たまたま自分たちの地域に地震も原発事故も起こらなかっただけなのだ。仏教の言葉で『代受苦』というが、他の人の苦しみを引き受けて犠牲になった人のお陰で、私たちは生かされている。
瀬戸内寂聴さんの言葉です。
「編集委員が迫る 作家、天台宗僧正 瀬戸内寂聴氏」 2012年(平成24年)3月10日、読売新聞・夕刊の寂聴さんへのインタビュー記事から。
岩手、宮城は厳しい、けれど何とか前向きになろうとしている。それが福島はというと、さらに厳しい。「人災の極致である原発事故」、今の状況で、なお前を向いて生きるとは・・・。寂聴さんは言う。「未曾有の原発事故の悲劇は、いまだに底が知れない。福島には、この先も特別な配慮が必要だ」と。