昨日は有楽町「よみうりホール」で行われたAEAJの専門セミナーを聴講してきました。
お二人の先生が登壇。
お一人目は三重大学医学部 看護学科教授 小森 照久氏。
「うつとアロマテラピー」
お二人目は藍野大学医療保険学部 臨床工学科 学科長・教授 外池光雄氏。
「ストレスと脳疲労、香りの効果」
うつ病についての知識、その治療、香りのうつ病治療への応用、うつ病の一次予防におけるアロマテラピーの意味について
お話くださいました。
うつは女性のほうが発症しやすく、男性の約2倍にもなるとのこと。
原因として、月経、出産、育児、そして更年期というものがあることが挙げられていました。
そして香りを治療に導入するにあたり、対象は男性に絞ったそうです。これには月経と女性は化粧品を使用しているので、
香料が治療の香りと混同してしまう懸念があったとのことでした。
香りを治療に用いるのには、大変勇気のいることだったとお話されていました。
うつには自殺する、というリスクがあること、万が一の事故が起きた時の責任の大きさ、そしてそれが今後の香りの臨床応用に大きなブレーキをかけてしまう可能性があることなど、導入にはご苦労があったようです。
それ故、対象の選定は細心の注意を払い、慎重に行ったそうです。
結論としては、抗うつ薬を減量できる、また中止して治療できる可能性はあるものの、香りだけでうつ病を治すということは難しいということでした。 精神療法がやはり重要であること、そしてうつ病の正しい診断ができることが大前提であることを強くお話されていました。
今回のお話を聴いて思ったことは、アロマセラピストはやはり「診断・治療」にもっと注意を払わないとならない、ということ。
「香り」の持つ力って本当にすごい!と思うことが沢山あります。
多くのアロマセラピストもそう思っているはずです。それ故なのですが、「これ使うとすぐに治るよ!」と話すセラピストが多くいるのも事実です。香りの良さを伝える言葉はたくさんあります。
セラピストは治療家ではありません。そこは言葉を選び、正しい知識をわかりやすく伝えていく、ということにもっと気を配らないと思っています。
お二人目の先生のお話は、香りがどういった経路で脳に届くのか、最終的に脳のどこで香りを認知するのか、といったお話でした。
専門性の高いお話なので、うまくまとめられませんが、やはり「香り」は「記憶」と密接に関わっていること。ここはみなさんも実感されたことがあると思います。
「香り」はまだまだ解明されていないことが多く、これからの分野。
もっと香りの効果が科学的に解明され、色々な角度から健康に役立つことが証明されていくと思います。
ぜひ皆さんも好きな香りをまずは見つけて、楽しんでください。