前回健康を維持していく為には、免疫・ホルモン・自律神経が大切という
ことを書きました。そして、この3つのシステムは脳の奥に位置する
視床下部がかかわっていて、この視床下部はストレスに弱いというところで
おわりました。
今回はこの視床下部とストレスについて書きたいと思います。
ストレスってそもそも何なのでしょうか?
この前(だいぶ前になってしまいましたが・・すみません)
私たちのからだには血圧や心拍数といった体内の環境を一定に
保とうとする力があるということを書きました。
これを恒常性(ホメオスターシス)と言います。
この一定であるはずの体内の環境にひずみがある状態・・
これをストレスと呼びます。簡単にいうと、血圧が上がったり、
心拍数がふえたり・・
といった状態にあるときのことをストレス状態にあるといいます。
私たちが「いやだなー」など不快に思う気持ちは、
最終的に脳の中の「視床下部」という場所に伝えられます。
そしてこの視床下部が自律神経を活性化させたり、
ホルモンを分泌する指令をだしたりしています。
つまり視床下部が自律神経、ホルモンをコントロールしています。
自律神経が活性化とはどんなことをいうのでしょうか?
ノルアドレナリンが放出され、心臓・血管に作用し、
心拍数を増やしたり、血管を収縮させて血圧を上げたりします。
胃腸に流れる血液の量も減り、胃腸の働きも鈍るので
食欲がなくなったりもします。
アドレナリンも放出されノルアドレナリンと同じように働きます。
ホルモンのほうは、ストレスホルモンといわれる
「グルココルチロイド」が分泌され、肝臓・筋肉に作用します。
肝臓や筋肉にはグリコーゲンという形でエネルギーが貯蔵されています。
ストレスと戦うにはエネルギーが必要なので、これを糖に変えて
血液中にださせているのです。
こういったことからもわかるように、ストレスを感じると
視床下部は司令塔としてフル活動します。常にストレスを感じたり、
強いストレスを急激に受けたりするとこの視床下部は疲労してしまいます。司令塔である視床下部がきちんとした指令を出せないとなると、
自律神経、ホルモンともに影響を受けきちんと働かなくなってしまいます。
精油の香りはこの脳の緊張をリラックスさせてくれます。
五感のひとつである嗅覚は、他の4つと脳への伝達ルートが
大きく異なります。他4つは脳の外側を経由して情報が処理されますが、
嗅覚だけは外側を通らず、脳の奥深くにダイレクトに情報が伝達されます。
香りを嗅ぐと誰かを思い出すとか、あのときのあの場面が
情景としてはっきり見える・・といったことはみなさんありませんか?
自分の幸せな記憶、こころが温まるような記憶・・
それを呼び起こしてくれる香りはなんなのでしょう?
シェークスピアの「ハムレット」には私を忘れないでください・・
とオフィーリアがローズマリーを手渡す場面があります。
こんな素敵なエピソードにまさる素敵な香りの記憶があなたの
脳の奥深くでまだ眠っているかもしれません・・・。
何かの香りを感じたときに思い出すかもしれませんね。