-01-29 20:02:57 | 電気・電子工学

 電力と周波数の関係を表すのに、

 ΔP=KΔf ・・・(1)

という式がよく使われる。これは、本来は非線形となる電力と周波数の関係を線形で近似したものであるが、この式が表すのは単純明快なことで、電力の供給が多くなれば、周波数が上がり、電力が不足すれば(ΔPがマイナスになる)、周波数が下がるということだ。これは回転機である発電機の特性を大きく反映している。

 大容量発電機は回転機であるため、回転に伴う膨大な運動エネルギーをため込んでいる。もし電力が不足すれば、その運動エネルギーを吐き出して需給のバランスをとる。運動エネルギーを吐き出すから発電機の回転は落ちる。すなわち周波数が下がることになるのだ。また電力が余っているときには、逆に発電機が回転のための運動エネルギーを増やすことになるので、周波数は上がる。

 さて、ここで(1)を導くため、次のような発電電力PG、負荷の消費電力PLと周波数fの一般的な関係式をとして次のようなものを考えて見よう。

 F(PG、PL,f)=0 ・・・(2)

 もちろんこの関係式を正確に決めるのは容易ではないし、それぞれの変数の値によっては、式の形が変わってくるかもしれない。しかし、今考えるのはある均衡点(PG0,PL0,f0)の周辺だけなので、その近辺で何らかの関係が成り立っていると思えばよい。今、PG0→PG0+ΔPG,PL0→PL0+ΔPL、f0→f0+Δfと変化したとする。このとき上式をTaylor展開して、2次以上の微小項を無視すれば、

 F(PG0,PL0,f0)+∂F/∂PG・ΔPG+ ∂F/∂PL・ΔPL+∂F/∂f・Δf=0 ・・・(3)

 均衡点(PG0,PL0,f0)では、(2)式が成り立つから、F(PG0,PL0,f0)=0となるので、(3)式は、結局次のようになる。
 
 ∂F/∂PG・ΔPG+ ∂F/∂PL・ΔPL+∂F/∂f・Δf=0 ・・・(4)

 ここで、偏微分である係数は、均衡点の値を代入した定数になる。また線形近似できるなら、PGの増加する影響と、PLの減少する影響は、単に逆向きの電力変化に対するものを表しているだけなので、

 ∂F/∂PG=-∂F/∂PL ・・・(5)

 またPGが増えれば周波数も増加するが、(4)式が成り立つためには、∂F/∂PGと∂F/∂fは逆符号でなければならない。そこで、

 ∂F/∂PG=-∂F/∂PL=a、 ∂F/∂f=-b・・・(6)

とおくと、(4)式は、

 aΔPG-aΔPL=bΔf・・・(7)

 となる。 ここで、

 PG-PL=P(つまりΔPG-ΔPL=ΔP)、b/a=K ・・・(8)

 と置けば、結局(1)式が導出できることになる。おそらく通常の電力系統工学の教科書には、結果としての(1)式だけしか書いていないと思う。理論的に導かなくとも、経験則として(1)式が成り立っていることが知られているというようなところもある。しかし、このように理論的に考えてみれば、頭の体操になってよいのではないだろうか。

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竹原6:竹原市歴史民俗資料館(見学会バス旅行8)

2016-01-29 15:17:19 | 旅行:広島県
竹原市歴史民俗資料館



 町並み保存地区を歩いていると、白い洋館が目に入ってくる。これは、「竹原市歴史民俗資料館」だ。ここは、江戸時代中期の医者で儒学者の塩谷道碩の旧宅があったところだという。道碩の死後、門人だった頼春水(頼山陽の父)、頼春風(頼山陽の叔父)らがその志を受け継いで、「竹原書院」という学問所をここに開いていた。現在の資料館となる前は、町立の「竹原書院図書館」だったが、図書館が移転して、その後を資料館として活用したらしい。

 訪れたときは、「生誕120周年 竹鶴政孝展」ということで、「マッサン」の竹鶴政孝・リタ夫妻に関する資料が入り口付近に展示されていた。奥にも資料が展示されていたのだが、そこは有料ゾーンだったし、時間もあまりなかったので、見学はあきらめた。



竹鶴政孝・リタ夫妻の銅像


 この竹鶴政孝・リタ夫妻の銅像が、資料館横の「憧憬(しょうけい)の広場」に設置されている。設置されたのは昨年の6月で、制作したのは、竹原ゆかりの陶芸家である今井眞正氏だとのこと。


○関連過去記事
竹原5:竹原のマンホール(見学会バス旅行7)



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博多座で「放浪記」鑑賞(福岡市ぶらぶら1)

2016-01-29 11:51:27 | 旅行:四国・九州・沖縄
博多座


 退職祝いにもらった旅行券があと少し残っていたが、期限が近づいてきたため、近場の福岡市へ1泊2日で行ってきた。まず訪れたのは「博多座」。仲間由紀恵主演による放浪記が上演されているので、その鑑賞のためだ。観た感想は、別ブログの「風竜胆の書評」の方にアップしたので、そちらを参照してほしい。なかなかいい舞台だった。


福岡アジア美術館


 そしてこちは、博多座の向かって左隣にある「福岡アジア美術館」。どうしても見たいというわけではなく、時間的な関係もあり、今回は外から眺めただけ。そのうちまた来るようなことがあれば入ってみようか。


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竹原5:竹原のマンホール(見学会バス旅行7)

2016-01-28 08:42:01 | 旅行:広島県

街並み保存地区の図柄のマンホール



かぐや姫の図柄のマンホール



 めったに行かないところを歩くと、ついマンホールの蓋に目が行ってしまう。描かれている図柄がローカル色豊かでなかなか楽しいためだ。竹原では2種類見つけた。

 まず一番上のものは、「町並み保存地区」がデザインされたものである。そしてもう一つは「かぐや姫」のデザインだ。こちらは、別に竹原にかぐや姫の伝説があるわけではなく、竹繋がりからきているようだ。

○関連過去記事
竹原4(西芳寺普明閣)(見学会バス旅行6)
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