Long Ming Diary ~I'll show you myself honestly~

イルミネーションが街を彩ります。このblogは幅広い話題で彩りますよ

『夏休み』 by 中村航

2008年04月13日 12時11分27秒 | Book Review
大阪に行くのに名古屋からは近鉄特急で2時間ちょっと。ということで、車内で読む本として、以前買ってたけど読んでなかった本です。

『夏休み』 by 中村航


中村氏の作品は、伊坂幸太郎の作品を読みたいがために買った『I love you』というオムニバス作品に入ってた短編が気に入り、その後に『ぐるぐるまわるすべり台』を読んで以来です。
そのときのreviewはこちら

タイトルが『夏休み』だったので、中学生か高校生ぐらいの主人公かなと思ったら、意外や仕事をして結婚もしてるいい年のオトナでした。

主人公の男のマモルとその彼女(奥さん)のユキと、ユキの友達の舞子とその彼氏(ダンナさん)の吉田くんの4人の物語。

これも、青春小説というんだろうか。ま、正直、いいオトナがこんなことをするんかいなという感じを抱かないこともないけど、内容的に重くもなく、読後感も割りと爽やかで良かったと思います。

『ショートソング』 by 枡野浩一

2008年04月13日 11時52分55秒 | Book Review
昨日、大阪に行ったんですが、名古屋から大阪・難波までは特急で2時間ちょっと。ということで、車内で暇つぶしに読めそうな本を探しに本屋に行って、POPに惹かれて買った文庫です。「青春小説」ってのがね。軽く読むには最適な分野です。

『ショートソング』 by 枡野浩一


文庫の表紙を見ていただくとわかるのですが、男2人の青春群像的な話です。それにしても、なぜに筆と鉛筆を持っているのか?それは、作品のメインテーマが「短歌」だからです。だから、タイトルも「短歌」をそれぞれに英訳した「Short Song」となってるわけ。

全然知らなかったのですが、枡野氏は有名な現代歌人なんだそうです。あと、この作品をもとにしたマンガがスーパージャンプで連載されてたらしい。ジャンプ系の雑誌は最近全くノーマークだったので知らんかった。コミックスは全2巻。

さてさて、作品のお話です。

まず感想。電車の中での2時間の暇つぶしにちょっと読むにはベストマッチでした。我ながらグッドセレクションね。長さ的にもちょうどいい塩梅だったし、読後感も程よく楽しい感じを残してるし、消化不良感がなかったのがいい。

でも、これは僕が男なんで感じる感想であって、女の人が読むとまた違った感想になるんだろうと思う。が、嫌な嫌悪感を抱く人も少なからずいるかもしれないということだけをお含みおきを。

主人公は男2人と書きましたが、一人は19歳でカナダ人と日本人のハーフでイケメンなのにチェリーな学生の国友くんと、もう一人は25歳で毎日ヤリヤリな生活を送るプレイボーイなグラフィックデザイナーの伊賀くんです。

ストーリーは、国友、伊賀の2人が交互に語るような感じで進められていきます。それと同時に、それぞれに場面で彼らが読んでいく短歌も出てきます。

初めのほうは伊坂幸太郎的なストーリーテリングだなと思って親しみやすく読んでましたけど、いきなり、数ページめくったところで既に登場人物の女の子が2股?かけてるというのが驚かされた。あと、エッチの描写がいいね。絶妙ですわ。エロ過ぎず軽すぎずみたいな。初期の辻仁成の青春小説のようだった。

ま、それは置いておいても、この、国友と伊賀という男2人の行動なんかは、結構男の子の成長過程というか、誰もが「あるある」と思う話で、親しみもてますよ。だって、AV見たいからレンタル屋でバイトするって、まんま俺じゃんみたいな。しかも女教師モノが好きってのもおんなじだし。アダルトコーナーにビデオ陳列しに行くのが楽しくて仕方がなかったりした学生時代だったなぁなんてノスタルジーに浸れる。

そういう意味では男の人が読んで「あるある」的な共感を得られるのが読みやすかったところです。

作中では短歌の世界について垣間見られるんですが、作中で国友も教えてもらってますが、短歌って季語はないんですね。単純に57577の言葉が並んでいれば短歌なんだそうだ。その限られた31字の中で詠み手が表現できるか競う(?)ものらしい。

