本作のヒロインは、ナディアというマスカール伯爵家の長女で正妻の唯一の子。ところが浮気者の父マスカール伯爵、その浮気相手から後妻に入った継母のオルガ、その娘で腹違いの妹にあたるジゼルから虐げられており下女同様の扱いを受けていた。この辺りは割とよくある話だろう。章題にもあるように、古くはシンデレラのお話にもあるようなシチュエーションだ。違いは、継母やその娘だけでなく、実の父親にまで虐げられていることと、魔法使いではなく妖精さんが出てくるところだ。
ある日父親からナディアにジゼルの代わりに舞台のエルランジェ王国第二王子クロヴィスの傍仕えとして出仕を命じられる。このクロヴィス王子、二つ名を凶犬王子と呼ばれ、恐れられていた。
ところが、噂とは王子の人となりは大分違い、結局クロヴィスちナディアはラブラブとなりマスカールたちはざまあ展開。
このクロヴィスちナディアの関係がなんとも面白い。お前ら、付き合い始めの中学生カップルかと思わずいいそうになる。いや、最近の中学生の方がしっかりしているような・・・。
本書からの教訓をひとつあげれば、根拠のない噂を信じ込んではいけないということ。まるで某CMで話題の決〇つ〇刑〇だ。最近はネットの発達とともに、そういった輩が顕在化しているのはニュースなどで目にする通りだ。
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