【10月第3週:実力派エリート迅(作・葦原大介)】
http://www.tsphinx.net/manken/wek1/wek10531.html#711
【漫研】
http://www.tsphinx.net/manken/

ローズ・トゥ・人気漫画家マンガ『バクマン』(作・大場つぐみ、小畑健)の悪役キャラ・七峰くんが、捲土重来を目指し、しかし、惨敗して去って行きました。マンガに対する審美眼を持った人たちを集めて意見を募り、それを作品に反映させる“七峰メソッド”(?)をさらに事業化という形でパワーアップさせての再挑戦だったのですが……どうも、そのやり方そのものより、試作検証に使った漫画家さんをあからさまに使い捨てにした所が、皆の反感を勝って、要らぬ奮起を促してしまったのが敗因と言えそうです。実際に“勝負”を決めたのは、その使い捨てた漫画家さんですし。
自分のやり方を認めさせるために“勝負”の形を持ち込んだ七峰くんは、もう二度とジャンプにその作品が掲載される事はなくなってしまいました。こうなると、もう、七峰くんは新雑誌立ち上げるしかないようにも思います(汗)再来しようと思ったらですが(笑)…どうするんでしょうねえ?
しかし、「七峰くんとは何だったのか?」いや「七峰メソッドとはなんだったのか?」と考えてしまったりもするんですが、今、この顛末を眺めてみると『バクマン』の中に「“勝負事”を持ち込みたかったのかなあ」と思ったりもします。それまでも「勝負っぽい」事をしようとしていたとは思うのですが、何となく感が強く、あまり勝敗がはっきりしないというか、キャラクターが互いのやる気を引き出すためのワード以上の効力を持っていなかったんですよね。
▼今週の一番付記「バクマン」リアル(?)なサクセスストーリーと少年マンガ志向は両立しないのか?
勝負事のような、分かりやすい展開を『バクマン』上に持ち込む難しさは(↑)以前の記事でも書いていまして、この時も港浦さんとの対立が、かなり決定的になりながらも勝負→決着のような顛末にはなっていません。
まあ、他にも「少年マンガっぽい」ような展開にしようとして、何か変な形になっていた所がいくつかあったと思います。…いや、変な形とか、僕が勝手に「?(ハテナ)」と思っていただけですけど(汗)実際には、そういう分かりやすい展開を目指した時の方が人気出ていたかもしれないし、そこは分からないですけど。
しかし、実際、天才・新妻エイジと「戦わせよう」、「勝負をさせよう」というのは連載当初からのプランだとは思うんですけど「何を持って勝利とするの?」というのが、はっきりしない事ではあったと思います。
連載中に一度でも『CROW』の順位の上を行ったら“勝ち”なのか?いや、それは条件として甘すぎだろう。じゃあ、ずっと『CROW』を凌駕しつづけたら“勝ち”なのか?いや、それは厳しすぎ。そもそも、実績を積んだ『CROW』に対して、その時の順位だけで勝負を決められるのか?とか様々な評価要素が錯綜する。(※今、突然『包丁人味平』(原作・牛次郎、漫画・ビッグ錠)を思い出しましたが、あれの“カレー戦争編”は上手かったなあ…本当は勝負にならない(両店とも繁盛してしまう)ものを勝負っぽく描いて、かつ、味平が勝負を忘れる描きをしている)
そういう中で「分かりやすい悪役」として登板して来たのが、七峰くんだったのかな?と。しかし、当初の想定はどうだったのか。“七峰くんのやり方”はネット上では、別の反響を読んでしまった。単純に言えば「七峰くんのやっている事って、別にそんなサイコーたちに悪く言われる事じゃないんじゃね?…これは七峰メソッドじゃね?」という感じでしょうか。「…皆、そう言ってるけど、七峰くんのやり方はやっぱり悪い!」みたいな論調は、ちょっと聞かなかったですね。(脇の甘さみたいな話は色々ありましたが)
