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iPS心筋を効率よく選別する方法を開発!

2012-11-16 20:23:58 | 健康・医療・スポーツ
様々な細胞に成長させられる人口多能性幹細胞(iPS細胞)や胚性幹細胞(ES細胞)を基に作った細胞の中から、心臓の筋肉の細胞だけを効率よく作り出す培養方法を開発したそうです。最近のiPS細胞の開発の動きを見ているとその開発スピードの速さに驚かされます。これを開発したのは慶応大の福田教授他のチームです。実用化すれば、心臓病に対するiPS細胞を使った再生医療の臨床応用が大きく前進することになります。

京大の山中教授が世界で初めて作製したiPS細胞は、受精卵のように様々な細胞になり、将来、移植に使う心臓や肝臓などの臓器を作ることも可能とされているのですが、心筋細胞や肝臓細胞になりきっていない未分化の幹細胞が混入したままだと、移植した時、その臓器がガン化する危険性が指摘されていました。

慶応大などのチームではiPS細胞が腫瘍(ガン)になるのを防ぐため、目的の細胞に成長していない未分化な細胞を、どうやったら効率よく取り除く事ができるかという事に取り組んでいたのです。今回の開発で、福田教授は「再生医療を実現する上で、純粋な心筋細胞だけを取り出すと言う重要なステップを克服できた」としており、この3~5年先の臨床応用を目指していると言います。

チームはiPS細胞から分化させた心筋細胞と未分化な細胞とで、エネルギーの代謝の違いに着目し、未分化な細胞はエネルギー源となるブドウ糖を培養液から取り除くと死んでしまうそうですが、心筋細胞はブドウ糖がなくても乳酸菌を糧にして生き延びることができることが分かり、1週間後には心筋細胞だけが生き残ったのです。つまり培養液に乳酸を加えることで、心筋だけを高純度に精製することに成功したのです。

このように選別することで、心筋細胞の割合は平均で98%、最大で99%とほとんどが心筋細胞になることが分かったのです。しかも今までのマウスの移植実験では、従来の方法で栽培した心筋細胞では4割のマウスで腫瘍(ガン)ができたのですが、今回の方法で培養した心筋細胞では腫瘍はできなかったのです。より簡単な方法でなおかつ高純度の確率で心筋細胞を精製することができたことで実用化に一歩近づいたのです。また胚性幹細胞(ES細胞)でも同様のことができたそうです。

なおiPS細胞から効率よく心筋細胞を作る研究では、京都大のチームが新しく開発した化合物を使う手法を10月に発表したばかりです。どちらが効率よく純度の高い心筋細胞が精製できるのかはわかりませんが、いろいろな方法が見つかることでより簡単に精製でき、臨床段階になった時にどの方法が安全性が高いか選択肢が増えることは良いことです。そして心臓病で苦しんでいる人の役に一日も早く助けになると良いし、病気での死亡率が一番高いガンでの死亡が、今後、完治可能な技術になってほしいですね。そうすれば、ガンを恐れなくてもすむ時代が来るという事になります。

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