結構何でも短歌になるんだねぇ。

『フィッシュストーリー』 by 伊坂幸太郎

2008年02月25日 00時40分19秒 | Book Review
図書館から借りてきた本もコレが最後。

『フィッシュストーリー』 by 伊坂幸太郎


伊坂幸太郎の本ですが、短編というか、4つの別々の話が載っています。

・動物園のエンジン
・サクリファイス
・フィッシュストーリー
・ポテチ

この作品では伊坂作品のメインキャラが出てきます。『オーデュボンの祈り』からは伊藤、『重力ピエロ』からは泉水、『ラッシュライフ』からは黒澤などなど。他にも出てきてますが、こういうふうに別の作品の主人公とリンクして出てくるとニヤリとしてしまいますね。

さて、それぞれの話ですが、動物園のエンジンは正直、初めはあんまり理解ができなかったものの、最後は「ふーん」という感じでしたね。嫌いじゃない展開だけど好きでもない。サクリファイスは黒澤がメインじゃなかったら正直読まなかったな。気持ちが悪くなってしまった。フィッシュストーリーとポテチは個人的に好きな展開でした。ポテチなんかは主人公たちが泥棒なのにね。なんか暖かみを感じてしまう。

やはり、いろんな作品を読んでから読んだのがよかったかな。楽しさが増す感じがするし。

(2008/02/24読了)

『砂漠』 by 伊坂幸太郎

2008年02月25日 00時27分41秒 | Book Review
伊坂幸太郎の作品です。もう、何作目かなぁ。

『砂漠』 By 伊坂幸太郎


さて、この作品の主人公は、大学に入学したばかりの北村という青年です。彼が法学部に入学し、そこでの新入生だけの飲み会で新たな友人と出会うところからスタートです。

作品には、鳥井という強烈な個性を持つ青年がところどころで話にキックをいれてきます。それと同じくらい強烈な西嶋という青年も味をだしてます。

また、鳥井と偶然に同じ中学だった南、そしてひときわの美しさを持った東堂という2人の女性も物語に絡んできます。

物語は、春、夏、秋、冬、そして春という感じで四季ごとになってますが、その中でも微妙に時間が流れていっています。

まぁ、そんな主人公たちなので、青春小説といった感じなのです。中でもキーになるのが、マージャンとボーリング。

といっても、僕はマージャンをしないので全く書いてあることが理解できないのが残念。その部分を読み飛ばしていくからね。分かる人が読むとそれなりに楽しい表現なのかもしれないけどね。

トータルでは可もなく、不可もなくってとこかな。

(2008/02/23読了)

『終末のフール』 by 伊坂幸太郎

2008年02月17日 12時35分08秒 | Book Review
またまた図書館で借りてきた本です。一度に借りてくるんじゃなかった。

『終末のフール』 by 伊坂幸太郎


以前、ヤングジャンプで掲載されたマンガ版は読んだのですが、その原作となってる本です。

8年前、突然に「あと8年で小惑星が地球に激突し人類が滅亡する」と発表された。その後、人々は慌てふためき、略奪に走り、殺人を犯し、暴行を繰り返した。それがようやく落ち着いた、「人類滅亡宣言」から5年後の話。あと、3年で死んでしまうという運命を背負った人々は、それぞれの人生をどう生きていくのかをつづったお話です。

・終末のフール
・太陽のシール
・籠城のビール
・冬眠のガール
・鋼鉄のウール
・天体のヨール
・演劇のオール
・深海のポール

以上、8つのエピソードが入っています。マンガ版にはない、太陽のシールとか、演劇のオールとかもなかなか良かったです。

他のエピソードもマンガ版はページ数の関係から削られていたりしてたのが、原作ではきちんとかかれてて、マンガ版だけでは分からなかった深い部分が分かってよかったですね。

どのエピソードも登場人物が繋がっていて、微妙な時間のずれが出てます。一続きのストーリーのような感じです。

『魔王』 by 伊坂幸太郎

2008年02月16日 21時33分55秒 | Book Review
伊坂幸太郎の作品です。地元の図書館で借りてきました。

『魔王』 by 伊坂幸太郎


先日、『魔王 Juvenile Remix』という週刊サンデーで連載中のマンガの話を書いたと思いますが、それの元になっている本です。

主人公の安藤という青年。国立大学を卒業後、会社に勤め5年になる。そんな彼が突然ある特殊能力が目覚めたことに気がつく。それを「腹話術」と読んでいるが、彼の思ったことを他人にしゃべらせることができるという能力。

