奄美牛ブランド化を話題にしたが、そのエリアは、奄美本島、喜界島、徳之島、沖永良部、与論の各島からなり、年間約14,000頭の和牛子牛が生産されているそうである。
これらの島々は、互いに切磋琢磨し和牛の改良や増頭に凌ぎを削ってきたという。
彼らが常に意識しているのは、子牛市場での平均セリ価格でトップになることのようである。
06年10月のことであるが、徳之島で200頭近い繁殖雌牛を飼育している農家を尋ねたことがある。
その時、各島の話題となったが、畜主は「やっと与論や沖永良部に勝つことが出来たんですよ!」とさも念願が叶ったとばかりの喜びようであったことを記憶している。
何で勝ったかというと、その年の9月セリの平均セリ価格のことであった。
これらの島では、交配用種雄牛の供用の仕方に、多少の違いがある。
また、雌牛群の系統も、鹿児島産だけでなく、島毎に宮崎産の系統の割合が高い場合があったりである。
これらの取り組みをして切磋琢磨という状況が垣間見られる。
牛肉のブランド化は全国で約100箇所商標化されているという。
子牛については、前述したが、但馬牛ブランド以外は、奄美牛ブランドくらいであろうか。
全国各地の主な和牛産地には、全国和牛登録協会が認定した和牛改良組合が479箇所有り、系統保存や改良に様々な活動が実施されているようである。
この改良組合の存在と個々の独自の活動が、子牛のブランド化を必要としていないのかも知れない。
地域特有の系統保存などの規定と品質の保証などが守られるのであれば、ブランド化することにより、交配精液の選定、出荷月齢と出荷体重、子牛育成技術の統一性などが遵守されて、生産子牛への品質と信頼性が保たれて、生産者も目標とされる指針に沿って子牛生産のために邁進できるはずである。
それらの目標なしでは、漠然とした子牛生産に留まり、挙げ句の果て減少傾向となるは必至である。
自らのブランドなら、それを死守するため、さらに切磋琢磨するは我々人類の常套手段である。
正直に言えば、
八重山の生産農家のレベルはまだまだだと言わざるを得ないです。
その系統も種雄牛も育成技術もバラバラで、
最近のセリ値下落でようやく色々な動きが出てきたものの、
とてもブランド化出来る状況ではないと現時点では考えています。
若輩者の自分が言う事ではないのでしょうが…。
強力なリーダーシップをもって上から改善させるか、
個々の農家が自覚を持ってすそ野から改善するか、
いずれにしても、
まだまだ遠い道のりの様です。
離島のハンディがあるという認識を持って、
それをバネに良い素牛の生産に励まなければならない状況にある現状を理解していない農家さんが多い気がしてなりません。
でも、
いつかは…。
(・ω・)/
奄美諸島の生産農家からは、鹿児島内地以上の熱気が伝わってきます。
我々購買サイドからも、貴重な熱気として付き合っていきたいものです。