黒部弓見は、男の子たちからダム子とからかわれるのがいやで、女子高である私立荒玉女子高に進む。そこで八田かなんというクールビューティな先輩と出会う。そのかなん、大のダムマニアで、なんとダム部の部長。この巻では、顧問教諭もみつかり、晴れて正式な部となる。実はこの顧問の空海まお、オカルトマニアで、ダムには怪談がつきものと引き受けることになる。(なお、空海が顧問として白羽の矢を立てられたのは彼女が車を持っているからダムへの移動に便利だということかららしい。ただし、事故があるとまずいので、生徒をむやみに車に乗せないように校長から釘を刺されている)ただ、薗原ダムへ行ったときの空海の台詞には思わず突っ込んでしまった。
ヤバい! 吸い込まれそうな闇の力を感じる!! このダムに飛び込んだ平家の落人が怨霊と化しているんだわ!(p17)
いや、あの時代にダムはありませんから!!!
作者のダム愛もそこかしこで感じられるとともに、ダムに関する知識も知らず知らずのうちに身につくので、将来この道に進みたいような人にはいいだろう。ダムカレーも紹介され、かなんのライバルともいえる群馬県立水上温泉高校ダム同好会会長の伊奈ひかるも出て来て、益々今後の展開が気になる。
絵は、成年誌で緊縛漫画を描いている井上よしひささん。絵柄が綺麗で、ダム部員は結構可愛らしいが、緊縛されたシーンはないので念のため(ただしいわゆるサービスシーンはいくつかある)。しかし、私だったらこんな美少女ばかりがダムに興味を持ってくれれば、嬉しくって、つい案内にも力が入るだろう。(笑)
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初出は、「風竜胆の書評」です。