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文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

桐谷さん ちょっそれ食うんすか!? 19

2025-05-09 20:24:44 | 書評:その他


 立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花。古来より美しい女性を表わす時につかわれた言葉だ。この作品のヒロイン桐谷さんは、そんな女子高生だ。あこがれている男子も多い。ただし黙っていればという条件付きだ。なにしろ、ゲテモノに目がない。とにかく普通の人がゲテモノと見做すものを眼にすると、食べたくて仕方がない。(本作では雑食と言っているが、肉と植物のどちらも食べるという意味ではない。要するにゲテモノ食いなのだ。)そして少し目を離すとなんでも食べようとすつので危ないことこのうえない。知らないものを食べると毒とか寄生虫や病原菌などを持っているのでもう少し気を付けてもいいと思うのだが。

 この巻で桐谷さんがトライするのが、コガネムシの仲間のフェモラータオオモモブトハムシ、クビアカツヤカミキリ、オキアミ。キノコの一種オニフスベ、アヒルの頭と足、深海生物。さてさてどのような料理になるのか。それにしても、付き合わされる桐谷さんの高校の理科教師で生物部顧問の榊先生(実は桐谷さんの兄の親友)も大変だ。
☆☆☆☆





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クリスティ・ハイテンション 6

2025-04-28 13:05:47 | 書評:その他

 本書は、伯爵令嬢(父親が公爵家の後継者だが、まだ当主ではなく現在伯爵のため今は伯爵令嬢だが、未来の公爵令嬢はほぼ確定)のクリスティが様々な難事件に挑むというもの。時代は19世紀のビクトリア朝で、母方の伯父があの有名なシャーロック・ホームズという設定である。だからモチーフになっているのはシャーロックホームズの事件。もちろんあちらの方にはクリスティというキャラは出てこないので、くまでモチーフに使っているというだけだ。その血のせいか、クリスティは利発な少女で、なにかにつけ事件に首をつっこむところがある。

 デビューが少女漫画雑誌の「りぼん」ということもあり、絵柄からは女性漫画家のようだが、男性漫画家であるが、クリスティの美幼女ぶりにはやられる人も結構多いと思う。実は私は新谷さんの作品に結構ハマっているのだが、最近はお歳のせいか新作を眼にしないので、若干寂しい思いをしている。

 さて、本作で謎解きをするのは次の2編。高利貸しの女性が殺された事件と有名なカナリアトレーナーに関する事件。最初の事件ではクリスティは初めてサーカスを見にいき感動している。夜の部も観たいというクリスティに、メイドのノーラはやめた方がいいと言う。その理由は、連続して観ると感動が薄くなりアラばっかり目に入るので、こういった現実ばなれしたイベントは年に1回くらい観るのがいいというということらしい。クリスティはこれに対して「信じられない。ノーラが哲学者に見える」という反応。なにしろノーラは、今はクリスティのメイドをしているが、その前は浮浪児でガサツな性格の鞭使いなのだ。

 もう一つの話は、カナリア専門店に関する話だ。実はその専門店は犯罪の温床となっている。これを解き明かすのがホームズとクリスティというわけだ。
☆☆☆☆








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随筆銭形平次 捕物小説について

2025-04-22 09:21:32 | 書評:その他


 この作品は銭形平次の作者として有名な野村胡堂が、捕物小説について述べたエッセイである。割と有名なことだが胡堂さんは旧制一高から東大法学部に進んだが、父親が死亡し学費が続かなくなったので中退している。要するに当時のエリート(少なくともその候補)とも言えるだろう。

 だから自ら書いている捕物小説にはかなりのプライドをもっているようだ。まずこのような記述がある。
捕物小説の構成上の制約は実に大きい。第一に、ピストルも青酸加里も使えない。ビルディングで活躍することも出来ない。時間の問題にしても、ゴーンと鳴る鐘の音にしか頼るべきものがない。この様に非常に極限された制約のなかで、人間と人間 ― 心と心のふれ合いの中に、ただ、人情の機微の中にトリックが生まれ出なければならない。

要するに、捕物小説は普通の探偵小説より高尚だと言っているのだ。

 胡堂さんの探偵小説家以外の一般の作家たちに対する評価は厳しい。本作品には次のようにある。
探偵小説には、純粋に論理的な知性が絶対に必要である。曾て、徳田秋声と田山花袋が「一つ大衆小説を書いてみようじゃないか、ハッハッハ」と話し合ったということであるが、秋声や花袋は大作家ではあるが大衆文芸はかけなかったように、俺も一つ探偵小説を書いて見ようといった作家たちを、私は軽蔑する。早い話が、数学で落第点を採るような頭で探偵小説を書こうなどとは言語道断である。

ここでは例として徳田秋声と田山花袋が例に挙げられている。秋声や花袋が本当にそんなことを言ったかどうか知らないが、この部分に特に胡堂さんのプライドが透けてみえるような気がするのだが。
☆☆☆☆




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イジらないで、長瀞さん(11)

