![]() | 響子と父さん (リュウコミックス)石黒 正数徳間書店このアイテムの詳細を見る |
買いました。実家の隣のマンションでイラストレーターをしている響子さんと、実家の父さんの日常劇。ちょっと変わり者の父さんの言動が楽しみどころ……と言っても、そこまで変わり者じゃないと言うか、どこにでも居るような、多少、突飛な事を言い出す父さんの“普通”な感じの楽しさが描かれていますね。
娘の響子ちゃんは、「それでも町は廻っている」の歩鳥ちゃんと似ているけど~というか、石黒先生ほとんどノーマルな女の子は“この子”ですね。(タッつんや、コン先輩がいるので描き分けが無いわけではない)あだち充先生の主役の“あいつ”、手塚先生の“ケンイチくん”みたいな位置のキャラ~いったって普通…というかかなり、しっかりしたお嬢さんです。その二人が、何てことないやりとりをしているだけで「面白い」という。
![]() | ネムルバカ (リュウコミックス)石黒 正数徳間書店このアイテムの詳細を見る |
…いや、実は本題はそこではなくってこの本が「ネムルバカ」の後日談らしい…という噂を聞いて買ったのですよ。(別にそうでなくても買ったと思いますが)「ネムルバカ」もやっぱり日常の話…なんですが、ここで登場するプロ・ミュージシャンを目指している鯨井ルカ先輩(こっちは「それ町」のコン先輩ですね)が、一度はスターダムの軌道に乗りながら、初ツアーで自爆的な独奏をやらかしてその場を逃走……って、それっきりの、ちょっと物悲しい終わり方をしていまして、僕はその後の鯨井先輩がどうなったか…すご~く気になっていました。(正確には後日談があると聞いて、その“気になり”が明確に喚起された…と言うべきでしょうけどね)
「響子と父さん」で新たにわかった事は、鯨井ルカ先輩の本名は“岩崎春香”である事。それから鯨井先輩の失踪は岩崎家(つまり、響子と父さん…とお母さん)にも刺のように影を落としている事ですね。
…娘一人が失踪していて“刺”という言い回しは小さいかとも思いますが、まあ、本当はそれくらいの不幸は、あまり無い不幸ではあるけど、全然普通の不幸でもあるというかね。変なお父さんと言っても普通の変さのようなもので。実際、岩崎家は“それ”を年柄年中気にしているわけではなくって、普段は明るく楽しく生活していますしね。
…で、失踪した鯨井先輩の、その後の姿は結局見る事ができませんでした。(´・ω・`)(大学生になる前の鯨井先輩は見れましたけど)いや、最後にお父さんと電話で話すんですけどね。それがまた物悲しかった。
元々、ちょっと暴走気味の娘なんですけど「ネムルバカ」に無かった父さんの視点が入ると、その物悲しさはさらに増すというか……用意された舞台が気に入らないからといって、そこで予定外の事やらかして、それで逃走なんて……「お前ら…なんだ…!?なんの目的もなく、ただ毎日を生きているのかよ?」と他者を宇宙人扱いしたその子が、“そうしたかった”のなら、それまでですけどね……。ちょっといろいろ悲しいんですよ。
でも、この鯨井先輩、僕は好きなんです。元々はこういう子は大抵嫌いなんですが、鯨井先輩は別ですね。おそらくは人生でたった一度のチャンスを自ら潰したのなら、後の人生は“然るべき経過”のままに過ごすしかないのでしょうが、それでもこの子には幸せになって欲しいなと思ってしまう。
だから後日談では鯨井ルカ先輩が、そこそこ幸せに暮らしている所が見たかったのですが…
見せてもらえませんでしたねえ…。「ネムルバカ」が“そういう話”としても、せめて「響子と父さん」では…と思ったのですが。やはり“然るべき経過”というものがあるのか…。あ~あ、鯨井先輩が幸せな所が見たかったなあ~……。

…ああ!!そうか!だから、少年チャンピオンで幸せに暮らしているんじゃないか!!(`・ω・´)いや、石黒先生、キャラを作品またいで使いまわすから、逆にリンクが繋がらなかったよ!wというワケで「木曜日のフルット」、週刊少年チャンピオンで好評連載中なんだな!!(`・ω・´)
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