陽だまりの香り

三鷹の隠れ家アロマテラピーサロン、「ル・コワン・アンソレイエ」のブログです。女性の心・からだ・美をサポートします。

(社)日本アロマ環境協会 第15回専門セミナー「徹底検証~精油の薬理作用」

2008-09-08 16:07:21 | その他いろいろ

7日の日曜日に大手町のサンケイホールで行われた、アロマ環境協会の
専門セミナーを受講してきました。
まず、(独)国立環境研究所の梅津豊司先生の講演、
続いて富山大学和漢医薬学総合研究所の客員教授である上馬場和夫先生の
講演、次いで質疑応答という形で約4時間にわたるセミナーでした。

私が興味をひいたのは梅津先生の「精油の中枢薬理作用の研究と最新動向」
というお話でした。

先生はラットを使い、どの精油に抗不安作用があるのかを実験され、その経過、
結果についてお話されました。コンフリクト試験と高架式十字迷路試験という
方法を用い(詳しい説明は省きます)、その結果ローズとラベンダーの2種類に
抗不安作用があるという結論に至ったそうです。抗不安薬として使用される
ジアゼパムという薬には依存性や、集中力低下などの副作用があるそうなの
ですが、この精油にはそうした副作用の問題が少ないということでした。
そして成分として、ローズのフェネチルアルコール・シトロネロール、
ラベンダーのリナロールが特定されていました。
他いくつかの精油も実験されたのですが、それらの精油にはこの作用は
みられなかったそうです。アロマテラピーの本では、割りとたくさんの精油に
抗不安作用が載せられています。アロマテラピーは1つの精油にたくさんの作用
があり、伝承的に伝え続けられていることが多いと思うのですが、
こうして実際に実験をしてでた結果(事実)ですと、説得力が違ってきます。
ただ、まだまだ他の精油にも抗不安作用があると思いますし、先生も講演の中で
話されていましたが、他の微量成分が関わることによって作用が増したり、
他の微量成分が毒性を消していたり・・といったことも考えられるとのことでした。

ペパーミントに興奮作用があることは、本などによって周知の事実ですが、
これも実験をされ、きちんと立証していらして、そのお話を聴くこともできました。

こうやって実際に研究をしている先生の報告を聴く機会があるのは、
大変勉強になります。

二人の先生の講演後、質疑応答の時間があり、これもとても勉強になりました。
ジアゼパムを服用している患者さんがいらしたとして、アロマのトリートメントを
(ローズ・ラベンダー)をしても大丈夫か?という質問がありました。
その薬とどんな反応が起きるか不明な訳ですし、やはりお医者様にかかっていて
服用している薬があるならば、それを優先にすることが大切とのことでした。
ジアゼパムを服用している方は、かなり深刻な状態の方なのでアロマサロンに
来ることはないのでは・・というようなこともお話の中にありました。

とても貴重な興味深いお話を聴くことができ、有意義な一日となりました。