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文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

身代わりの生贄だったはずの私、凶犬王子の愛に困惑中 1

2025-05-09 21:23:09 | 書評:小説(SF/ファンタジー)

 本作のヒロインは、ナディアというマスカール伯爵家の長女で正妻の唯一の子。ところが浮気者の父マスカール伯爵、その浮気相手から後妻に入った継母のオルガ、その娘で腹違いの妹にあたるジゼルから虐げられており下女同様の扱いを受けていた。この辺りは割とよくある話だろう。章題にもあるように、古くはシンデレラのお話にもあるようなシチュエーションだ。違いは、継母やその娘だけでなく、実の父親にまで虐げられていることと、魔法使いではなく妖精さんが出てくるところだ。

 ある日父親からナディアにジゼルの代わりに舞台のエルランジェ王国第二王子クロヴィスの傍仕えとして出仕を命じられる。このクロヴィス王子、二つ名を凶犬王子と呼ばれ、恐れられていた。

 ところが、噂とは王子の人となりは大分違い、結局クロヴィスちナディアはラブラブとなりマスカールたちはざまあ展開。

 このクロヴィスちナディアの関係がなんとも面白い。お前ら、付き合い始めの中学生カップルかと思わずいいそうになる。いや、最近の中学生の方がしっかりしているような・・・。

 本書からの教訓をひとつあげれば、根拠のない噂を信じ込んではいけないということ。まるで某CMで話題の決〇つ〇刑〇だ。最近はネットの発達とともに、そういった輩が顕在化しているのはニュースなどで目にする通りだ。
☆☆☆☆






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婚約破棄された公爵令嬢は、隣国の冷徹皇帝に嫁ぐ

2025-04-30 18:09:14 | 書評:小説(SF/ファンタジー)

 最近婚約破棄ものにハマっている観もあるが、これもそのひとつだ。ちなみにネットで検索をかけたら婚約破棄ものは実に色々なバラエティでヒットする。ある程度パターン化されているような気がするが○○令嬢が△△から婚約破棄を宣言される。そして△△は、違うものもあるが王太子というものが多い。

 要するに王太子が浮気をして、そちらを嫁にしたいがために今いる婚約者に婚約破棄をつきつけるというものだ。そして王太子の浮気相手だが、婚約者よりかなり下位の令嬢という場合が多い。平民だったり、男爵や子爵の令嬢だったり。この作品ではロアトリエ王国の王太子レオンハルトが伯爵令嬢のカトリーナと浮気をしている。浮気相手が伯爵令嬢というのも珍しいが、それでも公爵令嬢よりは下になる。

 ところが捨てる神あれば拾う神ありということで、この公爵令嬢は隣国アステルム帝国の皇帝ルシアンに、皇后として嫁ぐことになる。

 王太子がバカだというのは、隣国で皇帝に対しても態度がでかいし、皇后に対しても自分の者のような扱いをしていることから分かる。王太子といっても、王位を継いだわけではないのだから、外交的にも隣国の皇帝に対してもっと下手にでないとおかしい。

 皇帝は冷徹といわれているが、実は不器用でぶっきらぼうだっただけのような気が。結局王国は衰退の一途をたどる。しかし伯爵令嬢カトリーナ、レオンハルトと悪だくみをしているというような記述はあるが、あまり表には出てこない。こちらももっとバカさ加減を出してもよかったのではないか。
☆☆☆☆







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贅沢三昧したいのです!~貧乏領地の魔法改革 悪役令嬢なんてなりません!~ 1

2025-04-09 22:37:51 | 書評:小説(SF/ファンタジー)

 主人公は、サレスティア・ドローラングという男爵令嬢。転生者である。前世では、祖父の残した借金のため超貧乏。家族総出で、やっと借金を返し終わったと思ったら 自動車事故で死んでしまい、気が付いたら乙女ゲームの悪役令嬢として生まれ変わっていた。このままでは親の不祥事で一族郎党処刑のバッドエンドが待っている。

 悪役令嬢役が男爵令嬢というのは珍しい。普通は公爵令嬢だったり公爵令嬢などの上級貴族の娘の役割なのだが。まあ、男爵令嬢と言っても、一応は貴族令嬢。今世では贅沢三昧出来ると思いきや、領地に行ってみると、もう荒れ放題の崩壊寸前。いや寸前というよりもう既に崩壊していると言った方がいい。

 前領主は立派な人だったようだが、今の領主夫婦(サレスティアの両親)は領地経営にまったく無関心で王都で贅沢することだけしか興味がない。だから領地の現状も知らずに贅沢生活に余念がない。

