文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

ラーメン大好き小泉さん 1

2020-10-31 10:42:40 | 書評:その他

 

 ラーメン大好きとくれば、つい小池さんと言いたくなるのだが、この作品のヒロインは小池さんではなく小泉さん。以前、深夜アニメで放映していたので覚えている方も多いだろう。

 美少女だが、あまり人と関わりたくない小泉さんが大澤悠(♀)の学校に転校してくる。でもラーメンのこととなると小泉さんは人が変わったよう。ほんと幸せそうにラーメンを食べるのだ。でも辛いやつは少し苦手。

 悠は小泉さんと仲良くなりたいので、偶然を装い、いっしょにラーメンを食べるが、なかなかうまくいかない。寧ろ悠の友人たちの方が、小泉さんに近づいている。

 この1巻では悠が店の定休日に気が付かずにラーメンが食べられず、朝から何も食べてなかった小泉さんが倒れていたので、自宅につれていき手製のラーメンを振舞っている。小泉さんによると、「”店ラーメン”と”家ラーメン”の魅力は全く別モノです」ツンデレ小泉さんも、それまでのツンから少しデレの方に針が触れたような。読んでいて思ったのは、「たかがラーメン、されどラーメン」といったところか。

 本書を読むと、ラーメン豆知識が身につくだろう。例えば熊本ラーメンの馬油(まーゆ)(調べてみると、一般的にはマー油と書くことが多いようだ。麻油とも書く)を悠は「うまあぶら」と読んでいたが、実はニンニクを焦がして香を移した香味油のことで、馬とは関係ない(但しラーメン限定)という。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

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パパとすぅすぅ (うさぎちゃんの ねるまええほん)

2020-10-30 18:40:33 | 書評:その他

 

 この絵本の主人公は、パパといっしょに遊びたいうさぎちゃんです。パパはすぅすぅと寝ていますので、うさぎちゃんは、なんとかパパと遊びたいと、あの手、この手でパパを起こそうとします。このうさぎちゃん、よくこんな手を考えるものだと感心してしまいます。もっとも、子供らしく微笑ましい方法ばかりなのです。

 でも、パパはよほどお疲れなんでしょう。普段の仕事が忙しいのかな。うさぎちゃんが何をやってもなかなか起きてはくれません。あらあら、やっと起きてくれたと思ったら、結局二人ですぅすぅ。うさぎちゃんは、男の子か女の子かはわかりませんが、パパにそっくりで、パパが大好きなようです。

 この絵本を読んでいると、自分の子供が小さな頃を思い出して、ほっこりとした気持ちになるでしょう。子供さんがまだ小さければ、いっしょに寝床やベッドに入って、この本を読んであげるといいかもしれません。特に、子供さんにお昼寝をさせたいときなんかにはいいかも。小さな子供さんのいる人にはお薦めです。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

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半七捕物帳 11 朝顔屋敷

2020-10-29 10:16:39 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 これも半七捕物帳の中の話だ。半七が八丁堀の槇原という同心から依頼された事件だ。杉野という大身の旗本の息子大三郎が、素読吟味に行く途中で行方不明となる。中小姓と中間がついて行ったにも拘らずだ。大三郎はひとつぶ種であり、何としても探し出さなくてはならない。素読吟味とは、お茶の水の湯島聖堂(昌平坂学問所)で行われていたもので、身分の上下を問わず武家の子供が十二、三歳になるとチャレンジするものだと言う。内容は当時の学問であった四書五経を音読するというものである。

 いったい大三郎は神隠しにあったのか。これを解決するのが我らが半七親分という訳だが、前半はこのようにホラー風味で話が進んでいく。しかし、後半からは、半七親分が事件の謎を解くというミステリー要素一色となる。

 なお表題の「朝顔屋敷」とは、杉野家のことである。化け物屋敷として有名だという設定である。なんでも遠い先代の主人が、何かの原因で妾を手打ちにしたが、このとき手打ちにされた妾は朝顔の浴衣を着ていたことから、それ以来朝顔の花が咲くとこの家に凶事が起こると言うのだ。この話は、その伝承をうまく組み合わせて、うまく事件に繋げていると思う。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

