文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

ポーション頼みで生き延びます! 続(2)

2023-11-14 08:47:21 | 書評:その他

 

 深夜アニメで放映されている本作、続(2)とあるが、実際には11巻目である。9巻までは九重ヒビキさんが絵を描いていたが、前巻から「どうしても破滅したくない悪役令嬢が現代兵器を手にした結果がこれです」の漫画を描いていた園心ふつうさんに変わった。つまり仕切り直しの2巻目という訳であるが、話としては9巻からの続きとなっている。

 主人公は転生者の長瀬香(カオル)。地球の神様のミスで死んでしまったお詫びにチート能力を持って異世界に転生した。そのチート能力というのが考えた通りの効果がある薬品が、その時に考えた通りの容器に入って出てくるというもの。でも使い方は、神剣型容器とかアクセサリー型容器とか殆ど容器の方が主のような・・・。そして地球の神様が大好きなその異世界を管理する女神様(セレスティーヌ)のお友達という立場を手に入れる。

 しかし、そんなカオルを利用する連中が多い。この巻では、カオルがものすごく可愛がっているレイエットちゃんという幼女を攫おうとする連中が出てくる。そして以前敵討ちを手伝ったマリアル(レイフェル女子爵)といっしょに首都に行く。

 九重ヒビキさんの絵柄に慣れてしまっているが、動物の描き方は園心ふつうさんの方が私の好みだろう。またカオルは美人だけど目つきが悪いというネタがかなり出てくるが、カオルの悪人顔は園心ふつうさんの方が迫力があると思う。いったい黒幕は誰になるのか、今後の展開に目が離せない。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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モグラは生きている──飼育・調査にみる謎の生態

2023-11-12 10:04:38 | 書評:学術教養(科学・工学)

 

 モグラの名前を知らない人はそうそういないだろうが、通常は地中に住んでいるので、実際に見た人は少ないのではないだろうか。私は田舎育ちなので、実際に本物のモグラを見たことがある。調べてみると、モグラにも何種類かあるらしく、私の見たモグラがどれになるのかはよく分からない。

 本書によれば日本には6種のモグラと、2種類の近縁のヒミズがいるという。ただし北海道にはいないようだ。また、子供の頃はモグラ自体は見えなくても、モグラが地中にいることが分かるというのは、そう珍しいことではなかった。畑の土がモグラによって掘られているのをよく見かけたからだ。

 本書は一言で言えば、モグラを飼育した時の監察日記のようなものだ。もちろん、小学生が夏休みの宿題でやるようなものではない。専門家によるモグラの生態の紹介である。調べてみると、著者は動物商勤務のあとフリーのカメラマンとなった人で、動物をテーマにした著書が多い。

 本書には時折モグラやヒミズの死体が道に転がっているのを見ることがあると書かれている。原因不明という。死ななくてもかなり弱っていることもある。私ももうウン十年も前の小学生の頃、家の裏でモグラがぐったりしていたのを見かけた。死んでいると思ってつい触ってしまったが、まだ生きていたようである。噛まれたのか前足でやられたのか、手が血だらけになってしまった。そしてモグラはどこかに。もし見かけても、絶対に素手で触ってはいけない。

 モグラは結構可愛いので見つけると触りたくなる。だが野生動物なので、歯や爪はかなり鋭く危険なことを忘れてはならないのだ。それに鳥獣保護法もあるので、場合によっては逮捕されるリスクもある。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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銭形平次捕物控 171 偽八五郎

2023-11-10 10:46:24 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 


 この話にも八五郎の容姿が出てくるが他の作品と矛盾している。「銭形平次捕物控 015 怪伝白い鼠には、思いもよらぬ大男――しかも、あまり人相のよくないと書かれている。でもこの作品には、少し柄は小さいが、三十前後の面長な良い男で――ウフ、その邊は八五郎にそつくりだな―と書かれている。いったい八五郎は大柄なのか、小柄なのかはっきりして欲しい。まあ、良い男ではないというのは平次が笑っていることから推察できるのだが。

