森羅万象、政治・経済・思想を一寸観察 by これお・ぷてら
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選挙講評;よそ様のブログなど
適切な表現かどうか定かではないが、硬軟、左右とりまぜて、参院選に言及した記事をあげてみた。立場はそれぞれだが、日頃、私が注目するブログとちょうどTBもいただいた反戦老年委員会さんである。これらを絶賛しているわけではむろんなく、自分の勝手な判断以上でも以下でもない。まあ、無視できなかったということだろうか。
意見が自分に近いかなというものをあえてあげるなら、「モジモジ君の日記。みたいな。」だろうか。近いか近くないかを分けるのは、ただ一点、何も変わっていないという評価である。
「モジモジ君の日記…」のいう、別に状況が好転したわけではない。選んだ人たちは、2005年総選挙のときと、ほとんど何も変わっていない、のくだりに私は同意する。
したがって、今後の政治の課題は、有権者の変えたいという意識に、何もかわっていない政治状況がこたえられるか、という難題になる。このアポリアをある意味では小泉からひきついだがために、今日の安倍政権の現状がある。
「モジモジ君の日記…」もいうように、有権者の変えたいという意識は9・11のときもあったのだが、有権者は、その意識と同じ色をしたボールを迷うことなく選んでしまったのだ。だが、ボールは着色してあって、時がたち雨に打たれ、これまでみえていた色とはちがったものが現れる。こんな隠そうというしかけがあった。しかけを手配したのが、コミ戦だった。
雨にうたれてみないと結論は分からないが、今度の選挙もまったく同じだと私は思っている。そして、こんどは、そのアポリアを民主党が担わざるをえない。
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極東ブログ;2007年参院選、雑感
橋本元総理の参院選敗退は、私は基本的に経済政策のミスによるものだろうと思っていたし、私は日本人というのは利に聡く、経済面で大きな失策がなければそれほど政権への打撃はないものだと考えている。年金問題についてはすでに言われているように民主党に解決の秘策があるわけではないし、憲法改正問題は私には悪いジョークのようにしか思えない。では、今回の参院選の結果は日本人が現政権の経済政策にNO(否)を言ったかというと、地方からは大きなNOが出たことは確かだろう。だがそれは多分に地方からのルサンチマンに近く、日本経済のステークホルダーたちにどの程度影響をもたらすかといえば、それほど大したことはないだろう。大企業の活動は円安によって好調だ。なので、経済政策面で安倍続投というのは無言に概ね支持されているのではないか。
反戦老年委員会;護憲派の敗北
参院選の結果、アベ自民党の凋落を喜んでいる向きは多いと思う。ご同慶の至りと言いたいところだが、わが委員会としては「護憲派の敗北」と評価せざるを得ない。その理由は、護憲を正面にかかげた社民党・共産党が改選議席を確保できず、9条ネットも泡沫扱いの票しかとれなかったことである。
それに加えて、民主党(推薦を含む)は、わが委員会のカウントによると9条護持、集団的自衛権不可とするハト派議員39人を当選させた一方、安倍一派なみのタカ派議員9名が当選した。態度不明者も9名いるが、ハト派当選者は7割を切り、野党、そして公明党まで含め9条擁護派議員をふやしたことになっていないからである。
モジモジ君の日記。みたいな。;一夜明けて
ともかく、暴走列車が一度は止まった。今は、嬉しい、というより、ほっとした気分だ。あれだけひどい政権が選挙で負けることさえなく暴走しつづけていたら、と思うと背筋がぞっとする。
しかし、別に状況が好転したわけではない。選んだ人たちは、2005年総選挙のときと、ほとんど何も変わっていない。投票したときの頭にあったのは、年金記録管理の杜撰さであり、政治活動資金の領収書のことである。法で道徳を定義しようとする暴挙、教育基本法の書き換えに憤ったわけではない。審議を形骸化させた強行採決の数々に憤ったわけでもない。ちょっと前に郵便局員たちに向けられた憎悪が、今度は社保庁職員に向けられただけである。小泉は向けられた憎悪をかわすだけでなく、それを煽って飼いならしさえする程にズルかった。安部はどこまでもおぼっちゃんで不器用だったがゆえに巻き添えにあってしまった。それだけのことである。──もちろん、おぼれないためには潜水の前のほんの一瞬の息継ぎが大事であるように、ここで稼げた多少の時間は大事なものだ。そこに可能性はあるはずだ。
これからのことはできるだけ考えたくないのだが、とりあえず、民主党は自民党への批判票を吸い上げただけなのだから、また、「二大政党」と常々口にしつづけているのだから*1、自民党との大連立だけは絶対にするべきではない。
=====
*引用文はママ。
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「モジモジ君の日記…」のいう、別に状況が好転したわけではない。選んだ人たちは、2005年総選挙のときと、ほとんど何も変わっていない、のくだりに私は同意する。
