文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

書評:地理 2018年 05 月号

2018-05-30 10:28:21 | 書評:学術・教養(人文・社会他)
地理 2018年 05 月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
古今書院


 先般嵐山・嵯峨野に行って、竹林の中を歩いてきた。竹は日本の風景によく似合う。竹林はまさに日本の景色である。

 発明王エジソンが、日本の竹を電球のフィラメントに使った話は有名だが、竹は日本人の生活にも欠かせないものだった。子供の頃は、竹を編んで農具などを作っている人が近所にもいたし、竹ひごも普通に売っていたので、よく工作に使ったものだ。

 さて、この号の特集は、その竹に関するものである。内容は「竹と人が織りなす世界」。読んでいて思ったのは、地理に関する雑誌を読んでいるような気がしなかったということだ。竹の生態や筍の話、竹から作られる茶筅の話など、農学か何かの専門誌を読んでいるような錯覚が起こる。もちろん、地理オリンピックの話など、地理専門誌らしいトピックスもある。

 本書がいいのは、書評欄が充実しているところだろうか。もっとも高い本が並んでいるので、なかなか手に取ろうとは思わないのが難点だが。それでも、たまに新書などが出ていると買ってみたりしており、なかなか自分の読書生活の参考になる。

☆☆☆☆

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秋田大学理工学部からスクーリングの案内が来た

2018-05-28 17:02:14 | 秋田大学通信教育
 秋田大学理工学部から、通信教育のスクーリングの案内が来た。さすがに今住んでいるところから、秋田まで行くのは遠すぎるし、別に必修という訳ではないので、とりあえず行かないことにする。

 しかし、そろそろレポートの一つも出しておかないといけないかな。3年も期限があると、いろいろと所用もあり、つい後回しになってしまう。
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書評:ミクロ経済学の力

2018-05-28 09:35:18 | 書評:学術・教養(人文・社会他)
ミクロ経済学の力
クリエーター情報なし
日本評論社

・神取道宏

 本書はタイトルの通り、ミクロ経済学の教科書である。対象は大学2回生程度であるというが、学部の中・上級から大学院の初級レベルまでをカバーしているという。

 現代の経済学は、数学モデルをつくって、本来は定性的なことをいかにも定量的であるかのような錯覚を持たせて説明するというのが大きな特徴であり、本書にも、数式を使った説明があふれている。しかし、経済学的な概念はさておき、使われている数学はそう高度なものではなく、高校生でも理系に属している生徒なら理解できるレベルだろう。もっとも、経済学の慣例で、単なるラグランジュの未定乗数法の式をラグランジアンと記しているのは違和感がある。多分物理学を少しでも学んだ者なら、ラグランジアンというと別のものをイメージするのではないだろうか。

 私たちの頃は文系に進んだ人間でも数ⅡB(普通高校の場合)までは履修していた。だから、経済学が文系だといってもそう違和感はなかったのかもしれない。しかし今はどうだろう。高校のときに数学をほとんど勉強しなかったのに、大学の経済学部に進学した者は、その内容に少し面食らうのではないかと思う。

 最近は、ゲーム理論を経済学のツールとして使うことが流行しているようだ。本書にもゲーム理論に関する部分に多くのページが割かれている。ゲーム理論そのものは大昔からあり、私が学生のころは、難しい数式がたくさん並んだ専門書が売られていたものだが、経済学の教科書にゲーム理論に関する話題が載っていた覚えはない。しかし、今ではミクロ経済学にはかなり重要なツールらしい。

 経済学を学ぶ目的は、経済学者に騙されないためと言ったのは、異端の女性経済学者であるジョーン・ロビンソンだが、私たちも本書に書かれていることくらいは知っておいたうえで、彼らの言論をうっかり信じないように気を付けたいものである。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。
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書評:電力の15年間

2018-05-26 18:28:33 | 書評:学術教養(科学・工学)
電力の15年間 平成29年版 (電験3種過去問マスタ)
クリエーター情報なし
電気書院


 本書の性格を一言で言えば第三種電気主任技術者試験における電力分野の過去問集である。科目は現在、理論、電力、機械、法規の4科目である。昔私が受験した頃は6科目に分かれており、すべて同じ回に合格しなければならなかったが、現在は科目合格制度が採用されているので、3年間ですべての科目に合格すればよい。