2025-04-20 13:41:06 | 書評:その他

 もう完結しているが、過去の巻にはまだ未読のものがあるので、順番にレビューしていきたいと思う。内容は超ツンデレ肉食女子の長瀞早瀬(ハヤっち、トロちゃん)と、超草食男子の八王子直人(センパイ)の繰り広げるラブコメである。
 この巻での特筆事項は二つ。一つ目は、長瀞さんが再び柔道に取り組むことになったこと。実は長瀞さん、昔柔道をやっており結構な実績があったのだが、いろいろ事情があって柔道から離れていた。ところで一つ疑問が。直人君、校内の柔道大会で、あっという間に、連続して相手に「技あり」を取られているのだが、その後も試合が続いている。私の記憶によれば、確か「技あり」2回になればその時点で合わせて1本になり、直人の負けが確定すると思ったのだが。
 もう一つは、直人の所属する美術部に関してだ。3年になって、直人が美術部長になった。(この時点で美術部員は直人ひとりだけだったのでこれは当然)そして美術部には目出度く1年の新入部員が一人入ってきた。それがなんと前部長の従妹。ちなみに前部長と同様、脱ぎ癖があるらしくヌードモデルも辞さないという。
 ちなみに直人君、長瀞さんとデートすることになったが、お邪魔虫の長瀞フレンズが絡んできそうな感じで終わっている。果たして直人君、無時に長瀞さんとデートができるのか。
☆☆☆☆
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蜘蛛ですがなにか?(1)

2025-04-15 10:26:44 | 書評:その他

 この作品も転生ものの一つだ。転生ものでは実に様々なものに生まれ変わっている。もちろん人間として転生しているものも多いが、王族や皇族、貴族として生まれ変わったり、奴隷として生まれ変わったり、モブとして生まれ変わったり、悪役令嬢として生まれ変わったりとそれだけでもかなりのバリエーションがある。しかし剣や杖と言った無機物として生まれ変わったり、スライムやゴブリンといったモンスターに生まれ変わることもあり、一口に転生ものといってもその種類は千差万別である。

 この作品においては、女子高生から洞窟(エルロ-大迷宮というらしい)に住むスモールレッサータラクテクトという最弱の蜘蛛のモンスターに生まれ変わっている。そしてそこで兄弟姉妹たちと壮絶な共食い。生まれたときからハードモードだ。そこから彼女の生き残るための闘いが始まる。周りのモンスターはすべて格上。しかし知恵でそいつらを倒していく。そして腹が減るのでまずいながらも倒したモンスターを食べている。そしてたまには冒険者たちにも追われる。転生物にはつきもののスキルとレベルだが、敵を倒すとそれらが上がるのだ。果たして彼女は強者ばかりの洞窟で生き延びられるのか?
☆☆☆☆






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ゆうやみ特攻隊1,2

2025-04-14 22:20:12 | 書評:その他





 本書は一口で言えばホラー漫画である。2007年1月から2014年7月まで、少年シリウスに連載された。主人公は、辻翔平という少年。姫山高校で「心霊探偵部」に入り、その部員たちと悪霊と戦うというものだ。部員は部長の花岡弥依と部員の越島カエデ、そして念写のできる犬の2号。ちなみに2号というのは殉職した初代の犬がいたためである。

 実は翔平は9年前に目の前で悪霊に優しかった姉を殺された過去がある。そこでどんな霊でも除霊することができる大霊能力者がいるという噂の「心霊探検部」入部したというわけだ。

 この大霊能力者というのが弥依のこと。彼女の能力は霊を物理的に殴って、恐怖で霊を消滅させるというもの。なんという画期的な除霊方法。弥依の除霊シーンに会えば、どんな悪霊もしっぽを巻いて逃げ出しそうだ。この設定がなんとも言えず面白い。

 翔平の姉を殺した悪霊は、黒首島のミダレガミというらしい。この黒首島は、翔平の母の生まれた島らしい。部の全員で黒首島を訪れるが、果たしてどんな因縁が待っているのか。

 絵柄は独特であり、普段はあまり読まないタイプだが、不思議とこの作品については読んでそう違和感は感じなかった。
☆☆☆☆
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昭和のこども

2025-04-10 16:40:45 | 書評:その他

 本書は、昭和30年代後半の東京練馬に生まれた著者の子供時代などを描いたものだ。この絵柄からはあまり想像できないと思うが、インドもの、育児ものの他にホラー漫画を描いているという。インドもの育児ものというのは、インド人男性と結婚されて、2児の子育ても経験されているからだ。

 読んでみると、昭和の時代ってそうだったよなという懐かしさを覚える。もうひとつ昭和のこどもってたくましかったよなあということ。まあ、りんこさんはその中でも特にたくましかったようだ。なにしろトカゲやダンゴムシなどは手づかみ。モズのはやにえだったヘビのミイラを見つけて喜ぶ。男子には結構いたと思うが、女子はさすがに少なかったような。でもさすがにシロアリの羽蟻には恐怖したらしい。しかし、りんこさんの通っていた小学は4年になると男子は4年になると水泳パンツから赤フンになるらしい。そして臨海学校では1時間で2キロを泳がされるという。まあ私の通った小学校にはプールはなかったし、海からも遠かったので水泳の授業自体がなかったのだが。

