この話の主人公は、オリビアという公爵令嬢。父の命で王太子レオンの花嫁候補として、王妃の侍女として王宮に勤めている。ところがこの王妃というのが碌でもない奴。これに王太子の妹という王女が便乗して、二人でオリビアに嫌がらせをする。おまけに侍女頭というのが、王妃のお気に入りで、虎の威を借る狐状態。同じようにオリビアに嫌がらせをする。この嫌がらせに対して、オリビアは倍返しとばかりに仕返しをする一種の「ざまあ」ものということになるのだろうか。しかし、仕返しという割には手ぬるいと思う。そんなちまちました仕返しより、失脚させて、ラノベでお馴染みの修道院送りとか、どこかに幽閉するくらいはやってもいいと思う。
ツッコミどころも多い。いくら王妃の侍女でも、どうして公爵令嬢がメイド服を着て給仕をするんだ。侍女ってそんな役割ではないと思うが。そして、王妃も王女も侍女長もアホばかり。今はオリビアは花嫁候補だが、もし王太子妃になれば、未来の王妃だ。完全に王女や侍女長より立場が上になる。侍女長はまずクビだろう。それに妹王女は隣国の第二王子との婚姻が進んでいるので、王妃対隣国の第二王子妃ということになる。それなのに、オリビアには「さん」付けである。オリビアが王女を呼ぶときは「様」付けなので、この辺りも変だ。現王妃としても、王太子妃と対立してもまったくいいことはないと思うのだが。
王太子もかなりのアホである。オリビアのことが好きなのだが、王妃や王女たちからまったくオリビアを守れていない。その一方では、オリビアが仕返ししていることに対しては結構鼻が利いている。これではオリビアが早く見限って欲しいと思うのは当然であろう。さてさて、次の巻ではどのような仕返しをするのだろうか。
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