▼今週の一番『バクマン』七峰くんは『面白い』キャラだと思う。
(↑)まあ、ここらへんは、どこまで「計算どおり!!」なのかは分かりませんけどね(笑)ただ、再登場した七峰くんを観ていると、やはり、悪役として現れズバッと斬られる…七峰くんの『ジョブ』はここだったのだろうな…とは思いますね。七峰くんの担当の小杉さんが「少年誌を買う読者は自然と爽やかさ…爽快さを求めていると思うんだ」と言っていますしね。ここらへんは重ねてありますね。
しかし、同時に七峰くんは『バクマン』の中に「勝負」を持ち込む橋頭堡でもあったと思います。心意気を語るだけの「勝負っぽいもの」ではなく、本当の「勝負事」~はっきり決着させる何か~ですね。今、新妻エイジと亜城木夢叶が、同時連載で互いの一番の作品をぶつけ合う「勝負」を開始しようとしている、この流れを作るものだったと思えます。そこらへん『バクマン』の志向は一貫していますね。
……あと、まあ、七峰くん、新雑誌立ち上げてもいいと思うんですけどね(笑)少年誌vs少年誌は、普通に“勝負”ですし。でも、少年ジャンプに新規に立ち上げた少年誌を、短期で対抗しうる所までもって行く…というのは、ちょっとリアリティ厳しいかもですが(汗)
http://www.tsphinx.net/manken/wek1/wek10531.html#711
【漫研】
http://www.tsphinx.net/manken/

ローズ・トゥ・人気漫画家マンガ『バクマン』(作・大場つぐみ、小畑健)の悪役キャラ・七峰くんが、捲土重来を目指し、しかし、惨敗して去って行きました。マンガに対する審美眼を持った人たちを集めて意見を募り、それを作品に反映させる“七峰メソッド”(?)をさらに事業化という形でパワーアップさせての再挑戦だったのですが……どうも、そのやり方そのものより、試作検証に使った漫画家さんをあからさまに使い捨てにした所が、皆の反感を勝って、要らぬ奮起を促してしまったのが敗因と言えそうです。実際に“勝負”を決めたのは、その使い捨てた漫画家さんですし。
自分のやり方を認めさせるために“勝負”の形を持ち込んだ七峰くんは、もう二度とジャンプにその作品が掲載される事はなくなってしまいました。こうなると、もう、七峰くんは新雑誌立ち上げるしかないようにも思います(汗)再来しようと思ったらですが(笑)…どうするんでしょうねえ?
しかし、「七峰くんとは何だったのか?」いや「七峰メソッドとはなんだったのか?」と考えてしまったりもするんですが、今、この顛末を眺めてみると『バクマン』の中に「“勝負事”を持ち込みたかったのかなあ」と思ったりもします。それまでも「勝負っぽい」事をしようとしていたとは思うのですが、何となく感が強く、あまり勝敗がはっきりしないというか、キャラクターが互いのやる気を引き出すためのワード以上の効力を持っていなかったんですよね。
▼今週の一番付記「バクマン」リアル(?)なサクセスストーリーと少年マンガ志向は両立しないのか?
たとえばこの港浦さん、基本的にはダメな担当編集として描かれていて、かつ主人公たちと対立関係にあるわけですから、港浦さんは少年マンガ的に言えば“倒すべき敵”(あるいは障害)とも言えるんですね。いや、いきなり“倒すべき敵”と行っても港浦さんはそんな風に描かれていない(はず)なのでピンとこないかもしれませんが、しかし、この回の港浦さんは、こうも言っている。
もし、この読切が本誌に載り連載になって人気マンガになったら僕は編集を辞めます!
