文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

AI時代の小学生が身につけておきたい一生モノの「読解力」

2019-07-31 09:19:56 | 書評:その他
AI時代の小学生が身につけておきたい一生モノの「読解力」
福島美智子,福島万莉瑛
実務教育出版

 読解力とはなんだろう。本書は読解力=語彙力+要約力としており、それらの磨き方を述べている。そのツールとして勧めているのがマッピングという技法だ。

 振り返って、自分の小学生時代を思い起こせば、「読解力」という言葉自体聞いたことがない。そういった概念を教師が持っていなければ、生徒に教えようがないだろう。要するにそのような教育は行われていなかったということだ。確かに登場人物の気持ちなどを聞く問題はあったような記憶があるのだが、どうでもいいような問題だったと思う。

 正直大学入試に際しても一番勉強しなかったのは国語(現代文)だ。当時は、国語なんて勉強のやりようがないと思っていた。今なら、国語は読解力を付けるのがその目的の大きな部分を占めるというのは分かるのだが、田舎の公立の学校で高校まで来てしまったので、教師自体もそれを頭の中に入れているようにはとても見えない。いきおい、国語は教科書を読んでお茶を濁すようなものになりがちだ。

 もし小学生のころから「読解力」ということを頭に入れて学んでいたらと思うと残念である。

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

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いきのこれ! 社畜ちゃん(1)(2)

2019-07-29 09:15:55 | 書評:その他
いきのこれ! 社畜ちゃん(1) (電撃コミックスNEXT)
(絵)結うき、(原作)ビタワン
KADOKAWA
いきのこれ! 社畜ちゃん(2) (電撃コミックスNEXT)
(絵)結うき、(原作)ビタワン
KADOKAWA

 この漫画は、小さな(ブラック)IT企業に勤める社畜ちゃんの日々の奮闘を描いたものだ。どのくらいブラックかというと、社内の休憩室に設置されている自動販売機で栄養ドリンク類やエナジードリンク類が全部売り切れているくらいだ(1巻p25)。

 いたるところで笑えるのだが、ツッコミどころは多い。例えば課長が部屋を持っているらしい。これは明記されてはいないが、100ページに出向(これも実態は偽装出向くさいが)から戻った社畜ちゃんが課長から呼び出されている場面がある。呼び出されるというのだから部屋を持っているんだろう。しかし社畜ちゃんが勤務しているのは小さな(ブラック)IT企業という設定だ。私は大手企業で課長をやった経験があるが、課長クラスで自分の部屋を持っている者はいなかった。役員クラスならともかく、課長で部屋持ちなんていったいどんな会社だ。(外資系ならあるのかもしれないが、そんな感じは受けなかった)

 時間外も休日出勤もまったく手当がつかないらしい(1巻p58)。「これだけはたらいているんだから、「残業手当」とか「休日手当」とかいっぱいもらえるのかも」という後輩ちゃんに、社畜ちゃんは「そんなものはない」とバッサリ。明らかに違法なのだが、それが当然だという雰囲気がある。

同期も他に1人しか残ってないようだ。2巻の34ページに社畜ちゃんが同期ちゃんと居酒屋で飲み会をやっているとき、<いままでは「生き残り!」と思っていたが、実は「逃げ遅れ」なんじゃないか>というようなことを言っている。この会社はヤバいと思った人はみんな逃げているようだ(笑)。

 しかし、一番のツッコミどころは、これだけ可愛らしい女子が沢山働いているブラック企業なんてないぞというところかも。

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

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放送大学「単位認定試験」

2019-07-28 19:50:59 | 放送大学関係

 今日は2019年度1学期に一つだけ履修している放送授業の「情報理論とデジタル表現」の単位認定試験を受けてきた。

 結論から言えば、時間が圧倒的に足らない。放送大学の科目毎の試験時間は50分に統一されている。しかし問題を見ると計算が必要なものが結構ある。おそらく専業の学生時代でも厳しかったのではないか。倍近い、90分程度は欲しいところだ。おまけにふつうは10問程度なのだが、問題数が15問もある。ちょっと嫌な予感がしたのだが、この科目を受験するのが私一人だった。

