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牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

但馬牛の肥育

2009-11-07 00:17:22 | 肥育



11月4日の日本農業新聞の終頁に「但馬牛理想肥育マニュアル」の紹介とそれを実践した肥育センターの紹介記事が掲載されていた。
これまで、但馬牛を導入しても、その能力を発揮できずにいたこともあり、この記事を興味深く拝読した。
飼料管理については、筆者の考えと概ね同様であるが、但馬牛については、DGを高くする設定ではなく、常に0.6kg未満に抑える肥育法が取られていることである。
出荷月齢31ヶ月令で、体重600kg台に仕上げるとあり、枝肉重量を予測すると、精々420kg前後となる。
因みに神戸ビーフブランド基準の中に、枝肉重量は470kg未満とされており、但馬牛独自のブランド設定の元で、高品質の枝肉が要求される。
この枝肉重量で、採算を合わせるために、兵庫県畜産技術センターで、提示されたのが、但馬牛の理想肥育マニュアルである。
素牛を栄養度と発育の2段階に振り分け、栄養度指数(体重/体高)を求め、正常牛(210~240)と過肥牛(240以上)に分け、さらに発育に関して兵庫県では、子牛市場に出荷された時に体高を測定して明示されており、その数値を元に子牛の体高が117cm以上を大型、112~116cmを中型、111cm以下を小型と設定して、その大きさに相応したきめの細かいマニュアルが定められている。
肥育期間を前期(9~14ヶ月令)、中期(15~22ヶ月令)、後期(23~31ヶ月令)と分け、配合飼料のTDNはそれぞれ73.2-74.1-75.1%で、粗蛋白は14.9-12.6-12.1%に設定されてたものを全期間を通じれば、6kg/日(最高7.5kg)の給与設定となっている。
また粗飼料は、導入後3ヶ月間は良質の乾草を与え、その後は余りβカロチン含有の高くないものに漸次替えて最後は稲わらとなっている。
但馬牛の肥育マニュアルの特徴は、DGを0.6kg未満に抑えた給与設定と、素牛の身の丈にあったきめ細かな給与設定、健康状態を保ちながら肥育することとビタミンA欠乏症の発症を徹底して防止する狙いが骨子となっている。
但馬牛に対する肥育法を覗き見た感があり、今後の但馬系肥育牛の飼い方の改善に参考させて貰う予定である。
暫く明石海峡超えを敬遠していたが、触手の意図が沸いてきた次第である。


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