したがって、今後の政治の課題は、有権者の変えたいという意識に、何もかわっていない政治状況がこたえられるか、という難題になる。このアポリアをある意味では小泉からひきついだがために、今日の安倍政権の現状がある。
「モジモジ君の日記…」もいうように、有権者の変えたいという意識は9・11のときもあったのだが、有権者は、その意識と同じ色をしたボールを迷うことなく選んでしまったのだ。だが、ボールは着色してあって、時がたち雨に打たれ、これまでみえていた色とはちがったものが現れる。こんな隠そうというしかけがあった。しかけを手配したのが、コミ戦だった。
雨にうたれてみないと結論は分からないが、今度の選挙もまったく同じだと私は思っている。そして、こんどは、そのアポリアを民主党が担わざるをえない。
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極東ブログ;2007年参院選、雑感
橋本元総理の参院選敗退は、私は基本的に経済政策のミスによるものだろうと思っていたし、私は日本人というのは利に聡く、経済面で大きな失策がなければそれほど政権への打撃はないものだと考えている。年金問題についてはすでに言われているように民主党に解決の秘策があるわけではないし、憲法改正問題は私には悪いジョークのようにしか思えない。では、今回の参院選の結果は日本人が現政権の経済政策にNO(否)を言ったかというと、地方からは大きなNOが出たことは確かだろう。だがそれは多分に地方からのルサンチマンに近く、日本経済のステークホルダーたちにどの程度影響をもたらすかといえば、それほど大したことはないだろう。大企業の活動は円安によって好調だ。なので、経済政策面で安倍続投というのは無言に概ね支持されているのではないか。
反戦老年委員会;護憲派の敗北
参院選の結果、アベ自民党の凋落を喜んでいる向きは多いと思う。ご同慶の至りと言いたいところだが、わが委員会としては「護憲派の敗北」と評価せざるを得ない。その理由は、護憲を正面にかかげた社民党・共産党が改選議席を確保できず、9条ネットも泡沫扱いの票しかとれなかったことである。
それに加えて、民主党(推薦を含む)は、わが委員会のカウントによると9条護持、集団的自衛権不可とするハト派議員39人を当選させた一方、安倍一派なみのタカ派議員9名が当選した。態度不明者も9名いるが、ハト派当選者は7割を切り、野党、そして公明党まで含め9条擁護派議員をふやしたことになっていないからである。
モジモジ君の日記。みたいな。;一夜明けて
ともかく、暴走列車が一度は止まった。今は、嬉しい、というより、ほっとした気分だ。あれだけひどい政権が選挙で負けることさえなく暴走しつづけていたら、と思うと背筋がぞっとする。
しかし、別に状況が好転したわけではない。選んだ人たちは、2005年総選挙のときと、ほとんど何も変わっていない。投票したときの頭にあったのは、年金記録管理の杜撰さであり、政治活動資金の領収書のことである。法で道徳を定義しようとする暴挙、教育基本法の書き換えに憤ったわけではない。審議を形骸化させた強行採決の数々に憤ったわけでもない。ちょっと前に郵便局員たちに向けられた憎悪が、今度は社保庁職員に向けられただけである。小泉は向けられた憎悪をかわすだけでなく、それを煽って飼いならしさえする程にズルかった。安部はどこまでもおぼっちゃんで不器用だったがゆえに巻き添えにあってしまった。それだけのことである。──もちろん、おぼれないためには潜水の前のほんの一瞬の息継ぎが大事であるように、ここで稼げた多少の時間は大事なものだ。そこに可能性はあるはずだ。
これからのことはできるだけ考えたくないのだが、とりあえず、民主党は自民党への批判票を吸い上げただけなのだから、また、「二大政党」と常々口にしつづけているのだから*1、自民党との大連立だけは絶対にするべきではない。
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参院選結果をながめてみる
敵失を民主党が票にむすびつけたということだろう。より大事なことは、いまの自民党ではダメで、何とか変えたいという国民の強い期待を民主党が引き受けたという結果だ。
民主党は今後、この期待にこたえる責任がある。
ふりかえると小泉9・11選挙は自民党の圧勝であった。2年後、こんどは振り子が逆にふれた。結果はこれを示している。
いまだにB層などと口にする人もいるようだが、仮に9・11で小泉を勝たせた有権者層をそうよぶのなら、今回、民主党の大勝をもたらしたものもB層ということになる。他党支持層からも民主党は票を集めたとはいえ、自民支持層と民主支持層の総和の中の構成が変化した、これが評価の基本線だと私は考える。
民主党には党内にいくつかの潮流があることはむろん承知しているが、当ブログではその出自をみても保守政党だと指摘してきた。この上にたって、あらためて自民、民主の各得票率をみると以下のようになる。(07年、01年、04年、*3)
2つの点をあげたい。
自民・民主の総和は表にあげた3回の参院選でほぼ変化はないとみてよいだろう(*1)。
これから、有権者は自民、民主の間を往復していると推測される。先に振り子が逆にふれたといったのはこの点である(*2)。
もう一つは、自民党の退潮傾向は止まっていないということである。
