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澤地久枝 -憲法60年、考えて思慮を深め、人とつながる
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/c6/6a3a0ca80ff74b02891ab953bd56f95f.jpg)
『朝日新聞』(1・4)に澤地久枝さんの「明るい年にしていくために」という文章が掲載されている(以下に全文)。日本国憲法施行60周年の今年、澤地さんの「今年こそ」にかける思いがここに書かれているけれど、それは同時に、我われによびかけられているものだ。
「考えて思慮を深め、おのれ一人の思いからはじめて、おなじ思いの人とつながる発信。負けることのできない、あやうい政治の動きになお、希望をもちつづける熱源は、一人ひとりの心、決意にこそかかっている」。
いいえて妙だ。つまるところ、よく考え共同を広げる、ということだ。
今年は大事な選挙戦がひかえている。早速、小沢一郎が新年会のあいさつで、つぎのように語っている。
「今日も閣僚の不祥事が報じられている。国務大臣や税調会長が相次いで辞任し、3カ月間で安倍政権は末期的な症状を呈し始めている」と批判。辞任した本間正明・前政府税調会長や佐田玄一郎・前行革担当相の問題も含め追及を強める考えを示した。
小沢氏は、夏の参院選について「自民党にとっても民主党にとっても、本当に生きるか死ぬかの戦いだ。何としても野党で過半数を取り、政治転換の第一歩にしたい。それが代表としての最大の使命だ」と述べた。
== 以上、「朝日新聞」(1・1)から引用 ==
「末期的な症状を呈し」ているというのはまだしも、野党が多数をとるのを目標とすることには首をかしげたくなる。民主党がまず、護憲なのかそうでないのか、国民の前にはっきりさせなければならないだろう。参院選が憲法改定の是非を最大の争点とするのであれば、護憲派が多数を占める状況をつくり出すことが目標になる。だとすれば野党=護憲でない以上、小沢の言葉にただちに賛成することは、私はできない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/6b/bc7796944f2ca2aa08efa4174bcdb516.jpg)
澤地さんが強調している、「考えて思慮を深め」るという点で別の視点からスラヴォイ・ジジェクがこう指摘している。「今こそ理論を」という小さな見出しの項から引用する(Z;ジジェク、R;対談者・岡崎玲子)。
R 新しい社会運動などに身を投じる衝動を、抑えなければならないと強調されているのはなぜですか。
Z もちろん私は左派ですから、提案しているのは、「即時に行動を起こさなければならない」という強迫観念に屈してはならないということです。理論に費やす時間はない、人が餓死しているのだから……といったものです。それを疑ってかかる理由は、これが支配的な資本主義イデオロギーの一部を構成するようになっているからでもあるのです。
R メディアによっても奨励されていますね。
Z それだけではありません。最近もビル・ゲイツが述べていました。「未だに人々が下痢や結核でなくなっているのにコンピュータがなんだというのだ」。彼らは、こうした言葉を繰り返しています。「我々が裕福な西側の社会に生きている間も、飢えて、不必要に死んでいく人がいることを忘れてはならない」。きっとこれは、イデオロギーに組み込まれているのでしょう。特に我慢できないのが、感情的な表現によって強迫に置き換える手法です。「私が一語一語を発する間にも、アフリカで十名の子供が死んでいるのを知っているか? 一文(ママ)につき一人の女性がレイプされている」。当然これは事実ですが、我々が間を置いて熟考することを防ぐのが真の機能です。一歩下がって、頭を使わなければなりません。
何でもよいから動かなければならないという衝動が支配的イデオロギーの一環を成しているのは、まさに犠牲となるのが、我々が距離をとって状況を把握し思考を働かせる時間であるためにほかなりません。……
「オーマイガッド、早く実行に移さなければ」という緊急事態の文化は、信用ならないのです。
(スラヴォイ・ジジェク『人権と国家』、集英社新書) == 引用おわり ==
ジジェクにまつまでもなく、憲法改定、核保有をめぐる議論のなかで我われは改憲派のこの種の主張を幾度となく耳にしてきた。そして、我われもまた、先を急ぐあまり事を即断する傾向にえてして直面する。澤地さんの主張は、そしてジジェクの指摘もまさに今、我われが熟考すること、そうしなければならないこと、その上で共同を広げることを教えている。
【関連エントリー】
澤地久枝または「満を持す」ということ
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二人のすぐれた文学者の指摘を、この年頭にしっかり思い返したい。戦争体験世代が命をかけてつかみとった「真理」の意味を。
06年の秋以降、生活が苦しくなったという人たちが増えた。保険料があがり、医療費の自己負担は増え、年金の手とりは減って、この国が「富国強兵」ラインを行く結果が、生活をむしばみはじめている。
昭和前期の、戦争前夜の世相と似ていますか、という質問は多い。人々が口をつぐみ、世のなりゆきをうかがって腰を引く、その点では、まったくよく似た世の中がまたしても姿をあらわした。
この国には今も「お上」に対する脅えが生きているのか。ことなかれでゆくことこそ、安全コースという守りの姿勢はなぜなのか。
このままでは、歴史はくりかえされる。教育基本法をゆがめ、自衛隊法を変えて公然たる軍隊にし、戦争できる方向が選択された。そこに主権者である国民の意志はどれだけ反映されているのか? 主権在民をマンガにする政治がまかり通ったのだ。
戦死者ゼロ、福祉国家を目ざした現憲法下の実績の否認がはじまろうとしている。さらにこの反動的選択は、同盟国アメリカの要望への答えであること。つまりは主人持ちの政治であること。命をさしだすだけでなく、アメリカの膨大な軍事費への助っ人の一面をもつことをかくさない。
大国の誇りにこだわりながら、この国の政治家たちは、従属の現実を無視する。そのアメリカは、イラク侵略の泥沼にあえぎ、まさにもてあましている。小泉前首相はイラク出兵を速断しながら、責任をとらずに退陣、安倍内閣はその政治路線の具体化に忙しい。
国内の民情悪化とその疲弊は避けがたくなった。選挙で議席を失えば、政治家はタダの人。確実に政治は変わる。政治のあまりの悪さ、露骨さに、危機感をもつ市民が全国に生まれた。もうこれ以上の逆コースは認めない。悪法は押し返し、憲法本来の国にもどろうという市民の意思。悪政はおとなしい市民たちを揺さぶり、無視できない運動を拡大しつつある。希望のタネ、希望の灯は、市民運動によって守られる。
市民は自衛する。武器なきたたかいだ。考えて思慮を深め、おのれ一人の思いからはじめて、おなじ思いの人とつながる発信。負けることのできない、あやうい政治の動きになお、希望をもちつづける熱源は、一人ひとりの心、決意にこそかかっている。「憲法を泣かせるな」を、施行60年目にあたる今年の合言葉にしよう。
歴史の犠牲となった死者たちを生かす道は、私たちの掌中にある。いかに状況が錯綜し、本質をかくしても、二人の文学者の言葉は、本質を見抜く鍵、真理として私たちを支えている。
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