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泊原発3号機再開:他の再稼働は不透明 - 毎日jp

2011年08月18日 | 原発
泊原発3号機再開:他の再稼働は不透明

 17日に営業運転を再開した北海道電力泊原発3号機は、「脱原発」路線を鮮明にする菅直人首相と、全国の原発の運転を半歩でも進めたい経済産業省、住民を前に推進姿勢を打ち出しにくい自治体との間で、迷走を続けた。定期検査やトラブルで停止中の原発は現在39基。それらを再稼働するには、福島第1原発事故前から調整運転していた泊原発3号機よりもハードルは高く、今回が他の原発の運転再開の呼び水になるとの見方は少ない。【立山清也、和田憲二、田中裕之】

 「泊原発3号機と、定期検査で停止中の他の原発は置かれた状況が全く違う。今回のケースが原発再稼働の追い風になるとは思えない」(電力会社幹部)--。東日本大震災と福島第1原発事故後初の原発の営業運転再開にもかかわらず、電力業界は厳しい表情を崩さない。

 菅直人首相の方針で定期検査などで運転停止中の原発は国の安全評価(ストレステスト)をクリアするのが再稼働の大前提となった。しかし、震災前からフル稼働の調整運転を続けてきた泊3号機は「異常な状態を長期化できない」(内閣官房幹部)との理由で、安全評価を営業運転再開の条件とすることが見送られた経緯がある。

 一方、定検やトラブルなどで停止中の原発(現在39基)の再稼働には、安全評価をパスした上、立地自治体の了承を得るという二重のハードルが待ち受ける。具体的には、安全評価の「1次評価」で、電力会社は定検で停止中の原発について、地震や津波に対しどれだけ安全上の余裕があるか分析し直し、国に報告する。事業者の作業は1~2カ月で完了し、原子力安全・保安院と原子力安全委員会の「ダブルチェック」で安全性を検証する仕組みだ。

 既に北海道、東北、北陸、関西、四国の各電力会社が作業に着手。東京、九州などが準備を進めるが、1次評価で技術的な安全性が確認されても、再稼働のお墨付きを与えるかどうかは、首相や官房長官、経産相、原発事故担当相ら関係閣僚の政治判断となる。さらに、安全協定などを結ぶ立地自治体の容認も不可欠で「(再稼働までの手続きが)いつ終わるかは読めない」(電力大手幹部)のが実情だ。

 福島第1原発の事故に住民説明会でのやらせ質問問題も加わり、地元の不信は強い。運転開始から40年を超す美浜原発1号機など「高経年化炉」を抱える福井県は「(安全評価に)高経年化対策が含まれているように見えない」(西川一誠知事)と政府の対応に疑問を呈している。また、東電の柏崎刈羽原発の地元、新潟県の泉田裕彦知事も「(福島第1原発事故の検証を終えない段階での安全評価は)気休めに過ぎない」と厳しい姿勢を示す。

 ◇国と道 意思疎通不十分
 泊原発3号機が調整運転から5カ月以上も営業運転に移行しなかった背景には、調整運転中の原発の扱いや再開への手順について、国と北海道が十分な意思疎通を図ってこなかったことがある。

 始まりは、九州電力玄海原発の再稼働を巡って、政府が7月6日に突然安全評価導入を表明したことだった。

 調整運転中の原発の営業運転再開は「再稼働」なのか「運転継続」なのか。経産省はその2日後、北電に営業運転に向けた最終検査を受けるよう指導したが「再稼働」の扱いなら安全評価の1次評価対象になる。政府内の見解不一致を感じた高橋はるみ知事は、この点をただす文書を海江田万里経産相に提出したが、回答は3週間も待たされた。今月9日、回答が届いてからも、国と道の関係はぎくしゃくした。経産省原子力安全・保安院が道の意向も確かめずに北電に検査申請を求めたため、高橋知事は激怒。結局、海江田経産相が「道の判断を待つ」と高橋知事に電話で伝え、軟着陸を図った。

 一方、ボールを投げ返された形の道も混乱した。高橋知事は16日に道議会特別委員会を開いた後、同日中に容認表明する方針を固めたが、特別委は容認への「拙速批判」で荒れた。道としては電力需要が高まる冬場を前に泊原発3号機をいったん停止させる選択肢は取りにくい。最終的に原子力安全委員会がチェックに加わったことを評価してゴーサインを出したが、積極的に安全対策を強化する姿勢には乏しかった。

毎日新聞 2011年8月17日 22時33分

泊原発3号機再開:他の再稼働は不透明 - 毎日jp(毎日新聞)

あんなにひどいことが起こっているのに再開ですか。。悲しくて少し涙がでた。
北電だけ電気使用状況のグラフを出さない。ほんとうに足りないのかどうかわからない。

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