この点は、昨日、午後2時の投票率を中心に感想程度にのべた。そこでふれた点が結果に表れている。民主党は都市部の中間層だけでなく、従来自民党の地盤とされていた地方の農村部などでも自民党の票を掘り崩したと推測される。地方の農村部の1人区ではほとんど民主党が占めた。
以上の結果をもたらす上で、今回もまた、メディアは一役かった。「政権選択選挙」、あるいは安倍か小沢かという強調は各紙、各テレビ局に共通するものであった。
政局は、この結果から流動的なものにさらになっていく。民主党は衆院解散を視野に入れていて、先行きを断定することはできないが、面白い情勢だともいえる。
共産、社民が第三極を形成する現状にはないだろう。それを確固とした潮流にするには、国会内の論戦だけでなく、それと結合した国会外の行動と提起を少なくとも要する。
先にふれたが、民主党は、自民党と同じでさまざまな潮流の集合体だ。離合集散がありうる。それは、上表にみたとおり、自民党の支持基盤の弱体化は否めず、それだけに同党サイドからみれば政党再編は戦略的にも課題となる。
当面の消費税、貧困と格差で民主党が期待にこたえられるかどうか、早速問われる。そして改憲論議を迎えることになるなら、そのときは自民、民主両党内の集散の可能性は高いとみる。
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以上は、今朝までの限られたデータ(比例区)をもとにした第一報とみていただければ幸いです。今後、二報、三報と続けるかどうかは分かりませんが(笑)。
*1;01年選挙時はいまの民主党に合流する以前のもので、自由党などを集計に加えている。
*2;なぜ両党間で振り子が振れるのかについては解釈の余地はあるだろう。当ブログでは、投票行動の上で、バンドワゴンつまり勝ち馬に乗る傾向、死票にならないようにと考える傾向に言及してきた。
*3;上記各年のデータでは、01年、04年は「ザ・選挙」(下記)、07年はエントリー時点のNHKサイトを参照している。
http://www.senkyo.janjan.jp/index.html
民主党は今後、この期待にこたえる責任がある。
ふりかえると小泉9・11選挙は自民党の圧勝であった。2年後、こんどは振り子が逆にふれた。結果はこれを示している。
いまだにB層などと口にする人もいるようだが、仮に9・11で小泉を勝たせた有権者層をそうよぶのなら、今回、民主党の大勝をもたらしたものもB層ということになる。他党支持層からも民主党は票を集めたとはいえ、自民支持層と民主支持層の総和の中の構成が変化した、これが評価の基本線だと私は考える。
民主党には党内にいくつかの潮流があることはむろん承知しているが、当ブログではその出自をみても保守政党だと指摘してきた。この上にたって、あらためて自民、民主の各得票率をみると以下のようになる。(07年、01年、04年、*3)
2つの点をあげたい。
自民・民主の総和は表にあげた3回の参院選でほぼ変化はないとみてよいだろう(*1)。
これから、有権者は自民、民主の間を往復していると推測される。先に振り子が逆にふれたといったのはこの点である(*2)。
もう一つは、自民党の退潮傾向は止まっていないということである。
この点は、昨日、午後2時の投票率を中心に感想程度にのべた。そこでふれた点が結果に表れている。民主党は都市部の中間層だけでなく、従来自民党の地盤とされていた地方の農村部などでも自民党の票を掘り崩したと推測される。地方の農村部の1人区ではほとんど民主党が占めた。
以上の結果をもたらす上で、今回もまた、メディアは一役かった。「政権選択選挙」、あるいは安倍か小沢かという強調は各紙、各テレビ局に共通するものであった。
政局は、この結果から流動的なものにさらになっていく。民主党は衆院解散を視野に入れていて、先行きを断定することはできないが、面白い情勢だともいえる。
共産、社民が第三極を形成する現状にはないだろう。それを確固とした潮流にするには、国会内の論戦だけでなく、それと結合した国会外の行動と提起を少なくとも要する。
先にふれたが、民主党は、自民党と同じでさまざまな潮流の集合体だ。離合集散がありうる。それは、上表にみたとおり、自民党の支持基盤の弱体化は否めず、それだけに同党サイドからみれば政党再編は戦略的にも課題となる。
当面の消費税、貧困と格差で民主党が期待にこたえられるかどうか、早速問われる。そして改憲論議を迎えることになるなら、そのときは自民、民主両党内の集散の可能性は高いとみる。
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*1;01年選挙時はいまの民主党に合流する以前のもので、自由党などを集計に加えている。
*2;なぜ両党間で振り子が振れるのかについては解釈の余地はあるだろう。当ブログでは、投票行動の上で、バンドワゴンつまり勝ち馬に乗る傾向、死票にならないようにと考える傾向に言及してきた。
*3;上記各年のデータでは、01年、04年は「ザ・選挙」(下記)、07年はエントリー時点のNHKサイトを参照している。
http://www.senkyo.janjan.jp/index.html
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