文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

天野為之:日本で最初の経済学者

2024-02-23 09:26:06 | 書評:学術・教養(人文・社会他)

 

 本書を一言で表せば天野為之と言う人の伝記である。私は寡聞にして天野為之と言う人を知らなかったのだが、表紙カバーには「日本で最初の経済学者」とある。

 私は電気工学が主専攻だが、放送大学で色々と勉強している。経済学についても副専攻くらいには勉強しており、有名どころの名前くらいは、一応押さえていると思う。しかし、どれだけ頭の中をひっくり返してみても天野為之という名前は出てこないのだ。だからどんな人だろうと興味が湧いたというわけである。

 天野は佐賀県は唐津の人である。ただし生まれたのは江戸。つまり東京生まれという訳である。父が、唐津小笠原藩の藩医だったからだ。しかし、その後明治維新の頃に、父が病死したので、一家で唐津に引き上げ、その後東京大学(その前身を含む)へ入学するために再び上京することとなる。

 天野は、東京大学の文学部に進んだ。当時は経済学部というのはなかったようだ。明治の初め頃の大学教育に活躍したのは、いわゆるお雇い外国人だ。天野もお雇い外国人から教わり、教科書には英語の本を使った。そのようなお雇い外国人の一人にあの有名なフェノロサがいる。フェノロサというと、私の記憶には、岡倉天心とともに、狩野芳崖の悲母観音を描く話くらいしかない。でも天野がフェノロサから学んだのは経済学。

 そして、彼の学位は法学博士。経済学博士でないのは、当時は経済学と言う学問が独立していなかったためだろう。彼の文筆活動などが評価され、博士推薦会で博士に推薦されたようだ。これについては、現在の博士論文を出してそれにもとづいて学位が与えられるというシステムと大分違うと思ったが、近代日本の黎明期はそんなものかもしれない。

 その他彼は教育の分野でも活躍した。東京専門学校(のちの早稲田大学)の設立に尽力し、初代商科長を務めている。

 巻末には年表もあるので、いつ天野が何をしたのかが分かりやすい。

 ここで持論を一つ披露したい。
 博士、修士、学士などの学位は、各大学もしくは学位授与機構が与える。
 教授、准教授、助教などの職位は各大学等で与える。
 それでは学者という二つ名は誰が与えるものなのだろう。学位があるから学者なのだろうか。大学等で教えているから学者なのだろうか。どちらも満たしていなくても、あの人は学者だと言えるような人がいる。例えば、地方の非常にミクロな歴史などは、ほとんど注目されないが、地道に研究している人はいるのだ。要するに学者とはその人の生きざまにも大きく関わってくるのではないだろうか。もっとも、政治や経済に関するような社会科学の場合は、その判定はなかなか難しいのではあるが。ただそういった意味からは、天野は経済人・教育者かもしれないが「学者」と呼ぶことには「?」が頭の周りを飛び交ってしまう。

☆☆☆

 

 

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落日のパトス 15

2024-01-27 10:13:56 | 書評:その他

 

 これは、漫画家の藤原秋(♂)と秋の高校時代の教師仲井間(旧姓祐生)真(♀)の繰り広げるラブコメである。NTRラブコメというとかなり重い感じなのだが、ラブよりコメディの要素の方が強い気がするのでそこらで笑えてしまう。

 この巻では、秋が風邪をひいて高熱を出してしまう。連載終了の打ち上げで盛り上がって、気が付いたら公園で寝ていた。それも雨の中でだ。熱を出すのは必然。

 秋が高熱で寝込んでいると、真が看病に来てくれる。もう来てくれないと思っていた秋は泣き出す。真はそんな秋に母性を刺激されたらしく、秋のことを可愛いと思って抱き着いてしまう。

 秋は、熱による夢うつつの中で、真に赤ちゃんプレイ。真は秋に吸い付かれて完全にママの気分。でも後で思い出すとものすごく恥ずかしいのは二人共。もちろん、秋は熱を出しているので体力はない。吸いつくのに疲れたらそのまま寝入ってしまった。

 この作品も他の艶々さんの作品のように引っ張る引っ張る。でも最後にはそういうことになるんだろうなあと思うが。

☆☆☆☆

 

 

 

 

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ホーンテッド・キャンパス 黒い影が揺れる

2024-01-25 17:34:11 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 このシリーズももう21巻目。この出版不況の中で21巻も出版されるというのだから、如何に人気が高いか分かるというものだ。第1巻が出版されたのが2013年1月だから、それからもう10年以上も人気シリーズであり続けたことになる。

 内容は、雪国にある雪越大のオカルト研究会(以下オカ研)のみんなが怪異な事件に挑むというもの。本巻に収録されているのは次の短編。「ショコラな恋人たち」、「あなたのマグネット」、「かどわかしの山」の3つだ。オカ研部員の中には、3人ほどいわゆる「視える人」がいる。ただし、彼らは視えるだけで、浄霊するような力はない。

