マックンのメモ日記

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ブレグジット同様、目が離せない日本の状況!

2016-07-08 15:41:00 | 経済・金融・投資
世界中の金融市場は先週末にかけ、落ち着きを取り戻しました。英国が国民投票で決めた欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット)による経済的影響が顕在化するのには数カ月か、あるいはそれ以上かかると投資家が気付いたためです。しかし、円の急騰と財政の脆弱性が再び視野に入ってきた日本からは目を離さないほうがいいでしょう。

 投資家が資産の安全な逃避先とみている円相場はこの1年ですでに20%上昇していますが、今後一段高もあり得ると広く予想されています。円高で輸入品が値下がりすれば、日銀にとってデフレとの戦いが一層困難になるでしょう。

 非伝統的金融政策が金融ショックに際し日本をどの程度脆弱にしてしまったかについてはそれほど明確ではありません。日銀の木内登英審議委員は2週間前、危機に対する日銀の対処策はほとんどないと述べていました。日銀は今、当惑しています。恐らく世界で最も緩い金融政策を続けているにも関わらず、銀行システムは先週、流動性不足に陥っていたからです。

 1月に始まった日銀のマイナス金利政策も問題の一端です。第一に、マイナス金利は銀行の利益率を押し下げています。格付け会社フィッチ・レーティングスは日本の3大銀行の純金利マージン(預金金利と貸出金利の差)は昨年度、0.7%だったと見積もっています。そして、スタンダード&プアーズ(S&P)は日本の5大銀行の利益が来年、8%減少すると試算しています。なかでも、地方銀行への打撃が大きいとみています。

 米セントルイス地区連銀のエコノミスト、クリストファー・ウォーラー氏は、マイナス金利は銀行に対する事実上の課税だと指摘しています。融資を促進する代わりに、リスク回避傾向が強まり、新たな経済のひずみを生みます。日本の銀行は事業融資の代わりに住宅ローンを増やし、不動産価格を押し上げてきました。彼らは今、利益を求めて海外に融資先を拡大する以外にほとんど選択肢はありません。

 日本の銀行はマイナス金利に対する批判を公然と始めています。三菱東京UFJは最近、抗議の意味を込めて、国債入札の特別参加資格を国に返上すると発表しました。マイナス利回りは銀行による国債の保有高を減らす圧力となり、保険会社も購入額を減らしています。

 日銀はこれを前向きなサインだととらえていて、金融機関がリスク資産を購入しているためです。だが、この変化は危険になり得ます。国債の大口購入者は今、円高を見込んでいる外国勢であり、銀行や保険会社のように長期的に保有する公算は小さい。外国勢は円高の期待が外れれば、大量に国債を売るでしょう。そうなれば利回りは急伸します。理論的には、日銀が低い利回りを維持するために国債買い入れを増やすことはあり得ます。しかし、それは日銀が日本の公的債務をマネタイズ(貨幣化)しているとの解釈につながりかねず、市場の懸念を強めることになりそうです。

 日本は経済改革を避け、借金による財政支出を続けることが可能でした。日本の金融システムが大方、「壁に囲まれた庭」のままだからです。それは銀行が政府の言うことを聞いていたため可能だったことです。銀行はたとえ低くても、安定したリターンを進んで受け入れてきました。しかし今、日銀は銀行を追い詰めています。停滞しつつも日本を安定させていたこの関係がここに来てほころぶ可能性があるのです。

 非伝統的金融政策という日本の実験は成長の刺激剤にはならなかったうえ、金融システムを不安定化させかねないのです。木内氏をはじめ、マイナス金利に反対する日銀政策委員は声を上げるようになってきました。3年前に供給サイドの改革を約束した安倍晋三首相はそれを守る責任があります。(ソースWSJ)

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