 領主代行として、領地に赴任した(追い出された)サレスティアだが、この現状を見て、バッドエンドどころではない。ここからサレスィアの領地改革が始まる。寝起きの悪い亀の魔物(当人?は言っているが、実は四神のうちの玄武)の手助けもあり、領地は少しづつ復興していく。でも最後にちょっと不穏な動きがあり、どう展開していくのか気になる。またどんな領地改革のアイディアが出るのかも楽しみ。サレスティアも可愛らしい。
☆☆☆☆
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ゲーム内の婚約破棄された令嬢に声が届くので、浮気王子を毎日断罪することにした

2025-03-29 18:13:47 | 書評:小説(SF/ファンタジー)

 「君との婚約は破棄する!」これは乙女ゲー「ティンクル★ストロベリー 真実の愛の行方」の中でこの国の第一王子で王太子のマーク・デルクンドが侯爵令嬢シャルニカ・エーメイリオスに王立学園卒業式のパーティという公式の場で投げかけた台詞だ。

 婚約破棄の理由が真実の愛を見つけので、ミルキア・アッパハト子爵令嬢と結婚するというものである。要するに只の浮気でありシャルニカには何の落ち度もないのだ。

 王太子というと、この手の小説はだいたい禄でもない人物が出てくるのだが、この話もそれに違わない。

 しかし、よくあるようにシャルニカは転生者というわけではない。ゲームをしていた鈴木まほよが、自分も同じような体験をしているということで、ゲームの外からシャルニカにアドバイスを送るというもの(なぜか干渉できる)。もっともシャルニカは、まほよのアドバイスを女神ヘカテの神託と思っているようだ。このように転生者ではなく外からゲームの世界にアドバイスできるというのがまず1つ目の面白いところだ。

 結局マークとミルキアは、断罪され、辺境の一代男爵として廃嫡・追放されることになる。そしてシャルニカは、新しく王太子となったリック・デルクンド第二王子の婚約者となるのである。

 これで終わりかと思ったら、マークとミルキアはその後何度もやらかし、その度に断罪されるが、最期には地獄に落ちてしまう。それでもやらかそうとしているのだが、結局何かやらかす度に「ざまあ」されてしまう。このように「ざまあ」が1度で終わらずに何度も繰り返されるというのが、2つ目の面白いところである。この「ざまあ」ぶりがなんとも痛快なのだ。
☆☆☆☆
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転生魔女の気ままなグルメ旅~婚約破棄された落ちこぼれ令嬢、実は世界唯一の魔法使いだった「魔物討伐?人助け?いや食材採取です

2025-03-21 21:10:13 | 書評:小説(SF/ファンタジー)

 主人公は正式名マリー・フォン・ゴルドー(以下マリー)という公爵令嬢。王太子のルグニスと婚約していたが、パーティの際に突然二卵性双生児の妹グリージョに非道を働いていたという理由で婚約を解消され、国外追放を言い渡される。もちろんマリーはそんなことはしていない。すべてグリージョの嘘である。グリージョは自分が王妃になりたいのでそんな嘘をついて姉を陥れたのだ。王太子なら、ある程度裏を取るのも難しくないと思うのだが、グリージョの嘘をそのまま信じたのだろう。この時点で王太子はバカだと思うが異世界ものにはよくある設定だ。

 この世界は異世界であるが、魔法が極端に衰退している世界である。ただし治癒魔法だけが法術と名を変えて残っていた。そしてマリーは法術を一切使えない「落ちこぼれ令嬢」と見做されていた。一方、妹のグリージョは次世代の大聖女と見做されていた。王太子ルグニスは、法術の使えない「落ちこぼれ令嬢」と次代の大聖女を交換したかったのだろう。

 ところが、マリーは婚約破棄を告げられたときに前世の記憶を取り戻す。ラブマリー時代に人々を絶望に陥れていた魔王デスデモーナを討伐し、彼女は魔女神と二つ名つけられた大魔法使いだったのだ。そして今のマリーは、あの時代より潤沢な魔力をその身に宿していた。法術を使えない代わりに、上位互換ともいえる莫大な魔力を持つ唯一の魔女だったのである。そしてグリージョの法術は、マリーの魔力によって強化されていたにすぎないのである。

 もちろん「ざまー」的な展開になるのだが、最強の魔女マリーは婚約破棄をこれ幸いと旅に出る。途中で獣人の少年カイト(特技料理)と悪魔のオセ(特技毒や調味料の生成)を道連れに色々なところを旅するという話である。もはや王国には何の思い入れもない。実は彼女を動かしているのは美味しいものを食べたいという食欲だけなのであるが、周りはそれをツンデレだと勘違いして、どんどん信者?が増えていく。この勘違いぶりがなんとも面白い。
☆☆☆☆
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かなたのif

2025-03-14 07:00:53 | 書評:小説(SF/ファンタジー)