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終末のワルキューレ 1

2020-10-28 10:58:22 | 書評:その他

 

 1000年に一度全世界の神々が一堂に会して行われるという「人類存亡会議」。一度は、人類滅亡の結論がでたが、人間に肩入れする戦乙女(ワルキューレ)の長女のブリュンヒルデの進言により、神VS人類最終闘争(ラグナロク)で決着をつけることになる。これは13対13で行われる神と人とのタイマンであり、先に7勝した方が勝ちというわけである。

 この神側の戦力は、色々な神話に出てくる神様である。例えばギリシア神話、北欧神話、インド神話などである。日本神話からはスサノヲノミコトが出ている。しかしこの設定だと、キリスト教のような1神教の神様は出しにくいだろうなあ。ひとつツッコミたいのは神様側に釈迦の名前が出ていることだ。釈迦は悟りの境地に至った人間のはず。仏教で神というなら、名簿にある毘沙門天のように〇〇天を出すべきではないだろうか。そして人間側の名前を見ると、大予言のノストラダムスとか電気工学の二コラ・テスラと言う名前が入っている。いったいどんな戦い方をさせるのだろう。これ絶対にネタだろうと思ってもとっても気になる。

 さて第一試合はトール対呂布奉先。トールとは北欧神話で最強の神といってもいい。そして呂布奉先は三国志最強の武人だ。この1巻では勝負はついていないが、続きがとても気になる。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

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とんでもスキルで異世界放浪メシ 1

2020-10-27 16:42:44 | 書評:その他

 

 原作小説は、いわゆる「なろう系」の異世界もののひとつ。これをコミカライズしたものが本作である。主人公のサラリーマン、向田剛志は『勇者召喚』に巻き込まれ、異世界に転移してしまう。本来の勇者ではないが、一応別の世界から来たので、鑑定と収納のスキル持ち。そして彼の固有スキルはなんと「ネットスーパー」。いろいろなものをお取り寄せできる能力だ。

 彼らを召喚した王たちだが、どうも胡散臭い。向田君は、自分は勇者ではないからとその場から抜け出す。そこから向田君の異世界ライフが始まる。

 彼のスキルを使うと、その世界の人が食べたことの無いような食事がつくれる。それにつられて出てきたのが伝説の魔獣フェンリル。実は腹ペコキャラ。食事につられて、向田君と従魔契約をしてしまう。なにしろ、フェンリルと言えば、下手をすると国が亡びるくらいの魔獣。相手になるのは古龍くらいだ。

 このコミック版を読んで、さっそくネットで「なろう」に掲載されている原作小説を読んでみた。500話を優に超える分量があったが、面白くって最後まで読んでしまった。従魔もこれから増えるみたいだし、なろう系では外せない?神様たちも出てくる。

 あまり、色気はないが、グルメ系の話が好きな人、異世界ものが好きな人にはお勧めだろう。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

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生徒会役員共 19

2020-10-26 08:53:59 | 書評:その他

 

 いま深夜アニメで放映されている本作。アニメはどうもだいぶ前に放映されたものの再放送のようだが、コミックスは、9月17日に発売されたこの19巻は最新の巻となる。なお当初は、マガジンSPECIALに連載されていたが、現在は少年マガジンに移籍している。

 主人公は、津田タカトシという高2に少年。初登場時は高1で、家から近いと言う理由により、桜才学園に進学した。しかし生徒会会長である天草シノに引き込まれた生徒会で副会長として働くこととなる。なお、桜才学園は元々女子高で、少子化の影響によりタカトシの代から男女共学となった。だから周りは女子ばかり。生徒会のメンバーも他は女子ばかり。なお、タカトシの妹のコトミも桜才学園に入ってきている。

 しかし、この女子が曲者ぞろい。会長のシノはもとより書記の七条アリア(大金持ちのお嬢様)の連発するエロボケにもっぱら突っ込むのがタカトシの仕事。そしてもう一人帰国子女で天才だがちびっ子キャラの萩村スズ。多くの話が、シノとアリアのエロボケとスズのちびっ子ネタで進んでいく。