 著者を見ると3人で分担して教材を書いているが、すべて放送大の教員である。それなら50分で放送大学の試験としてどのくらいが適当なのかが判断できるのではないか。おそらくお3方とも、ご自分の学生時代には50分で全部片づけられなかったと思う。

 時間さえあれば、完答できる自信があるだけに、今回のことは残念だった。

 今回の反省は、この科目はいつ始まったか、過去の単位認定試験の結果がどのくらいになるのかを考量して受講科目を決めないといけないということか。この科目は今年度から始まったので、情報が何もなかったんだよなあ。

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鉄子の旅 3代目 (4)

2019-07-27 10:29:27 | 書評:その他
鉄子の旅 3代目 (4) (サンデーGXコミックス)
霧丘晶、(監修)横見浩彦
小学館

 初代菊池直恵から3代目霧丘晶まで18年続いた「鉄子の旅」シリーズもついにこれで完結。本当は前巻で終わるはずだったのだが、現編集長の「鶴の一声」でもう1巻出ることになった。麻雀で言えば泣きの半荘というやつだ。

 この間で紹介されているのは、三池炭鉱専用鉄道、奥羽本線、三陸鉄道など。

 担当者のカミムラさんは、菊池版の第1巻で、前担当者のイシカワさんに変わっているから、ずっと「鉄子の旅」の担当編集者だった。この間漫画家は、菊池直恵、ほあしかのこ、霧丘晶と変わっているが、カミムラさんはずっと横見さんのお守りをしていたことになる(笑)。カミムラさん、お疲れ様でした。

 「おおっ!」と思ったのは、この巻に初代編集長のエガミさんが出ていたことだ。たしか菊池版に初めて登場した時は、眼鏡もかけておらずギターを抱えていたと思ったのだが、その時と雰囲気が大分違う。描く人によってこれだけ違うのかと思ったのだが、もしかすると年月が本人の雰囲気を変えたのかもしれない。でも「テツ」というのは変わってないようだ。

 「鉄子の旅」はこれで終わりだが、紹介されていないところも結構あるのではと思う。これからは旅番組を楽しんでいこう。

☆☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

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詩歌句集 雨が刺さりそうだ

2019-07-25 11:22:06 | 書評:その他
詩句歌集 雨が刺さりそうだ
円山なのめ
揺籃社

 本書の特徴を上げると、一冊の本の中に、俳句と短歌、詩を収めているということだろう。それに加えて、その横に英文が付属している。しかし、なぜ、俳句と短歌にのみローマ字で読みが書かれているのかは、よく分からない。

 俳句にしても、短歌にしても、詩にしても、一冊に纏めるときは、普通はなんらかのテーマ毎に纏められるものだ。だが本書は俳句、短歌、詩と別々のパートに分かれており、そのテーマもよく分からない。俳句はその配列が春夏秋冬になっているということは察せられたが、なんのためにそのようになっているのかはっきりしないのである。単に俳句、短歌、詩が一冊に収められているとしか見えないのだ。それだったら、別々の本にした方がいいと思うのだが、分量の関係で一冊にしたように見える。もしなんらかのテーマがあってそうしているのなら、私の読解力が足らないということで、許して欲しいのだが、私には正直よく分からなかった。

 私なら、何らかのテーマを提示して、そこにテーマに合ったものは、俳句、短歌、詩と区別せずに収めるのだが。むしろそうしないと、単に句集、歌集、詩集が一冊になったというだけで、本書の強みを発揮できないのではないか。

☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

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超常現象: 科学者たちの挑戦

2019-07-23 09:17:34 | 書評:学術教養(科学・工学)
超常現象: 科学者たちの挑戦 (新潮文庫)
NHKスペシャル取材班
新潮社

 本書は、心霊現象や超能力などの超常現象を最先端の科学で検証しようとするものだ。そのスタンスが書かれた部分を引用してみよう。

 