 さて、今回の事件は、江戸の下町を騒がす、良家の綺麗な女の子を狙った誘拐事件。大抵は、身分に応じた金をとって親元に戻すのだが、中には戻らない子もいた。そして、女の子を裸にして骨組みや身體を念入りに見たり、高いところから突き落したり、梁へぶら下げたりするらしい。

 その誘拐犯は、誘拐した女の子の身代金を受け取るとき平次の子分の神田の八五郎」と名乗っていたらしい。もちろん騙りだが、ヘボ探偵三輪の万七は、八五郎を疑っていたようだ。平次も八五郎をからかうネタにするくらいで、もちろん、そんなことを信じちゃいない。与力の笹野も笑って聞き流しているという。

 そのうち殺人事件が起きる。両国で人気の「足藝のお紋」の小屋の軽業師の磯五郎が柳橋の下に舫った船の中で船頭の金助とともに死体で発見されたのだ。二人は、いかにも相打ちという風であった。

 平次は、この事件を見事に解き明かすのだが、明らかになったのは驚くような真実。もちろん八五郎は犯人なんかじゃなかった。
☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

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本能寺から始める信長との天下統一 1

2023-11-08 22:27:52 | 書評:小説(SF/ファンタジー)

 

 これはなかなか面白い。一言で言えばifの世界。パラレルワールドものとでも言おうか。この出版事情が厳しい中、文庫で10巻まで出ているのだから、その人気の高さがうかがえるというものだ。

 主人公は黒坂真琴という高校生。修学旅行で京都に来たが、なぜかタイムスリップしてしまう。別にトラックに轢かれたわけではない(笑)そして行先が本能寺。ちょうど織田信長が明智光秀に襲われているところだ。なぜか剣術と陰陽術を修行していた黒坂は、明智光秀を倒してしまう。結果本能寺で織田信長が生き残り、明智光秀はこの世から退場という歴史になってしまった。

 そして、黒坂は織田信長の客分となり信長の姪の浅井3姉妹とも知り合う。もちろん現代知識を駆使して、信長を助けるというのは、タイムスリップものにある通りだ。

 ちょとネット連載の方を覗いてみたのだが、黒坂はなんと浅井三姉妹の長女である茶々(淀君と言った方が通りがいいかも)を正室として娶り(次女、3女は側室)、城主にまでなっている。そして信長はなんと征夷大将軍になり安土幕府を開く。どうも狭い日本だけでは飽き足らず、海外にまで進出するようだ。そして森力丸(有名な森蘭丸の弟)だけでなく前田慶次や真田幸村、柳生宗矩などを家臣にするのだ。

 さて黒坂はどこまで成り上がるのか。ハチャメチャながらなんとも痛快で面白い。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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聖くんは清く生きたい(2)

2023-11-06 08:07:15 | 書評:その他

 

 この作品は、美騨良学園(みだらがくえん)2年で生徒会長の土御門聖くんを中心としたヒロインたちの物語である。「ヒロインたち全員変態」と帯に書いてあるように、出てくるヒロインは、みんな特殊性癖の持ち主であることは否定しないが、人に迷惑をかけなければ個人の趣味の範疇で楽しむのなら別に構わないと思う。私に言わせれば、酒乱やヘビースモーカーの方がよほど人に迷惑をかけていると思う。誰ですか美少女にヒールで踏まれてみたいとか、美少女を縛ってみたいという人は(笑)。

 前巻では、普段はおとなしいがメガネを取ると女王様に大変身。ドSキャラの佐渡美月(サドみずき:生徒会庶務)と、縛られるの大好きなドMキャラの真園日葵(マゾのひまり:生徒会副会長)の二人のヒロインが出てきた。だからある時はMに成りすまして佐渡さんに縛られ、ある時はSになりすまして真園さんを縛りと土御門くん八面六臂の大活躍。

 そしてこの巻では第3の特殊性癖のヒロインが登場する。西園寺さんという土御門くんのクラスメートで美術部員でもある。黙っていれば清楚なお嬢様だが、大量のディルドを保有し、うっとりしながらそのフォルムを愛でているのである。夢はエロとアートの融合で、最終的には西園寺's 秘●館をつくることらしい。