 そんな彼らがどうやって、怪異な事件を解決するのかというと、そういった現象が起きる原因を調査して、もし認識が間違っていればこれを正すのである。以下に収録されている話を簡単に紹介すると、

〇ショコラな恋人たち
 ショコラトリー&カフェー「KUKKA」に起きる不気味な事件。明らかになった事実を通じて、クズのような男たちの存在が分かる。

〇あなたのマグネット
 八神森司と鈴木瑠依は、元銀行支店長の大河内鉄朗を助ける。彼は霊を引き付ける体質だったが、亡き妻が守っていた。

〇かどわかしの山
 雪越大OBの香月朔(はじめ)は30年前に行方不明になった伯父を探そうとして、オカ研に相談を持ち掛けた。伯父は46年前、婚約者の井桁鏡子といっしょに実家近くの鷺羽山に行ったが、鏡子はそれっきり行方不明。伯父は保護されたが、それ以来おかしくなってしまい、とうとう30年前に行方不明になってしまった。そして最後にはとんでもない真実が明らかになる。

 そしてもうひとつのこの物語のキモは、八神森司と灘こよみのラブコメである。高校の同窓生で先輩・後輩の間柄なのだが、森司は1浪して雪越大に入り、こよみは現役で入ったので、大学では同級生なのだが、なぜかこよみは森司のことを先輩と呼ぶ。登場人物の紹介に二人は「両片思い中」と書かれていたが、正にその通り。要するにヘタレということである。オカ研部員たちも二人が好き合っているのは知っているので温かい目で見ているが、やっと手を繋いだり、森司がこよみの額にキスしたりという仲になったようだ。思えば長かったなあ。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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オフ会で出会ったおねえさんと同棲をはじめた: 3

2024-01-23 17:54:51 | 書評:その他

 

 「オフ会で出会ったおねえさん」シリーズもこれが最終話(たぶん)。ゲームのオフ会で出会った二人の恋愛物語。彼氏がかなり年下だが、そこは大人の女性の包容力で、二人はラブラブ・イチャイチャ。この巻では、おねえさんが会社で、後輩女子に惚気ている場面が目立つ。

 別に二人はまだ結婚しているわけではないが、おねえさんは結婚指輪をつけている。その理由は、二人で早くつけたかったけど、婚約指輪だとお姉さんしか付けないということらしい。いずれにしても、二人の結婚は秒読みらしい。まだ結婚していないのは、彼氏の方が、福岡に住むおねえさんの親にリモートでしか挨拶していないからだというから、結婚はそう遠くないことになるだろう。

 おねえさん、彼氏のことが可愛くって仕方がないようだ。会社では後輩に惚気るし、家に帰ると二人でイチャイチャ。心なしか、おねえさん、だんだん若くなっているようだが、これは年下の彼氏と付き合っているからか。まあこういったラブストーリーがあってもいいんじゃないかな。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

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聖くんは清く生きたい(3)

2024-01-21 14:54:37 | 書評:その他

 

 このお話は、美騨良学園(みだらがくえん)2年で生徒会長の土御門聖くんを中心として、彼とヒロインたちが繰り広げるラブコメである。いやこれをラブコメと一言で言っていいのだろうか。登場するヒロインたちは、どれも特殊な性癖をお持ちだ。でもエロいというより、笑えて来るのはどういう訳だろう。

 出てくるのは、ドSキャラの佐渡美月(サドみずき:生徒会庶務)と、縛られるの大好きなドMキャラの真園日葵(マゾのひまり:生徒会副会長)。二人とも聖くんのことを自分にあったパートナーだと思っている。すなわち佐渡さんはMだと思っているし、真園さんはSだと思っている。でも聖くんの性癖は普通。でも彼女たちの期待?に応えようと、あるときはM男になり、あるときはS男を演じる。彼もなかなか大変だ。

 前巻では3人目の変な人が出てきた。西園寺さんという美術部員で芸術のために大量のディルドを持っている。夢は西園寺's 秘●館をつくること。ところで3巻の表紙はこの西園寺さんなのだが、アブナイものを手に持って、完全に目が行っちゃってる(笑)。帯に「変態学園群像劇」とあるが、「これは健全な漫画です。」とも書かれている。確かにエロさより笑えるのだから健全なのだろうな。

 この3巻ではとうとう教師が出てくる。養護教諭の妻夫木花先生だ。この人の性癖は、エロい自撮りをしてSNSにアップするというもの。先週彼氏に振られ、周りの友人はどんどん結婚していくので、かなり結婚を焦っているようだ。ちなみに妻夫木先生31歳。でも、みんなが「綺麗」「可愛い」と言ってくれるので自分にも女としての価値があると安心しているらしい。聖くんも、妻夫木先生のことをかわいいと思っている。

 次の4巻では、5人目の特殊な性癖の人が出てくるようだ。果たしてどんな性癖なのか。

☆☆☆☆

 

 

 

 

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