「しかし今回の番組は、そのどちらでもない。我々がとったスタンスは、次のようなものである。まずは、超常現象を最先端の科学で徹底的に検証し、何がどこまで分かってきたのかを、詳細に見極めていく。(中略)現代科学ではまだ説明できない現象があったとしても、その事実をありのままに伝えていこうというものだ。」(p14)



 今の科学ですべてが説明できるわけがない。一例をあげると量子力学だが、本当のところが分かっている人間は皆無だろう。計算結果が現象をよく説明できるので使っているが、あるところから先は誰も分からないのだ。でも科学が発達すればどうなるかは分からない。ただ、すべてを今の科学で説明できないことを強調しすぎると、疑似科学のようなものや、科学的とは到底呼べないものに引っかかる恐れがあるだろう。

 超能力を否定する手品師が、あれは手品で出来るというのをよく聞く。実際に実演してみる例もあるようだ。それなら、そのトリックをきちんと明かせばいいと思うのだが、そういったことはあまり聞かない。そのうえで、トリックかどうかを検証すればいい。

 臨死体験は、夢で説明できると思う。脳が活動していれば何らかの夢を見ても不思議はない。本当の意味で、あの世から帰ってきた人間など皆無であることは指摘したい。

 生まれ変わりは、世界の人口が増えていることをどう説明するのだろうか。仮に生まれ変わりがあったとすると、元々の魂が分裂しているのか、それとも生まれ変わる前は人間以外のものだったのか。前者は、これまで複数の人間が元々は同じ人間だったという主張を寡聞にして知らない。後者は仏教では魂は六道を輪廻するという思想があるので、まだ受け入れられるかもしれない。バクテリアまで入れると魂のストックは無限にある。きっとあなたは、人間になる前はバクテリアだったんだろう(笑)。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

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今まで一度も女扱いされたことがない女騎士を女扱いする漫画(3)

2019-07-21 09:18:02 | 書評:その他
今まで一度も女扱いされたことがない女騎士を女扱いする漫画(3) (シリウスコミックス)
マツモトケンゴ
講談社

 レオ・コルネリアという女騎士は、「無敗の聖剣」もしくは「聖剣さま」と呼ばれているが、これまで一度も女扱いされたことがない。そんなレオ(正確にはレオの腹筋に)に恋をしたのが、魔法使いのフーリー・デント。その惚れ具合がすごい。とにかく顔を見るたびに「好きだ」、「好きだ」というくらいなのだ。

 なにしろ夢魔の夢の中でさえも、レオの腹筋の具合が違うと、絶対に自力では覚めないはずの夢から覚めてしまうくらいである。そのあまりの惚れ具合に、敵であるはずの夢魔もキュンときて、「何で彼の気持ちに応えてあげないの!?」と、レオは説教をされてしまう。

 この他、レオをと仲良くしたいのだが、極端な人見知りで目つきが悪いため、周りから「狂剣さま」と呼ばれる女剣士を可愛らしく着飾らせたりとなかなか楽しい。

 夢魔に説教をくらうくらいだから、レオの方は無関心だと思いきや、フーリーが他の女性(含む妹)と仲良くしていると不機嫌になったり、襲ってきた魔王候補に長々とフーリー自慢をする。おそらく自分でもどう反応していいのか分からないのだろう。

 これはそんな二人が繰り広げるラブコメ。これがなんとも面白いのだ。今一番気に入っている漫画の一つである。

☆☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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日本の漫画本300年:「鳥羽絵」本からコミック本まで

2019-07-19 11:28:38 | 書評:学術・教養(人文・社会他)
日本の漫画本300年:「鳥羽絵」本からコミック本まで
清水 勲,猪俣紀子
ミネルヴァ書房

 本書は、タイトルの通り、300年にわたり、「鳥羽絵」本から現代コミック本までを紹介したものである。体裁としては、上に各年の代表的な本に対する簡単な解説があり、下欄(多少の例外あり)に実際の絵が紹介されている。ただし、紹介されている本のすべてが下欄に紹介されているわけではなく、一部が紹介されている。逆に赤本については絵のみ紹介されており、上部には解説が見当たらない。実は最初、この赤本というのがよく分からなかったのだが199ページの下欄に解説があり、なぜ赤本というのか理解できた。しかし、こういった解説は上欄の本文の方に入れるべきだろうと思うのだが。