しかし、すぐに周りの先輩編集たちが「馬鹿を言うな」、「辞めるなんて嫌味になるだけだ」と言ってその発言を取り下げさせている。でも、まだ少年であり、かつ既に港浦さんにケンカを売っている認識のあるサイコーたちは(心のどこかでは)港浦さんが、そう言い出してくれる事こそを望んでいたかもしれません。「人気マンガになったら僕は編集を辞めます!」←こういう“分りやすい展開”、“決着/結末のハッキリした展開”こそが、少年マンガ的展開って言えると思うんですよね。作者もそれが分っているからこそ、港浦のセリフにこういうものを入れて、それが観えている事は示しているはずです。
勝負事のような、分かりやすい展開を『バクマン』上に持ち込む難しさは(↑)以前の記事でも書いていまして、この時も港浦さんとの対立が、かなり決定的になりながらも勝負→決着のような顛末にはなっていません。
まあ、他にも「少年マンガっぽい」ような展開にしようとして、何か変な形になっていた所がいくつかあったと思います。…いや、変な形とか、僕が勝手に「?(ハテナ)」と思っていただけですけど(汗)実際には、そういう分かりやすい展開を目指した時の方が人気出ていたかもしれないし、そこは分からないですけど。
しかし、実際、天才・新妻エイジと「戦わせよう」、「勝負をさせよう」というのは連載当初からのプランだとは思うんですけど「何を持って勝利とするの?」というのが、はっきりしない事ではあったと思います。
連載中に一度でも『CROW』の順位の上を行ったら“勝ち”なのか?いや、それは条件として甘すぎだろう。じゃあ、ずっと『CROW』を凌駕しつづけたら“勝ち”なのか?いや、それは厳しすぎ。そもそも、実績を積んだ『CROW』に対して、その時の順位だけで勝負を決められるのか?とか様々な評価要素が錯綜する。(※今、突然『包丁人味平』(原作・牛次郎、漫画・ビッグ錠)を思い出しましたが、あれの“カレー戦争編”は上手かったなあ…本当は勝負にならない(両店とも繁盛してしまう)ものを勝負っぽく描いて、かつ、味平が勝負を忘れる描きをしている)
そういう中で「分かりやすい悪役」として登板して来たのが、七峰くんだったのかな?と。しかし、当初の想定はどうだったのか。“七峰くんのやり方”はネット上では、別の反響を読んでしまった。単純に言えば「七峰くんのやっている事って、別にそんなサイコーたちに悪く言われる事じゃないんじゃね?…これは七峰メソッドじゃね?」という感じでしょうか。「…皆、そう言ってるけど、七峰くんのやり方はやっぱり悪い!」みたいな論調は、ちょっと聞かなかったですね。(脇の甘さみたいな話は色々ありましたが)
▼今週の一番『バクマン』七峰くんは『面白い』キャラだと思う。
新人作家・七峰くんが『面白い』ですね。最速のデビューを目指し、自分の自信作が「ジャンプ向きでない」という理由ではねられたとみるや、ネット上にアップして自ら話題を作る。その読切にしてから、予め、ネットから4人の才能を認めた人間に募ってアイデアを出してもらっている。そして今回の騒動でも、新たに50人のネット上のブレインを仕入れている。そこから『面白い』マンガを練りあげて行こうとしている。………面白いですね。
(↑)まあ、ここらへんは、どこまで「計算どおり!!」なのかは分かりませんけどね(笑)ただ、再登場した七峰くんを観ていると、やはり、悪役として現れズバッと斬られる…七峰くんの『ジョブ』はここだったのだろうな…とは思いますね。七峰くんの担当の小杉さんが「少年誌を買う読者は自然と爽やかさ…爽快さを求めていると思うんだ」と言っていますしね。ここらへんは重ねてありますね。
しかし、同時に七峰くんは『バクマン』の中に「勝負」を持ち込む橋頭堡でもあったと思います。心意気を語るだけの「勝負っぽいもの」ではなく、本当の「勝負事」~はっきり決着させる何か~ですね。今、新妻エイジと亜城木夢叶が、同時連載で互いの一番の作品をぶつけ合う「勝負」を開始しようとしている、この流れを作るものだったと思えます。そこらへん『バクマン』の志向は一貫していますね。
……あと、まあ、七峰くん、新雑誌立ち上げてもいいと思うんですけどね(笑)少年誌vs少年誌は、普通に“勝負”ですし。でも、少年ジャンプに新規に立ち上げた少年誌を、短期で対抗しうる所までもって行く…というのは、ちょっとリアリティ厳しいかもですが(汗)
![]() | バクマン。 15 (ジャンプコミックス) |
大場 つぐみ | |
集英社 |
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます