
良くしたもので、普段は外から見られたくない肛門や陰部は、尾の裏に隠れている。
排便や放尿時の牛は、もよおす直前に必ず、尾根部の高さに尾を擡げる。
用を足すと、自然と元通り、それらの器官をそれとなく隠してしまう。
このように牛の尾は、褌のような役目もある。
牛は、放牧場や原野を駆けるときや、畜舎から脱柵したときなどは、尾を思い切り上の方へ振りかざしながら駆け出す。
馬でもそうであるが、駆けるときには、四肢を思い切り前後に伸ばして、蹴りを入れて速度を増すため、その瞬間は尾の存在が邪魔になる。
駆けるときの速度が速いために、カーブするときのバランスを保つために、高く振りかざした尾がバランスを取る役目をしているかもしれない。
牛が交尾する時は、尾が邪魔になる感があるが、雌牛がそれを許容する時は、尾をそっと脇にそらす。
人工授精や受精卵移植時には、尾が邪魔になる。
それが、牛にとって許容していないからだ。
分娩時は、陣痛から娩出まで、常に尾をあげて分娩の邪魔にならないようにしている。
尾を常に振りかざすのも、分娩のための息みを助長させる働きがあるかも知れない。
授乳中の子牛は、ミルクが順調に飲めている時に、尾を左右に振って、その満足度を表す。
牛の尾の働きや機能は様々で、たかが尾、されど尾なのである。
褌の役割には気付いていませんでした。
私の好きな尻尾は、子牛がお乳を吸う時の尻尾。
母牛のお乳を吸う喜びを尻尾で表現しているかの様にパタパタと左右に振る尻尾を見る度に、幸せな気持ちにさせられます。
(´∀`)/
言うなれば、満足度を表すシグナルみたいなものです。
piyoさんのような、観察の行き届いている畜主の方なら、その実感を感じておられるのが、よーく判ります。