 面白いと思ったのは、昭和6年に発売された「女百態エログロ漫画集」。158ページ下欄に、海辺での女性の絵と女性の座っている絵が2枚紹介されているが、どこがエログロなんだろうと思ってしまう。おそらく海辺で水着になっているのと脚(ひざ下)を出しているのが、当時の感覚からはエロかったのだろうなと推測するのだが、作者が現代のビキニの水着やミニスカートの女性を見たらどう思うだろうか。

 もう一つ思ったのは、現代漫画の作者は昔に比べると絵がはるかに旨くなっているということだ。例えば昭和29年に発表されたゴジラ漫画。228ページに絵が紹介されているが、全く迫力がない。今このレベルで出版社に持ち込みをすれば門前払いを食らうだろう。

 300年を1冊に収めるという本書の性格上やむを得ないかもしれないが、欲を言うと、紹介する本のチョイスに異論がある。どうして、浦野千賀子の「アタックNo.1」は入っているのに、山本鈴美香の「エースをねらえ!」が入っていないのだろうか。また、横山光輝にしても、他の作品は入っているものの、「伊賀の影丸」なんかが入っていないのだ。楳図かずおの「おろち」や古賀真一の「エコエコアザラク」も抜けている。この辺りは著者の好みが入っているのだろうか。

 ともあれ、300年にわたって漫画を並べて紹介するのは面白い試みである。次はジャンルを絞ってやってみると面白いかもしれない。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

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ブロックチェーン基礎講座セミナーへの出席

2019-07-17 21:44:55 | セミナー、講演会他

 今日は昼から「ブロックチェーン基礎講座セミナー」に参加してきた。場所はfabbit広島駅前、主催は広島県イノベーション推進チーム。

 

 案内のメールが来た時、字面から、今話題のビットコインの仕組みでもやるのかと思って、申し込んだのだが、実際には違った。確かにブロックチェーンはビットコインの中核となる技術だが、ブロックチェーンそのものはもっと幅広く色々なビジネスに応用できるものだという。

 講座というから、講義だけあるものと思っていたのだが、グループワークや発表というものがあった。これは私が一番嫌いなものだ。最初から知っていたら参加しなかったのだが。帰って案内の詳細を見ると、項目「アイディエーション」というのがあった。これがグループワークのことだと思うが、もっと分かりやすく書いて欲しかった。

 

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ケルト 再生の思想――ハロウィンからの生命循環: ハロウィンからの生命循環

2019-07-17 09:05:25 | 書評:学術・教養(人文・社会他)
ケルト 再生の思想――ハロウィンからの生命循環: ハロウィンからの生命循環 (ちくま新書)
鶴岡 真弓
筑摩書房

 ケルト文化には四つの季節祭がある。冬のついたちサウィン、春のついたちインボルク、夏のついたちベルティネ、秋のついたちルーナサ/ラマスである。そしてこれらが毎年循環していく。本書はこれらについて解説したものだ。

 最近わが国でもよく耳にするハロウィンはケルト文化のサウィンが起源だという。これは冬のついたちであると同時にそして1年の始まりでもある。この日を境に、世界は「光の半年」から「闇の半年」に入る。

 ハロウィンの夜には、先祖や親しかった死者がよみがえり、それらを供養するという。日本で言えば、お盆のようなものか。この供養を怠ると、霊たちの怒りを買い邪悪なことが起こるという。これが「トリック・オア・トリート」ということである。

 決して、ハロウィンとは暴れたいだけのバカ者が、渋谷で大暴れするような日ではないのである。本書を読めば、そのルーツがよく分かるが、一般の読者にとっては、ケルト神話はあまり馴染みがないだろう。巻末にでも、ケルト神話の概略や神々について簡単に纏めたものがあればより本書を理解できただろうと思う。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

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