立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花。古来より美しい女性を表わす時につかわれた言葉だ。この作品のヒロイン桐谷さんは、そんな女子高生だ。あこがれている男子も多い。ただし黙っていればという条件付きだ。なにしろ、ゲテモノに目がない。とにかく普通の人がゲテモノと見做すものを眼にすると、食べたくて仕方がない。(本作では雑食と言っているが、肉と植物のどちらも食べるという意味ではない。要するにゲテモノ食いなのだ。)そして少し目を離すとなんでも食べようとすつので危ないことこのうえない。知らないものを食べると毒とか寄生虫や病原菌などを持っているのでもう少し気を付けてもいいと思うのだが。
この巻で桐谷さんがトライするのが、コガネムシの仲間のフェモラータオオモモブトハムシ、クビアカツヤカミキリ、オキアミ。キノコの一種オニフスベ、アヒルの頭と足、深海生物。さてさてどのような料理になるのか。それにしても、付き合わされる桐谷さんの高校の理科教師で生物部顧問の榊先生(実は桐谷さんの兄の親友)も大変だ。
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