Long Ming Diary ~I'll show you myself honestly~

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『ショートソング』 by 枡野浩一

2008年04月13日 11時52分55秒 | Book Review
昨日、大阪に行ったんですが、名古屋から大阪・難波までは特急で2時間ちょっと。ということで、車内で暇つぶしに読めそうな本を探しに本屋に行って、POPに惹かれて買った文庫です。「青春小説」ってのがね。軽く読むには最適な分野です。

『ショートソング』 by 枡野浩一


文庫の表紙を見ていただくとわかるのですが、男2人の青春群像的な話です。それにしても、なぜに筆と鉛筆を持っているのか?それは、作品のメインテーマが「短歌」だからです。だから、タイトルも「短歌」をそれぞれに英訳した「Short Song」となってるわけ。

全然知らなかったのですが、枡野氏は有名な現代歌人なんだそうです。あと、この作品をもとにしたマンガがスーパージャンプで連載されてたらしい。ジャンプ系の雑誌は最近全くノーマークだったので知らんかった。コミックスは全2巻。

さてさて、作品のお話です。

まず感想。電車の中での2時間の暇つぶしにちょっと読むにはベストマッチでした。我ながらグッドセレクションね。長さ的にもちょうどいい塩梅だったし、読後感も程よく楽しい感じを残してるし、消化不良感がなかったのがいい。

でも、これは僕が男なんで感じる感想であって、女の人が読むとまた違った感想になるんだろうと思う。が、嫌な嫌悪感を抱く人も少なからずいるかもしれないということだけをお含みおきを。

主人公は男2人と書きましたが、一人は19歳でカナダ人と日本人のハーフでイケメンなのにチェリーな学生の国友くんと、もう一人は25歳で毎日ヤリヤリな生活を送るプレイボーイなグラフィックデザイナーの伊賀くんです。

ストーリーは、国友、伊賀の2人が交互に語るような感じで進められていきます。それと同時に、それぞれに場面で彼らが読んでいく短歌も出てきます。

初めのほうは伊坂幸太郎的なストーリーテリングだなと思って親しみやすく読んでましたけど、いきなり、数ページめくったところで既に登場人物の女の子が2股?かけてるというのが驚かされた。あと、エッチの描写がいいね。絶妙ですわ。エロ過ぎず軽すぎずみたいな。初期の辻仁成の青春小説のようだった。

ま、それは置いておいても、この、国友と伊賀という男2人の行動なんかは、結構男の子の成長過程というか、誰もが「あるある」と思う話で、親しみもてますよ。だって、AV見たいからレンタル屋でバイトするって、まんま俺じゃんみたいな。しかも女教師モノが好きってのもおんなじだし。アダルトコーナーにビデオ陳列しに行くのが楽しくて仕方がなかったりした学生時代だったなぁなんてノスタルジーに浸れる。

そういう意味では男の人が読んで「あるある」的な共感を得られるのが読みやすかったところです。

作中では短歌の世界について垣間見られるんですが、作中で国友も教えてもらってますが、短歌って季語はないんですね。単純に57577の言葉が並んでいれば短歌なんだそうだ。その限られた31字の中で詠み手が表現できるか競う(?)ものらしい。

結構何でも短歌になるんだねぇ。

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