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清水由貴子さんのこと。
清水由貴子さんのこと。
この内容で4日前、記事を書こうと思っていた。
が
草なぎ氏問題勃発で、随分と日にちが経ってしまった。
若い人は、清水さんのことを知らないと思うが、1970年代から1980年代前半にかけて、一世を風靡した、稀有なタレントさんである。
またその庶民性が買われ、欽ちゃんファミリーのメンバーで、キンチャンのバラエティ番組のレギュラーでもあった。
赤ちゃんの時期にお父さんを亡くしている。
極貧の中、母、7つ年下の妹の3人で暮らしてきた。
糖尿病が悪化して視力を失った母親が認知症に。
最近はタレントとしての仕事も減り、テレビではレポーターとしての仕事で見かけるぐらいであった。
しばらくは、タレント活動と、母親の在宅介護と両立させて頑張っていたようであるが、生来の<完璧主義>的性格から、在宅介護に専念する道を選び、芸能界を引退することに。
お母さんの症状は重く、真冬でも、服を脱いでしまい、トイレ誘導もままならず、毛布の上で失禁することも多かったという。
清水さんは、またタレント時代の天真爛漫な明るいイメージを大切にしていたようで、
自殺を決意するほど追いつめられた心情を同居の妹や他人に吐露することは、微塵もなかった。
<弱音を吐かない>人だったのだ。
お母様は近くの老人ホームのデイサービスを利用していた。月一の家族の会にも、清水さんは参加していない。
認知症高齢者を抱える家族の会にも入っていなかったであろう。
完璧主義で、弱音を吐かず、一人孤立した中で、抜き差しならない認知症の介護を「抱え込んで」しまっていたのだ。
不完全な自分を許し、ある時には周りに弱音を吐き、みんなでスクラム組んで介護しなければ、持続不可能な介護に。
研究の世界でも、さらに一層、介護者のメンタルヘルスに焦点を当てることが不可欠であるし、未然に不幸な出来事をブロックできる社会にしていかなければならない。
清水さんのご冥福をお祈りいたします。
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確かに、不完全な自分を許し、ある時には周りに弱音を吐き、みんなでスクラム組んで介護をしていくそんな社会が実現することが望まれると思います。どうしたら良いのか解りませんが、人々の良心に訴え、甘えるだけでなくもう少しビジネスライクに、介護を生業とできる人口を増加させなければならないと感じています。
これは、目下の我が家の課題である地元町内の自治会活動にも似ている部分がかなりあるように思います。
ブログの編集を、研究室か春日井の自宅にいるときしかしないため、遅くなってしまいました。
ご容赦のほど。
ご指摘のように、ビジネスライクに介護を頼めるマーケットをもっと広げる必要がありますね。
介護保険が本来はその機能を果たすべきですが、うまく回転はいないです。
今でもあるのですが、住民参加型助け合いネットワークが、介護保険からはみ出た介護・保育ニーズを満たしています。
今回の清水さんの場合のように、介護保険で利用しているデイサービス職員さんに対しても、「ご迷惑をおかえして申し訳ないです」という価値観を介護者の方が強く持っている場合は、そして他人に迷惑をかけることで、精神的に苦しんでおられる場合は、社会ケア制度も無力です。
人の心を<柔軟にする>にすることは難しいですね。