 この巻の大きなイベントとしては、桜才学園の生徒会の会長選挙がある。シノが再選となるのだが、投票した人のコメントで一番多かったのは、「応援したい」「主に津田君との仲をー」(p108)だったらしい。

 これからも分かるようにタカトシ君は女子からモテモテ。桜才学園の生徒会メンバーはもちろん、交流のある英稜高校生徒会の会長魚見チヒロや副会長の森ノゾミなど。この他にもタカトシのことが気になっている女子は多い。

 特に魚見さん、自分とタカトシの親戚同士が結婚したのでタカトシと縁続きになったことから、タカトシの家に入り浸り。感性もシノとよく似ているので、彼女が出てくるとエロボケになることが多い。

 森さんはツッコミ担当の常識人。いつも魚見さんに突っ込んでいるが、女子力が高くおっとりした感じ。

 基本はハーレムもののラブコメなのだが、とにかく面白い。次の巻が発売されるのが楽しみである。

☆☆☆☆☆

※初出は「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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チャンピオンRED 2020年 12 月号

2020-10-25 09:44:54 | 書評:その他

 


 私が唯一毎月買っている雑誌。「チャンピオンRED」の2020年12月号。なぜこの雑誌を買っているかと言うと、昔懐かしい作品のリメイク版がたくさん連載されているからだ。オリジナルの作品を描いたのは、みな大御所ばかりで、鬼籍に入っている人も多いから、これらのリメイク作品は、ご本人が描かれている訳ではない。しかし、ものすごく懐かしい。

 何しろ、エコエコアザラクの黒井ミサ、どろろに百鬼丸、サイボーグ009とその仲間たち、聖星矢の聖闘士たち。これらが一冊の中に登場してくるのだ。009と8マンの共演など、絶対にオリジナル作品ではお目にかかれないだろうものもある。

 その他リメイク作品ではないが、なかなか読み応えがある作品が多く、毎月20日頃が待ち遠しい。またこの号から、鉄道漫画などで知られる松山せいじさんの「ギャル鉄」が連載開始となっている。私自身は別に鉄オタという訳ではないのだが、「ゆりてつ」などのファンなので、今後どう展開していくのか楽しみだ。

 少しツッコミたいのが「ニンジャスレイヤー」。色々と変な忍者が出てくる。原作が外国の人のようだが、どんな忍者感を持っているんだと、小一時間問いつめたい。

 子供向けはちょっとレベルがという人、成人向けはエロ過ぎるという人にはお薦めかな。

☆☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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桜の森の満開の下

2020-10-24 08:28:23 | 書評:小説(その他)

 

 桜には二面性がある。「願わくば花の下にて春死なんその如月の望月の頃」と呼んだのは西行法師だが、桜が満開の時は本当に美しい。しかしあっという間に散ってしまう、その潔さが日本人の心に響いたのだろう。桜は日本人の最も愛する花だと思う。

 一方満開の桜は、人々の心に不安を掻き立てるものでもある。梶井基次郎は、「桜の樹の下には屍体が埋まつてゐる」と言った。これはそんな二面性に満ちた物語だ。

 昔、鈴鹿峠のある山に一人の山賊が済み始めた。その山賊がある日一人の女を8人目の女房にするためにさらってきた。ところがその女はかなりアブナイ奴で、山賊の女房たちを、女中として使う一人を除いて山賊に殺させる。

 都に住むようになった山賊たちだが、女は人の首を欲しがった。首で遊ぶためだ。山賊は女のために沢山の首を狩ってきた。しかし彼はそんな生活がいやになり、山に帰ろうと思う。女も山賊についていくという。ところが、桜の森で満開の桜の下に来た時、事件が起きる。

 この作品は、以前紹介した「夜長姫と耳男」にも負けない驚くようなグロさなのだが、不思議な耽美に溢れている。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

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桐谷さん ちょっそれ食うんすか!?2,3

2020-10-23 08:40:23 | 書評:その他

 

 

 ぱっと見れば美少女高校生。学校のアイドルで、あこがれている男の子も多い桐谷翔子(桐谷さん)。実は雑食女子。別の言い方をすればゲテモノ食い。とにかく変わったものを食べたがる。この2,3巻での食材は、カツオのたたき×パフェのカップリング、クジラの赤身、膵臓、アメリカザリガニ、オオグソクムシ、ワニ、豚のキンツル、セミ(以上2巻)、コオロギ、豚の脳みそ、トドの肉、フグの卵巣の糠漬け、タヌキの肉、カメノテ(以上3巻)。

 この2.3巻では桐谷さんを入れた雑食四天王が揃う。2人目は、肉屋の息子で変わった食材ばかり桐谷さんに供給する肉屋の息子の豊島君(トシちゃん)。1巻で豚の睾丸を提供していたが、2巻でもキンツルを提供する。3巻では豚の脳みそ(頭蓋骨付き)を提供するのだ。

 そして2巻では3人目として、帰国子女の泡瀬クリスが登場する。父親がアメリカ人だ。腐女子でカップリング大好き。エンピツ×ケシゴムでライス3杯いけるらしい。着いたあだ名がBL女子(バイリンガール)。ちなみに祖母は「魔女の喫茶店」というみるからに怪しげな喫茶店をやっている。

 3巻では四天王最後の一人でコオロギ食いの野球少年の楢崎圭辰君が登場する。ちなみに彼の両親は父親が幾多の虫を食らう国ミャンマーの血が流れるクオーター、母親がイナゴの本場長野出身。昆虫食界のエリートである。彼がコオロギを食べる理由は、大食いにも関わらず、家が大家族で貧乏であり、虫がタダだからだ。

 そして桐谷さんに巻き込まれるのが、生物教師の榊さん。桐谷さんの兄の翔馬と幼馴染と言う関係で、いつも桐谷さんの雑食に巻き込まれている。学校の理科室も榊先生のアパートもいつしか雑食料理の場に。

 作り方も分かるので、雑食に興味がある人はぜひ読んでみて欲しい。笑えること請け合いだから。

☆☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

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其中日記 (一)

2020-10-22 09:17:59 | 書評:その他

 

 山頭火は、昭和7年、50歳の時に小郡町矢足(現山口市小郡下郷矢足)に其中庵を開いた。この日記は、其中庵での暮らしぶりを記したものだ。山頭火は、昭和13年に山口市の湯田温泉に移るまで、ここで暮らした。なお、この日記の日付は9月21日から始まっている。実家の酒造場が破産し一家離散になってから、彼は九州熊本に暮らしていたが、元々は山口県防府市の出身である。やはり故郷の近くで暮らしたかったのだろう。

 彼は、まったくと言っていいほど生活力はなかったが、多くの俳友に支えられていた。この日記によく出てくる人物は、樹明と言う人と、敬冶と言う人だが、特に前者はひっきりなしに出てきて、山頭火に金銭的な援助をしたり、酒を飲ませたりしている。この樹明氏、日記の中では、兄と敬称をつけられたり、如来だとか大明神と呼ばれているので相当世話になったのだろう。しかし、彼にしても大金持ちというわけではないようだ。だから金銭的援助といっても僅かなものだが、これが貧しい暮らしをしている山頭火にはうれしかったに違いない。その割には、日記によれば酒を飲んでいる場面ばかりが目立つが。その相手をしているのも、もっぱら樹明氏である。

 日記を読むと、酒ばかり飲んでいるように見えるが、実は其中庵時代に、山頭火の精神面はあまりよくなかったのだろう。この其中庵時代に彼は自殺未遂事件を起こしている。事件を起こしたのは昭和10年のことだが、この日記の中にも彼の精神面の不安定さが透けて見える気がする。

自己清算、それができなければ私はもう生きてゐられなくなつた。いさぎよく、自己決算でもやれ(やれるかい)。



盃の焼酎に落ちて溺れて蠅が死んだ、それは私自身の姿ではなかったか。



夜は長かつた、暗かつた、朝が待ち遠かつた、とうとう朝が来た、死にたくても死ねない人生だ、死ねないのに死にたい人生だ。



死期遠からず ― 何となくこんな気分になつた、
☆☆☆☆
※初出は「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

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