 驚いたのは、りんこさんのご主人のこと。りんこさんが子供の頃、いやな洋服を着させられると、道に寝っ転がって抵抗したようだが、ご主人が子供の頃は赤フンいっちょうで過ごしていた(何しろインドは暖かいので、村中の子供はみんな同じ赤フン姿だったらしい)のでそんなことはなかったという。年に一度のお祭りの日に新しいフンドシを買ってもらえるのが楽しみだったそうだ。さすがにりんこさんも、自分よりスゴイ子供時代だと思ったようだ。

 そしてケガをしたら赤チン。女子の遊びはゴムだん(私の地方ではゴム飛びと言っていた)と懐かしい昭和ネタがいっぱい。
☆☆☆☆




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落日のパトス 17

2025-03-25 10:21:37 | 書評:その他

 艶々さんによる、駆け出しの漫画家藤原秋と高校時代彼の教師だった仲井間真(旧姓祐生)との禁断の愛を描いた落日のパトスもこれで17巻。

 秋の住むアパートの隣の部屋に偶然引っ越して来た真。そして2人の交流が再び始まる。しかし真は人妻。秋はたまたま彼女のを痴態(要するに夫婦生活ですな)を目撃してから、妄想にふけるが、どうも歳の差婚ということもあり真は欲求不満気味。何かと自家発電に励んでいる。その嬌声を隣の部屋で聴く秋はますます妄想にふける。いや妄想だけではない。最後の1線こそ超えてはいないものの、結構エロいことをやっている二人。そう艶々さんの芸風?は、やりそうなのに1線を超えるまで引っ張るのだ。でも結局は最後は1線を越えてしまうので、この作品もそういった流れになるのだろうか?

 こう書くと、エロ一辺倒のように聞こえるが、結構ギャグが入っておりそれが結構面白い。この17巻では真が昔の水着(ビキニです)が入らないのに無理やり着ているシーンがとにかく笑える。もちろん水着は悲惨なことに。そしてダイエットしようとプールに行くのだが、その恰好が競泳用の水着(現代の主流の露出の少ない奴)。おまけに泳ぎが、運動量はすごいが、泳ぎ方はむちゃくちゃ。こういったところも気に行っている。
☆☆☆☆






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ゆるキャン△ 10,11

2025-03-18 17:19:29 | 書評:その他


 静岡県浜松市から山梨県身延町に引っ越して来た各務原なでしこ。この物語は、なでしこが入った本栖高校で出会った仲間たちとゆるゆるキャンプ活動をしていく物語である。主な登場人物はなでしこが入った「野外活動サークル」(通称野クル)仲間の大垣千秋(一応野クルの部長)、部員の犬山あおい、部員ではないがソロキャンパーの志摩リン、帰宅部の斉藤恵那、野クルの顧問の先生でお酒大好きグビ姉こと鳥羽美波、なでしこの姉の各務原桜、そしてなでしこの幼馴染で浜松在住の土岐綾乃だ。

 10巻では恵那が千秋の髪を切ることになるが、千秋の髪で結構遊んでいるのがなんとも笑える。

 そして10巻11巻のメインは、大井川になでしこ、リン、綾乃の3人でキャンプに行くというもの。大井川に決めたのは、浜松と身延の真ん中あたりだという適当な理由だ。なでしこは公共の交通機関で、リンと綾乃はバイク乗りなのでそれぞれの愛車で行き、キャンプ場で合流することになる。寡聞にして知らなかったが、大井川上流には吊り橋が多くかかり、観光スポットにもなっているらしい。

 ものすごい美少女が登場するわけでもないが、可愛らしい少女たちが、わいわいがやがや言いながらキャンプ活動をしていく様子は見ていて楽しい。
☆☆☆☆




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3日で自発的に動く子になる! 信頼声かけ

2025-03-14 21:27:47 | 書評:その他

 著者の下村さんは、小児科看護師で育児アドバイザーである。下村さんの長男は灘中、次男は滝中に合格したという。灘中は有名だろうが、滝中というのは愛知県にある東海地方でトップクラスの学校だと言う(私も寡聞にして滝中は知らなかった。何しろ小学校から大学院修士課程まですべて国公立の学校に通ったので、あまり私立の学校には詳しくない)。そんな下村さんが語る子育て論。

 皆さんはこんな言葉を知っているだろうか? 「丸い卵も切りようで四角」。タイトルに「声かけ」とあるように、声かけは大切だが、正しい声かけをしないと逆効果になってしまう。そうその心は同じだとしても、子供に自主性、親との信頼関係を築くのはどう言えばいいのか。そういったころを事例を挙げながら示していく。

 いくら自分の子供だからといって押さえつけるようなことを言ってはいけない。それでは反発を招くだけだろう。子どもが自発的にいろいろなことをやらないと意味がない。子育て真っ最中の人たちにはそのために必要なヒントが沢山詰まっているように思える。

 なお、本書は著者が本書を刊行するにあたって、企画・協力した吉田さまからのいただき物です。お礼申し上げます。
☆☆☆☆
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