 電気主任技術者は、電気事業法に定められた国家試験で、電気設備に関する工事、維持、運用の保安の監督ができる。第一種から第三種までの3区分があり、第三種の免状があれば、電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物(ただし出力5千キロワット以上の発電所を除く)が扱えることになる。だから世の中の需要は結構多い。なお、電気事業法の定める主任技術者には、このほかにボイラー・タービン主任技術者とダム水路主任技術者があるが、試験により取得できるのは、電気主任技術者のみである。

 一応レベルは高卒程度となっているが、大学で電気を学んだはずなのに落ちる人がいる反面、文科系の人でもがんばれば合格できるのがこの試験である。

 本書は過去出題された問題が、見開きで丁寧な解説付きの回答とともに示されている。私はこれまで100近い資格試験に合格しているが、ほとんどのものは、過去問を繰り返し解くというのが勉強法である。第三種電気主任技術者試験も、おそらくその例外ではないだろう。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

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放送大学面接授業(文化と心理学2日目)受講

2018-05-26 17:39:26 | 放送大学関係
 今日は、2週間ぶりに、放送大学広島学習センターにおいて、「文化と心理学」の面接授業の2日目である。
 通常は2日連続なので、くたびれ方がすごい。しかし2週間も空くと、さすがに間延びする。1週間程度の間をおいて2日間やるのが一番いいが、遠くからくる学生もいるので、交通費等を考えれば、できるだけかためてやりたいところかもしれない。

 これで、今学期の面接授業はすべて終了。あとは、放送授業の試験を受けるだけだ。
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書評:悪女

2018-05-21 18:13:59 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)
悪女 (創元推理文庫)
クリエーター情報なし
東京創元社

・マルク・パストル、(訳)白川貴子

 本書は、実話をベースにした物語。舞台は、20世紀初頭のスペイン・バルセロナだ。訳者あと書きによれば、元々はカタルーニャ語で出版され、その後各言語に翻訳されたようだ。

 描かれているのは、「吸血鬼」と呼ばれた稀代の悪女エンリケタの物語だ。悪女とというと、なんだか妖艶な美女という感じがするのだが、むしろ鬼婆と呼んだ方が本質を表しているかもしれない。

 なにしろ、子供を誘拐し、幼児売春などを行わせた挙句に、用済みになると殺して、死体から様々な怪しい薬を作っていたという。まさに悪魔の所業。子供から作った薬は、結核や梅毒にも効くとされていたようだ。そのため顧客は上流階級に多く、エンリケタはなかなか逮捕されなかったという。

 本作で、誘拐事件を捜査していくのがコルボ警部とその相棒のマルサノ警部なのだが、政治家連中から警察署長に圧力がかかtって、誘拐事件など発生していないと捜査の中止を命ぜられる。しかし、二人はそれに反して事件を追い求めていくわけだが、この辺りはまるで刑事ドラマのテンプレを見ているようだ。

 もっとも、コルボ警部の方も真っ白というわけではない。捜査の過程で相手を殴りつけるというのはざらだし、犯人と「交渉」して現金(いわゆる袖の下)も受けっとっているようだ。しかし、最後にコルボさん、あんなになるというのはちょと意外だったかも。

 ところで、作中にぺセタという単位のお金がよく出てくるのだが、国や時代の違いで価値がよくわからない。可能なら注釈ででも、今の日本円に直せばどのくらいの価値があるのかを示しておけばもっと作品を楽しめると思った。

☆☆☆☆

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心理学概論のレポート提出

2018-05-20 09:20:06 | 放送大学関係
心理学概論 (放送大学教材)
クリエーター情報なし
放送大学教育振興会


 先ほど、放送大学のシステムWAKABAから、残っていた「心理学概論」の通信指導を提出した。これで、今学期履修の科目は、すべて通信指導を提出したことになる。あとは試験を受けて合格すれば単位取得となる。