そんな彼と、国民に人気を得た政治家、犬養の対決というのが話の筋らしいのですが、実はあんまり対決してない。

ストーリーもちょっと中途半端な感じが否めないし。消化不良です。

ただ、安藤の弟の潤也と、その彼女の詩織という3人の関係を描いている部分はすごくほのぼのとしてていいね。『重力ピエロ』の泉水と春のような兄弟の関係というか、弟を引っ張っていく兄貴であり、弟もちゃらんぽらんに見えて実はしっかりと兄貴を支えてるっていう図式。こういう話は嫌いじゃない。

さて、『魔王』という表題作と、もうひとつ『呼吸』という『魔王』の後日談的な話が掲載されてます。語り手は詩織になってます。

なお、『魔王』には『死神の精度』で出てくる死神の千葉が出てきます。彼が出てくるということは、誰かが・・・ということなんですが。

あと、原作を読んでからマンガ版を見てみると、Juvenileということで、主人公の年齢が下がってるし、犬養も違った形で出てくるし。エピソードはところどころ原作のものが出てきてるけど、ま、違う作品と見るのがいいでしょうね。といって、マンガ版が原作と比べて悪いとかではなく、マンガ版はマンガ版として独自の世界なので、それもまた良いのです。マンガ版には『グラスホッパー』に出てくる殺し屋の鯨とか蝉とかも出てくるし。

個人的には、「ごきげんよう、お久しぶり」がはまりました。「せせらぎ」とか。

『ぐるぐるまわるすべり台』 by 中村航

2008年02月11日 11時15分28秒 | Book Review
以前、伊坂幸太郎の短編が入っている『I LOVE YOU』という本の話を書きましたが、その本には伊坂氏を含め6人の男性作家が書いてます。その中の一人に中村航がいたのですが、ちょっと面白い文体だったので、本屋で見つけた氏の本を買ってきました。

『ぐるぐるまわるすべり台』 by 中村航


この本には、同タイトルの作品と、「月に吠える」という作品の2つが収録されています。

まず、「ぐるぐるまわるすべり台」ですが、コチラはタイトルからして「え?」と思わせるのですが、このタイトルはビートルズの「ヘルター・スケルター」という曲の日本語タイトルらしいです。僕はビートルズには全く興味がないので分かりませんが、そんな曲があるんだって。作中にこの曲の話が出てくるのと、物語の内容を合わせてこんなタイトルになったのだとか。

主人公は小林という元大学生。彼が建築関係の大学を辞めるところからスタートします。その中で、「黄金比」や「白銀比」などの言葉、いろんな数式が出てきますが、正直一般人には理解が難しい。黄金比はモノが一番自然に美しく見える比率で、古代から建築や美術で用いられたもの。白銀比は紙のサイズでおなじみで、A3の紙を半分に折るとA4の紙になり、この2つは相似となっている。つまり、A0の紙さえ作れば、A1もA8の紙も作れるということで、生活上は非常に無駄がなく美しいというもの。

そんな数学的な話がたくさん出てきます。が、そんな小林があるときバンド募集の掲示板でバンドメンバーを募ることに。そして集まったのが、ベースの尾崎、ギターのてつろー、ドラムのチバの3人。そしてボーカルの小林を合わせて結成したのが「狛犬」というバンド。その初練習の前、もう一人ボーカル希望の中澤が現れたところから、小林の考えが変わっていく。そして、意外な結末を迎える。

のですが、意外すぎて未だに僕は理解できていません。人それぞれの理解にゆだねられているのだろうとも取れますし、作者が怠惰的なようにも思えます。少し消化不良ですね。

そしてもう1作の「月に吠える」ですが、コチラはてつろーとチバが出合った話です。この話には数学的な話ではなく、作者が勤務していたであろう写真機器のメーカーが舞台。しかも取り上げている題材がQC活動です。

QC活動。我々サラリーマンには聞きたくもない言葉。その内容が出てきます。PDCAサイクルとか、QC7つ道具、特性要因図、別名魚の骨とか。うちの会社でも未だにやってます。製造業じゃないのにね。サービス業にもQCの考えは必要ですが、QC大会は必要ないと思いますが。業務改善活動に意欲をもってやってるんだけど、本業のお仕事がおろそかになってる人とかもいるしね。本末転倒です。

さておき、そんなQC活動をきっかけに知り合ったてつろーとチバ。この作品は哲郎サイドのお話です。「ぐるぐるまわるすべり台」での哲郎はちょっとロック野郎的で、アウトロー的なイメージを持っていたのですが、「月に吠える」のほうを読んでみるとすんげーいいヤツでした。コッチのほうが僕は好きでしたね。

