Long Ming Diary ~I'll show you myself honestly~

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『福音の少年』 by あさのあつこ

2007年07月01日 11時15分54秒 | Book Review
昨日の夜、というか、真夜中ですね。12時半くらいから読み始め、3時半くらいまでかかって読みました。

まず、感想。

あさのあつこの文体の特徴かもしれませんが、主要登場人物の内面に深く突っ込むということで、正直、読んでる途中で疲れてきてしまいます。その割りに、扱われている事件というか、本筋の流れにはあんまり食い込んでこないというか・・・

ま、彼女のお得意芸というところの、思春期の少年、少女のココロとかカラダの成長とその過程の葛藤、自己理解というのが上手くかきあげられています。

文庫版の帯には、「私が本当に書きたかった作品です」とされているので、彼女自身が今のところは一番チカラを入れた作品なのでしょう。相当チカラが入っていることが感じられるので、読者側も相当チカラを入れて読まないと、場面が理解できなくなりそうです。

さて、物語の内容ですが、とある田舎の街に秋葉というオッサンが来たところから始まります。なぜオッサンがこんな田舎の街に来たのか?オッサンがある少女を訪ねて行き着いたのがその街だったんです。
その後、作品はその少女、藍子の話に移り、藍子と同級生で彼氏の明帆。彼らと、藍子の幼馴染でやはり同級生の少年、陽の3人の微妙な関係の描写になります。
やがて、藍子の住むアパートが全焼するのですが、どうやらその裏には黒い事情があるらしいということで、明帆と陽がいつの間にかタッグを組んで解決しようとするんです。その最中に、秋葉と明帆、陽がつながり、さらに物語は佳境へとなるんですね。

あんまり詳しく内容を書くといけないのでコレぐらいにしておくとして、実は終わり方が「え?コレで終わり?」という内容なので、もしかしたらば続編があったり、というか、すでに出てたりするのかも。

話は違うのですが、昔、宗田理の『ぼくら』シリーズのように、アレとは事件のレベルが違いすぎますけど、個人的にはあんな感じに映ってしまいましたね。

それにしても、あさのあつこは読者にゆだねる部分が多いのかなぁ?ちょっとモヤモヤ感が残ってしまった作品でした。

(2007/06/30 読了)

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