最近出荷牛の肉質が相対的に今一である。
食肉市場に出かけて他産地からの出荷牛を偵察に向かうが、いずこも同じような成績である。
肥育法も生産地もあちこちと変えているわけではないが、何故か結果が出ない。
血統的には、著明な種雄牛の産子であるにも関わらずである。
同様の交配に絞り込んでも、結果は様々である。
交配関係が単純であれば相性が良ければいいものになり易いが、このところ他産地間での複雑な交配が行われており、相性関係自体が複雑で、なかなか結果を出すケースが希となってしまったのではあるまいか。
それぞれの遺伝子は単純なものではなく、その発現は神のみぞ知ると言われているほど、人が期待するほどに発現しない。
昔から産地内で閉鎖的に交配を重ねて来た頃は、遺伝子の分散が少なく、期待する形質を選抜しながら改良を加えてきたが、その方が速度は遅くても、改良の中身は確率の高いものが揃っていた。
そのいい例が、但馬牛である。
宮崎県でもそのような改良で全国的に評価を得ていたが、忠富士のように増体型を有するようになれば、宮崎産の特徴は全国同様となってしまった。
牛の改良は何時の時代でも、目標を持ち、それに向かって地道に進めるに限る。
兵庫県の頑固さが不可欠で、それが故に日本一のブランド化を実現するに至るのではなかろうか。
繁殖農家が経営していける価格で購入してもらえるならそういう改良がいいのかもしれないが生活できない価格では困る。
繁殖農家も意地悪で交配してるわけじゃなく少しでも高く売れないかと交配する
つまり、今の交配はある意味購買者が作って行った形とも言えるのではないでしょうか?
ただ、肥育の枝肉単価を見れば今の値段が肥育農家さんからしたらぎりぎりだと思いますし…
お互いが少しづつ儲けが出る価格があればいんですが…