 予告によれば次巻にはとうとう女性教師が登場するらしい。さてどんな特殊性癖があるのか。でもエロいというよりは、笑えるんだよなあ。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

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冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた 1

2023-11-04 17:15:52 | 書評:小説(SF/ファンタジー)

 

 本書は、一言で言えばお父さん大好き娘の物語である。主人公はアンジェリンという少女。なんと「黒髪の戦乙女」という二つ名を持つSランクの冒険者である。そしてお父さん大好き。

 実はアンジェリンと父親のベルグリフの間に血のつながりはない。ベルグリフが山で赤ん坊のアンジェリンを拾ったのだ(アンジェリンはそのことを知っている)。しかしベルグリフは愛情いっぱいでアンジェリンを育てた。その結果アンジェリンは、凄腕だが、ファザコンと言ってもいいくらいのお父さん大好き娘に育ってしまった。

 そういえば父親大好きならファザコン、母親大好きならマザコン、兄弟大好きならブラコン、姉妹が大好きならシスコンという言葉があるが、子供が大好きな親はなんと言うのだろうという素朴な疑問が湧いた。ネットを検索してみると、同じような疑問を抱いた人がいるようだが、「親バカ」とか「過保護」とかで特に同じような言い方は見当たらなかった。

 実はベルグリフは、冒険者だったが、駆け出しのころに魔獣に右足を食いちぎられ、Eランクで引退している。でも訓練は欠かしていないので、彼を見た人は、とても右足が義足とは思えない動きだという、それにしてはちょっと自己評価が低いような気がするが。

 アンジェリンは、ベルグリフに甘えるために、彼の住むトルネラ村に帰りたいのだが、トルネラ村と都との間は距離があるのでそう簡単には帰れない。そしていざ帰ろうとするとアクシデントが起きる。最後には魔王まで出てくるのだが、魔王は72体もいるらしい。ちょっと多すぎないかな。それにあまり魔王らしくない。

 アンジェリンは、起きたアクシデントはみんな片付けて、やっと一緒にパーティを組んでいるアネッサとミリアムをつれてトルネラ村に帰るのだが、ベルグリフの二つ名を勝手に「赤鬼の」と言っている。そもそも二つ名というのは、誰かが付けるのではなく、自然発生的にみんながそう呼ぶようになるのだが、もちろん誰も「赤鬼のベルグリフ」なんて知らない。果たしてこの二つ名は広がっていくのだろうか。それにしても、義理とはいえ、娘からこれだけ慕われれば、目の中に入れても痛くないと思うお父さんは多いのではないだろうか。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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オフ会で出会ったおねえさんと同棲をはじめた: 【2】 2人だけのオフ会に大人なおねえさんがきた

2023-11-02 12:54:16 | 書評:その他

 

 ゲームで知り合った大人なおねえさんアルルンさんと学生(初出時は高校生)の師匠クンとの恋愛物語。「縁は異なもの味なもの」という言葉もあるように、男女の出会いはどこに転がっているのかは分からない。最近はこんな出会いも増えているようだ。もっともネットを悪用した犯罪も増えているのだが。

 このシリーズまだ続いているのかと思ったら、続編のような扱いだったみたいだ。作者は、おまけのような気持ちで書いていると言っている。だからこれが続編の2巻目。

 描かれているのは2人の日常。家で2人でゲームをしたり、コンビニへ行ったり、ゲームセンターの新規開店イベントに出かけたりといった具合だ。

 この巻ではアルルンさんこと白石さんの名前の方も分かる。莉緒さんというらしい。師匠クンより6歳年上ということも分かる。面白いのは会社で後輩女子にのろけているシーン。年下の彼氏ってどうかと聞かれて、

「何してても可愛いから心が潤う」

らしい。これに対して後輩のツッコミは

「うーわっ! 先輩可愛いのにババァすねぇ!」

 これに対してアルルンさんは一言。

「しゃあしか~・・・っ」

(笑)

 こんな可愛いおねえさんなら、甘やかして欲しいという男子諸君も多い事と思う。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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