とまぁ、ある意味、作者の中村氏の過去の経歴がいかんなく発揮された2作品。「ぐるぐるまわるすべり台」のほうは第130回芥川賞にノミネートされたそうです。そのときの受賞作は金原ひとみの「蛇にピアス」と綿矢りさの「蹴りたい背中」で、当時は若い女性2人ということでニュースにもなりました。

『死神の精度』 by 伊坂幸太郎

2008年02月10日 21時11分53秒 | Book Review
おとといの8日に発売となった文庫本です。

『死神の精度』 by 伊坂幸太郎


これは、主人公が死神という変わった展開の短編が6話収録されています。が、『チルドレン』と同じように、それぞれの話がどっかで繋がっていたりします。

また、この作品では、『重力ピエロ』に出てくる、春という人物が出てきます。ま、名前が出てきていないので、本当に春であるかどうかは分かりませんが、おそらくはビンゴでしょう。

伊坂氏の作品では、作品間で人物が登場することは良くありますが、この作品の春は結構長いこと出てきているので意外でした。

最後の最後まで頭の中であちらこちらと飛んでいきましたけど、こういうグルグルとかき回されるのも嫌いじゃないね。

もともと、主人公が死神というのも面白い。死神が死亡予定日の7日前にやってきて、ホントに死亡フラグを立ててもいいかを調査するなんて、そういう発想もありなの?と思いました。

ところで、この『死神の精度』は3月に映画化されるようです。主人公の死神役は金城武です。個人的にはもうちょっとあっさりした俳優をイメージしてたんだけれども、まぁいいんじゃないでしょうか。

また、共演は小西真奈美です。伊坂作品では、以前、WOWOWの独自製作ドラマの『チルドレン』に、ドラマオリジナルキャストで出演してます。この映画の主題歌を歌って歌手デビューもするらしいよ。

2008/03/22から全国でロードショーです。
Website ⇒ http://www.shinigaminoseido.jp/

『透明ポーラーベア』 by 伊坂幸太郎

2008年02月02日 17時12分41秒 | Book Review
これは、著名男性作家6人(伊坂幸太郎、石田衣良、市川拓司 、中田永一、中村航、本多孝好)がそれぞれに恋愛をテーマに書いた短編小説が集まった本『I love you』に収められている伊坂幸太郎の短編です。

本のタイトルからも分かるとおり、恋愛小説なので、正直、買うのがはばかられました。が、伊坂氏のものは恋愛小説としてではなく、普通の小説として楽しめましたね。

正直、この話をもっと膨らませて、1冊の長編でだしてもいいと思うくらい。

やはり、最後は伊坂氏らしく、「おおっ」と思わせてくれました。

作中には、「人と人との繋がり」について書いてますけど、やはり繋がっていたいですねぇ。

『ゴールデンスランバー』 by 伊坂幸太郎

2008年02月01日 23時46分12秒 | Book Review
伊坂幸太郎の最新刊である『ゴールデンスランバー』を買ってしまいました。

私は普段は文庫本になってからしか買わないのです。理由は値段もありますが、文芸書サイズだとかさばるので読んだ後に困るのです。

でも、最近、また伊坂幸太郎熱が出てきているので、つい手が伸びてしまった。

作品は500ページほどもあるので、読み応えがありますが、伊坂節で現在・過去と時空を超え、あっちこっちと場所を越えているので、ダラダラとした感じはありませんね。

伊坂作品おなじみの、人と人とのつながり、場所と場所とのつながりも随所にあり、「おお!ココにつながるのか」という楽しみもありました。

ま、最後の最後でああいう終わり方されてしまうと、その後の行方が気になってしまいます。主人公はあの後どうなったのかなぁ。

さて、この本を本屋さんで買ってきたときには気がつかなかったのですが、家に帰ってきて読もうかなとパラパラめくっていたら、一番最後のページ分だけ、裁断ミスでページが切れていませんでした。いわゆる袋とじ状態。何とか中をのぞこうとも思ったのですが、なかなかできそうもなく、結局、最後のページは本屋で立ち読みしてきました。

ちゃんと出版元の新潮社へ送って、新しいのと取り替えてもらいます。めんどくせぇな。お詫びに他の伊坂作品も一緒に贈ってくれないかなぁなんて期待したりして。んなこたぁないけどね。

マンガ版『魔王 Juvenile Remix』

2008年01月29日 22時47分17秒 | Book Review
サンデーでちょっと前に見てから気になっていたのが『魔王 Juvenile Remix』です。

原作は伊坂幸太郎だということで、はまりそうだとは思ってました。

で、先日、コミックス1巻を買ったので、早速読んでみると、こりゃ面白い。

続きが気になっちゃって今日は2巻を買ってきました。

絵がちょっと特徴的というか、なんとなくデスノートの人とタッチが似てるのかな?作風が似ている?

作品の中には、過去の伊坂作品に出てきた殺し屋が多数出てきます。小説という文だけのものをマンガにしていくというのはつらい作業でしょうし、読者も自分で本を読んで描いてたイメージと違ってたらショックを受けるだろうし、原作本のある作品と言うのは好き嫌いが別れますね。

私はこの作品についてはいいなぁと思いましたね。マンガとしても楽しめると思うのですが。

『父からの手紙』 by 小杉健治

2007年12月15日 21時27分08秒 | Book Review
今日は車の点検に行ったのですが、暇つぶしということで買ったけど読んでなかった文庫本の

『父からの手紙』 by 小杉健治


を読みました。

ある日、家族3人を残して失踪してしまった父。その父からは毎年、2人の姉弟、麻美子と伸吾の誕生日には手紙が届く。ある日、麻美子の婚約者だった経営コンサルタントが死体で発見される。姉との結婚にひどく反対していた弟の伸吾が殺人容疑で逮捕される。弟を救うため、そして父の行方を捜すため、さまざまな手段で情報を探す麻美子。

その麻美子とひょんなことから接点をもった秋山圭一とともに父の行方を捜すのだが、最後は意外な結末を迎える。

なんて、簡単には書けないほどに登場人物が結構出てきます。ま、ドラマで言うところの「チョイ役」って感じの?だから途中でだらけちゃう感じもありましたが、3時間ちょっとで読み終わりました。

もうね、最後はやっぱり泣いちゃいました。なんていうんでしょうかね。無くしかけてる親子愛っていうんですかね?「手紙」という媒体を通して、父と娘がつながるって言うのがすごくいい。

詳しく書くとこれから読まれる方にネタバレになっちゃうんで書きませんけど、いい作品でした。ミステリーというよりはヒューマンドラマでしょうかね。

で、実は、今月なんですけど、この本を原作にしたドラマが放送されるそうなのです。

放送日は2007/12/26で、なんと、テレビ局はテレビ東京系です。「水曜ミステリー9」というドラマ枠で放送されます。う~ん。日本の半分くらいしか見れないじゃないか。主演は壇れい。最初見たときは壇ふみかと思ってしまいました。年齢設定が・・・と思いましたが、違ってました。番組HPは http://www.tv-tokyo.co.jp/mystery9/index.htm まで。

どんな風にドラマ化されるのか、ちょっと楽しみです。

『陽気なギャングが地球を回す』 by 伊坂幸太郎

2007年10月14日 22時19分38秒 | Book Review
伊坂作品の続き。

『陽気なギャングが地球を回す』 by 伊坂幸太郎


コレをよみました。

コレは、今までの作品と違って、横浜が舞台なんですよね。それまでは仙台が舞台でしたから、ちょっと異質かも。

内容的にも、今までのとはちょっと感じが違う気もします。

この作品にも他の作品からのリンクというか、そういうのもありますが、『オーデュボンの祈り』で出てきた田中が、作中では別の人格でかかれてます。

この作品は映画化もされているので、DVDを借りに行ったのですが、今日は近所のDVD屋が半額セールをやってたせいで、ほとんど借りられてました。残念。

(2007/10/13 読了)

『スピリチュアル犬 ジローの日記』 by 浅野三平

2007年10月12日 22時24分44秒 | Book Review
今日は早く会社から帰ってきたので、帰り途中で本屋に寄りました。

で、平積みになってた中で表紙が可愛かったので買った本です。

『スピリチュアル犬 ジローの日記』 by 浅野三平


この本は、主人公がジローという柴犬なのです。舞台は早野家。その飼い主は大学教授の親父。そしてその娘の徳子。トッコと呼ばれてます。

前半部分はジローが早野家にやってきてからこの世を去るまでがかかれます。そして、後半部分は、ジローが霊体となって親父やトッコの周りで行き続けるという話。

作品はジローが自分で語るような形をとってます。夏目漱石の「我輩は猫である」みたいな感じでしょうか。そして、日記風なのです。あくまでも、ジローが書いた日記という設定。そして、話の内容は怪談の類ではなく、暖かいものになっています。

なんか、読んでいて泣いちゃいましたよ。涙が止まらなくてね。死んでしまってもなおも家族と一緒にいたいという犬のキモチでかかれてます。

それにしても、作中にいっぱい写真が出てくるのですが、まさか実話ではないとおもいますけど、モデルはいるんだろうかな?

(2007/10/12 読了)