 これは二人の少女、遠野香奈多(とおのかなた)と今井瑚子(いまいここ)に起こった不思議な物語。

 瑚子は、香奈多が鍵を落としたのを拾ったのがきっかけとなり香奈多と出会い仲良くなる。瑚子は自分は藤浜中1年B組だと言う。しかし。香奈多も同じ藤浜中1年B組なのに、そんな子はいない。

 香奈多は、多動の傾向があり、クラスで浮いている。専門の医者に見せれば、きっと何かの病名をつけられるだろう。瑚子も友達がおらず、家の近所に住んでいる黒猫をモデルにドコカの話を作っている。その設定は、ドコカが「虹のしずく」を探して、夢の世界を渡り歩いているというもの。「虹のしずく」を手に入れると、なんでも願いが叶うのである。

 このifというのは、ダブルミーニングのようだ。一つは、イマジナリー・フレンドの略。要するに心が作り出した架空の友達である。そしてもうひとつは、英語そのもの意味、「もしも」ということだ。もしもこうだったらという世界。こういった世界は無限にあるというもの。実は二人は別々の世界に住んでいた。本来は交わることがない別世界。そして2人の相手は、それぞれの世界で死亡しているのだ。この物語は香奈多と瑚子のパートを繰り返しながら進んでいく。

 こういったものを哲学の分野では可能世界論というようだ。ただ可能世界の解釈にも色々あるようだ。私は理系で学んだ人間なので、マルチバースと言われた方がなじみがある。要するに私達の住むこの宇宙以外にも無数に宇宙があるというもの。もしかしてラノベなんかによくある「異世界もの」はこの流れを汲んでいるかもしれない。いずれにしても証明するような手段があるとは思えないので、あまり議論しても、空論のうえに空論を重ねた結果しか出ないだろう。

 可能世界論まで持ち出したのは、きっと作者は、この世界には可能性は無限にあるのだと言いたいのだろう。そして2人はそれぞれの世界で新しい可能性と共に生きていくのだ。]
☆☆☆☆
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本能寺から始める信長との天下統一 1

2023-11-08 22:27:52 | 書評:小説(SF/ファンタジー)

 

 これはなかなか面白い。一言で言えばifの世界。パラレルワールドものとでも言おうか。この出版事情が厳しい中、文庫で10巻まで出ているのだから、その人気の高さがうかがえるというものだ。

 主人公は黒坂真琴という高校生。修学旅行で京都に来たが、なぜかタイムスリップしてしまう。別にトラックに轢かれたわけではない(笑)そして行先が本能寺。ちょうど織田信長が明智光秀に襲われているところだ。なぜか剣術と陰陽術を修行していた黒坂は、明智光秀を倒してしまう。結果本能寺で織田信長が生き残り、明智光秀はこの世から退場という歴史になってしまった。

 そして、黒坂は織田信長の客分となり信長の姪の浅井3姉妹とも知り合う。もちろん現代知識を駆使して、信長を助けるというのは、タイムスリップものにある通りだ。

 ちょとネット連載の方を覗いてみたのだが、黒坂はなんと浅井三姉妹の長女である茶々(淀君と言った方が通りがいいかも)を正室として娶り(次女、3女は側室)、城主にまでなっている。そして信長はなんと征夷大将軍になり安土幕府を開く。どうも狭い日本だけでは飽き足らず、海外にまで進出するようだ。そして森力丸(有名な森蘭丸の弟)だけでなく前田慶次や真田幸村、柳生宗矩などを家臣にするのだ。

 さて黒坂はどこまで成り上がるのか。ハチャメチャながらなんとも痛快で面白い。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた 1

2023-11-04 17:15:52 | 書評:小説(SF/ファンタジー)

 

 本書は、一言で言えばお父さん大好き娘の物語である。主人公はアンジェリンという少女。なんと「黒髪の戦乙女」という二つ名を持つSランクの冒険者である。そしてお父さん大好き。

 実はアンジェリンと父親のベルグリフの間に血のつながりはない。ベルグリフが山で赤ん坊のアンジェリンを拾ったのだ(アンジェリンはそのことを知っている)。しかしベルグリフは愛情いっぱいでアンジェリンを育てた。その結果アンジェリンは、凄腕だが、ファザコンと言ってもいいくらいのお父さん大好き娘に育ってしまった。

 そういえば父親大好きならファザコン、母親大好きならマザコン、兄弟大好きならブラコン、姉妹が大好きならシスコンという言葉があるが、子供が大好きな親はなんと言うのだろうという素朴な疑問が湧いた。ネットを検索してみると、同じような疑問を抱いた人がいるようだが、「親バカ」とか「過保護」とかで特に同じような言い方は見当たらなかった。

