かぶとん 江戸・東京の歴史散歩&池上本門寺

池上本門寺をベースに江戸の歴史・文化の学びと都内散策をしています。

お竹如来(於竹大日如来)と町名主・馬込家、宝田恵比寿神社

2011-04-26 | 都内散策・江戸検定
お竹さん、「お竹如来」のことは東京タワーの周辺巡り以来、もう少し知りたいものだと思ってはいたが、興味・関心が他にも向いていて、いまいち動きがわるかった。
先だっての、江戸東京博物館 「江戸の町名主」で馬込勘解由、小津清左衛門が紹介されていた。そうだ「お竹さん」!! ということで、歩いてみることにした。
 『東京タワー下 心光院・お竹如来について』 の続編です。

まずは日本橋本町3丁目 小津本館ビル横の奥にある「於竹井戸」跡へ行ってきました。


史蹟 於竹大日如来井戸跡



  於竹大日如来縁起
 於竹大日如来は 寛永十七年(十八才の時)山形県庄内よりでて 当時の江戸大伝馬町馬込家の召使いとなる その行いは何事にも誠実親切で 一粒の米 一きれの野菜も決して粗末にせず貧困者に施した。そのため於竹さんのいる勝手元からはいつも後光がさしていたという。
出羽の国の行者 乗蓮と玄良坊が馬込家をおとづれ「於竹さんは羽黒山のおつげによると大日如来の化身である」とつげた。主人は驚き勝手仕事をやめさせ 持仏堂を造り その後念仏三昧の道に入る これが江戸市中に拡がり 於竹さんを拝まうと来る人数知れずと言う
   於竹さんの詠んだ歌に
  手と足はいそがしけれど南無阿弥陀仏
      口と心のひまにまかせて
 延宝八年五月この世を去る 行年五十八
 五代将軍綱吉公の母堂桂昌院の歌に
  ありがたや光と共に行く末は
      花のうてなに於竹大日
於竹さんが愛用し貧困者が市をなしたと言う有名な於竹井戸はこの地にあった
   昭和四十六年五月吉祥
      史蹟 於竹大日如来保存会

ここでの於竹さんの奉公先は馬込家である。以前、紹介した東京タワー下の心光院での縁起には佐久間家とある。




小津本館ビル・小津和紙
ここの2階にある「小津資料館」は必見。紙問屋・小津清左衛門店のことは別途項目を立てないとだめなくらいです。それにしても、創業350年、現在に至るというのはすごいです。


すぐそばの宝田恵比寿神社にも寄ってみました。

正一位寳田稲荷大明神の幟旗


宝田恵比寿神社
「史蹟 於竹大日如来井戸跡」の碑と同じ小路。ほぼ、はす向かいです。




  宝田神社・恵比寿神 御縁起と大伝馬町の由来
宝田神社は慶長十一年の昔三百六十余年前 江戸城外宝田村の鎮守様でありました。徳川家康公が江戸城拡張により宝田、祝田、千代田の三ヶ村の転居を命ぜられ(現在宮城内楓山附近)ましたので 馬込勘解由と云う人が宝田村の鎮守様を奉安申上げ 住民を引率してこの地に集団移轉したのであります。
馬込勘解由と云う人は家康公が入府の時三河の国から随行して、此の大業を成し遂げられた功に拠り、徳川家繁栄御祈念の恵比寿様を授け賜ったので 平穏守護の御神体として宝田神社に御安置申上げたのが今日に至ったのであります。作者は鎌倉時代の名匠運慶の作と伝えられます。
其の後村民の生活は金銀為替、駅伝、水陸運輸、それぞれ重要な役を賜り 馬込勘解由は名主となって三伝馬取締役に出世し御役名に因んで大伝馬町の町名を賜って、伊勢 駿河 遠江 美濃、尾張、家康公ゆかりの国々より商人を集めて、あらゆる物資の集散地として 大江戸開発と商買発祥の地として大変賑ったのであります。現在も周辺の老舗大小商社が軒を並べて 今尚盛んな取引が続いて居ります。
宝田恵比寿神は商売繁盛、家族繁栄の守護神として 崇教者は広く関東一円に及び毎年十月十九日「べったら市」 二十日の恵比寿神祭が両日に亘り盛大に執り行なわれます。べったら市は「年またあらたまる」今年も年末が近づきお正月を迎える心構えをする商家にとって大切な年中行事として 旧家は今日でも恵比寿講をお祝いするのであります。
  昭和四十五年十月吉日
     (適宜、改行しました。)

お竹さんのこと(伝説・伝承上です)
元和9年(1623年) 山形県庄内の生まれ。(下記の年月から逆算して)
寛永17年(1640年) お竹さん18歳の時、江戸に出て、町名主・馬込家に奉公。
延宝8年(1680年) 5月(19日)没 享年58歳
 ・江戸の初期に遠路、庄内から出て江戸で奉公(?)
 ・上と同じく、18歳の女性が奉公(?)
 ・話が佐久間家から馬込家へと変っている。(諸事情により)

お竹さんの佐久間家ヴァージョンを紹介します。
こちらの物語では、江戸入りまでの話もあります。没年が寛永15年(1638年)3月21日。年次がやや遡ります。
 ■ HP 『山形ふるさと塾アーカイブス』
 ■ 「如来(にょらい)になったお竹(たけ)さん」-お竹大日如来ものがたり- 紙芝居映像

参考  HP 日文研 国際日本文化研究センター>データベース>於竹大日如来縁起絵巻
        ■ 国際日本文化研究センター「於竹大日如来縁起絵巻」


つづいて北区赤羽の善徳寺(浄土宗)へ。