【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

一番乗りの小さな秋

2013-08-18 16:22:16 | 四季のスケッチ










樅とえぞ松の織り成すレースで飾られた
この内気な小さな赤い道は
よじれたり曲がったりして隠れようとしていた。
辺りは日に温もり実を結んだ
草の香 がみなぎっていた。
木々はジェーンに今は知る人もない
美しい言葉で昔の物語を全て語っていた。               
                  【「丘の家のジェーン」 24.】




   連日、35度以上の猛暑が続きます。
  それでも昨夜は、「り~ん、り~ん」 と鳴く、ひと際美しい虫の声を・・。

   入浴中は辺りが静かですから、じっくり虫の音(ね)に、
  耳を傾ける事の出来る格好の空間になっています。

   虫・・で思い出したのですが、そう言えば蝉。
  ここ二、三日、耳にしていません。
  ~なんて思った途端に一声。でも、それだけです。

   その蝉は、「ツクツクボウシ」。でも早々に店じまい・・?
  こんな所にも季節を感じる瞬間です。





 
   



ぷうと云って汽船が泊まると、  
はしけが岸を離れて、漕ぎ寄せて来た。  
船頭は真っ裸に赤ふんどしを絞めてゐる。  
野蛮な所だ。尤も此暑さでは着物は着られまい。  
日が強いので水がやに光る。

                          【夏目漱石 「坊っちゃん」】




   上記は漱石の 「真夏の油照り」 の描写です。
  しかしながら汽船、船頭・・海・・と来れば・・。

   この描写からは、どこかしら 「涼」 を感じてなりません。
  それどころかある種の爽快感さえ感じ・・。

   この 「想像の余地」 からは、痛快な風・・? が吹いているようにも。
  現代にはない明治気質(かたぎ)と言ったものでしょうか・・。

   一方、まだまだ暑いけれど、真っ先に感じた小さな秋。
  それは、やはり今年も 「半夏生」 です。

   ついこの間まで葉っぱを真っ白に染め、
  まるで花のようにも蝶のようにも見えた、
  その面影は、今では全くありません。

   もしかしたら、季節に一番敏感な植物かも知れませんね。
  こうして見る限り、一気に秋の風情です。

   写真でも光と影がくっきり。
  秋は、もうすぐそこまで来ているような、そんな予感・・。


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