 実はベルグリフは、冒険者だったが、駆け出しのころに魔獣に右足を食いちぎられ、Eランクで引退している。でも訓練は欠かしていないので、彼を見た人は、とても右足が義足とは思えない動きだという、それにしてはちょっと自己評価が低いような気がするが。

 アンジェリンは、ベルグリフに甘えるために、彼の住むトルネラ村に帰りたいのだが、トルネラ村と都との間は距離があるのでそう簡単には帰れない。そしていざ帰ろうとするとアクシデントが起きる。最後には魔王まで出てくるのだが、魔王は72体もいるらしい。ちょっと多すぎないかな。それにあまり魔王らしくない。

 アンジェリンは、起きたアクシデントはみんな片付けて、やっと一緒にパーティを組んでいるアネッサとミリアムをつれてトルネラ村に帰るのだが、ベルグリフの二つ名を勝手に「赤鬼の」と言っている。そもそも二つ名というのは、誰かが付けるのではなく、自然発生的にみんながそう呼ぶようになるのだが、もちろん誰も「赤鬼のベルグリフ」なんて知らない。果たしてこの二つ名は広がっていくのだろうか。それにしても、義理とはいえ、娘からこれだけ慕われれば、目の中に入れても痛くないと思うお父さんは多いのではないだろうか。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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転生したらスライムだった件1

2023-08-12 21:34:07 | 書評:小説(SF/ファンタジー)

 

 「転スラ」の名であまりにも有名な本作品。異世界転生ものの名作の一つと言ってもいいだろう。

 主人公は三上悟という37歳大手ゼネコン社員。ちなみに童貞らしい。彼は、通り魔から後輩をかばって命を落とすのだが、気が付くと、彼は1匹のスライムとして異世界に生まれ変わっていた。しかし、彼を待っていたのは、とても最弱の魔物のスライムとは思えないような波乱万丈の人生(魔物生?)。

 そのスライムは、転生した洞窟で勇者に封印されていた暴風竜ヴェルドラと友達になり、リムルと名付けられる。そして、ヴェルドラを崇拝するゴブリンたち、ゴブリンの村を襲っていた牙狼族 を支配下におき、ドワーフの職人たちを仲間にした。そして、魔王レオンにより焼夷弾による空襲の火の海から召喚されてきた同郷のシズ(井沢静江:爆炎の支配者の支配者という二つ名持ち。レオンにより火の精霊イフリートを憑依させられ、大火傷の状態から命が助かるが、ややもすればイフリートに体を乗っ取られそうになる。)の最後の願いにより、彼女を捕食する。

 リムルは捕食により、その生物に擬態することができるので、シズを捕食したことでシズの面影を持った人化ができるようになった。その姿は可憐で中性的だが、股間はつるんとしているらしい。生殖の必要も排泄の必要もないからのようだ。でもこの姿を手に入れたことにより、人気に拍車がかかったんだろうと思う。さすがにスライムのままでは、ここまで人気が出ることはなかっただろう。さて、元人間のスライムは、異世界でどんなことを仕出かすのだろう。

☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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悪役令嬢の兄に転生しました

2023-07-06 10:36:04 | 書評:小説(SF/ファンタジー)

 

 主人公は、エルグランダークはエルグランダーク公爵家の長男。実は転生者で、前世の記憶持ち。

 前世は、昼は外回り中心のアラサー営業サラリーマンだったが、大のゲーム好き。なにしろ、定時に帰れて、土日はしっかり休めるけど薄給のホワイト企業に就職した理由が、ゲームをプレイする時間を確保するためなのだ。そして、夜は、再生数そこそこの、ゲーム実況系You Tuberに早変わり。

 その趣味が高じて、連日の徹夜とエナジードリンクがぶ飲みで体に無理が来たようだ。仮眠しようとして目をつむったところで前世の記憶は終わっている。多分この時にお亡くなりになり、異世界に転生したのだろう。

 さて、カインが3歳のときに妹が生まれる。そのとき、この世界が前世で死ぬ間際まで配信に向けて編集していた「アンリミテッド魔法学園~愛に限界はありません!~」(ド魔学)の世界であることに気が付く。いわゆる乙女ゲームの世界である。そして妹のディアーナはゲームでは悪役令嬢。

 ところがカインは、妹の愛らしさにメロメロ。もう溺愛と言っていいほど。しかし、ゲームの世界では悪役令嬢には、バッドエンドしか待ち構えていない。カインは、妹がバッドエンドを迎えるルートをつぶしていく。

 もはやオリジナルのゲームシナリオは見る影もないが、それでも、カインはディアーナを破滅から守ろうとする。とにかくカインの、シスコンぶりがなんとも面白いのだ。果たしてカインは妹を悪役令嬢ではない優しい女の子に育てられるのか。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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