昨日は『海猿』の話を書いたわけですが、『海猿』とは、海上保安官のうちでも過酷な訓練を受けてなれる「潜水士」のことを言っているわけです。
海上保安官といえば、海に関することを取り扱う、国土交通省の外局である海上保安庁に所属する国家公務員です。仕事は海での事故防止に関することや、事故発生時の対応、それに、海上警備活動もあるので、警察官と同じく捜査権や逮捕権が認められています。海上保安官になるには、海上保安大学校か海上保安学校を出なければいけないのですが、大学校と学校の違いは、幹部候補生かそうじゃないかの違いです。
海上は海上保安官、陸上は警察官が取締りをしてますが、空中はどうか?といえば、空中での取り締まり自体がないためかどうか分かりませんが、ありません。しいて言えば、入国審査官や入国警備官ぐらいが当てはまるのかもしれませんね。でも彼らには、空中の交通整理はできません。では、誰がやるかといえば、航空管制官ですね。空港とかの管制塔が一番目につくところですが、日本全国にはそれ以外にも職場があります。
前々から書いてますが、私は昔、航空管制官になろうとおもっていました。そのために、高校3年のとき、航空保安大学校という、航空管制官になれる唯一のコースを受験したこともあります。まあ、いろいろな縁というか、運命というか、結局管制官にはなれませんでしたが、人生でもあんな試験を受けたことはないし、これからもないでしょう。
管制官の試験といっても、これから管制官になろうとする人間を試験するので、当然、管制に関する設問は一切ありません。あくまで一般常識と、英語が学科試験にあるだけです。ただし、「適性検査」というのがあって、一つは「記憶に関する検査」ともう一つは「空間図形に関する検査」があります。
「記憶」の検査は、まず、ある図形を記憶します。図形といっても、簡単なレーダー管制図みたいなもので、航空路とそこを飛んでいる航空機の機影、どこに向かっているか、高度は何フィートかなどが書かれてあるものです。それを10分程度で覚えて、その後は同じく10分程度、じっとしています。その後問題用紙が配られて、設問に答えるというもの。たとえば、「エリア1には何機の航空機が飛行していたか?」とか、「JL123便が向かう空港はどこか?」とか。そういうのです。
「図形」の検査は、知能検査みたいなもので、ある図形をひっくり返したりして、このほうから見て見える模様はどれか?とか、そういうのです。
今から考えても、人生においてああいう試験を受験できる機会がそうそうないので、なかなか面白かったですね。