自律神経のコントロールを通じて、自分自身をコントロールするような生活習慣を身につけ、活力に溢れた人生を送ろうという、
「蘇活力 実践篇」(南和友:アチーブメント出版)。著者は、北関東循環器病院の院長である。
本書で述べられていることを一言で要約すれば、「交感神経と副交感神経をバランスよく働かせ、活力のある生活を送ろう」ということだろう。そうすれば、交感神経および副交感神経の「閾値」というものが上がり、活力が湧いてくるとのことだ。「閾値」を高めるには、自分の知らないことにもどんどん挑戦して、色々な経験をし、感動の多い生活を送れば良いらしい。例えば、著者は、出張に行く際には、事前に観光名所、博物館、美術館といったものを調べておいて、ちょっとした観光もしてくるという。また、運動も有効であるとして、運動の習慣の無い人には、1日30分の散歩から始めることを勧めている。
この「閾値」という言葉は、本書では交感神経、副交感神経両方に使ってあるのだが、少し分かりにくいと思う。交感神経の「閾値」の方はまだ分かりやすい。交感神経は、興奮しているようなときに優位になるのだから、この「閾値」を上げるということは、少々のことに動じないようにするということだろう。しかし、副交感神経の「閾値」を上げるとはどういうことか。副交感神経は、リラックスしているときに優位になるのだから、その「閾値」を上げるということは、リラックスしにくい体にしろということになりはしないか。もちろん、著者はそんなことは思っていないはずだ。
また、自立神経を鍛えれば、「閾値」が上がり、それが活力に繋がるということも、どのようなロジックなのかということも分かりにくい。交感神経の「閾値」が上がるということは、感動しにくくなるということではないか。感動しにくくなれば、なぜ活力が出てくるのか。
ただ、著者の主張は、分からなくもない。むしろ感覚的には賛成の部分が多いのである。著者は現役の医者であり、その体験から出て来たノウハウが、本書には詰まっているものと思える。ただ、ロジカルに述べられていないというだけだろう。
<いつも健康でいるためには、日ごろから病気にならないような生活を送らなければなりません>(p72)
結局、著者の言いたい事は、この一文につきるのではないか。これには、もろ手を挙げて賛成である。そのためには、うまく、オンーオフを切り替えていく必要があるということなのだ。
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