 来学期でおそらく放送大学5回目の卒業が決まると思うが、そのあとどうするかだ。放送大学の学生をやっていれば、色々と放送大学の設備が使えたりするので便利なのだが。

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放送大学学習センターのゼミ出席

2018-05-19 20:12:06 | 放送大学関係
 今日は、放送大学広島学生センターで実施するゼミに参加してみた。今年が初めての試みのようで、やり方は手探りだという。基本は経済学に関する本を読むということで、今日は、候補を2冊に絞った。次回は、どれにするか決めて、とりあえずは輪読をやるようだ。

 実は、専業の学生時代には、ゼミというものに参加したことはない。研究室には所属していたが、ゼミなる形式の授業はなかった。今回が初めてなので、さてどうなることか。開催は月に1回。普段読めない本を読むのにいい機会かもしれない。

 その後、少し休んで前に勤めていた会社のOB会に出席した。前は所属していた部門2つから案内か来ていたのだが、今年は1つしか来ないなと思っていたら、いつもまにか組織改正があって、二つが合併していたようだ。

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認知心理学のレポート提出

2018-05-18 00:04:28 | 放送大学関係
認知心理学 (放送大学教材)
クリエーター情報なし
放送大学教育振興会


 今日からWeb上では、放送大学の通信指導が提出できる(ただし郵送の場合は5月24日から)。というわけで、とりあえず、以前やっておいた「認知心理学」分をまず提出した。「心理学概論」の方は、半分くらいやっているが、近いうちに提出するつもりである。
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書評:動く標的【新訳版】

2018-05-17 22:27:03 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)
動く標的【新訳版】 (創元推理文庫)
クリエーター情報なし
東京創元社


・ロス・マクドナルド、(訳)田口俊樹
・創元推理文庫

 本作は著者の生みだした名探偵であるリュー・アーチャーのデビュー作であるという。しかし処女作ではない。これなど先に亡くなられた内田康夫さんの浅見光彦と同じような感じだろうか。内田さんの処女作は「死者の木霊」だが、浅見光彦の登場は3作目にあたる「後鳥羽伝説殺人事件」からだ。

 しかしアーチャーと光彦には相違点も多い。光彦は永遠の33歳で爽やかな好青年というイメージだ。アーチャーは35歳と年齢こそ光彦に近いが、その容姿を表した部分を引用してみよう。アーチャーが鏡に映った自分を見て思ったことだ。

<痩せ細った略奪者の顔をしていた。鼻は細すぎ、耳は頭蓋にくっつきすぎていた。瞼は外側が垂れ下がり、それでたいていは目の形が自分でも気に入っている三角形になるのだが、今夜の眼は瞼のあいだに押し込まれた小さな石の楔のようだった。>(p79)

 どうだろうか。どこにも爽やかさなどは感じられないのだが。

 さてストーリーの方だが、アーチャーは石油業界の大物サンプソンの妻から電報で呼ばれる。呼ぶ手段が電報というのが、なんとも時代を感じさせるのだが、依頼は夫が失踪したので行方を捜してくれというもの。ところが本人から10万ドルを用意しろという自筆の手紙が届く。アーチャーは、事件の真相を探っていく。

 なんとなく連想できるように、結局は誘拐事件なのだが、それにしても犯人側の人物の数の多いこと。1匹いればあと数十匹はいるといっていい、まるでGのようである。

 さてアーチャーだが、快刀乱麻のごとく、鮮やかに事件を解決というようなことはない。何度も殴られて気絶させられ、縛り上げられたりするという何とも情けないヒーローなのだ。彼が縛り上げられている箇所を少し引用してみよう。

<うしろ手に両手を縛られ、足も結わえられ、手首とつなぎ合わされていた。>(p221)

 アーチャー大ピンチなのだが、その場面を想像してみると、なんだか漫画チックなのである。

 今回、ロス・マクドナルドという作家を初めて読んだが、自分の好みかどうかを聞かれると、それほど好みな話ではなかった。好みの作品は、一気読みしてしまうが、これについては、何度も分けてちょっとずつ読んでいった。そのため、最初の方は忘れているので、また読み直しという体たらく。読み終わるまで時間がかかってしまった。まあ、最後にちょっとしたどんでん返しはあるのだが。

☆☆☆

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