牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

牛飼いの初心と基本

2010-11-22 17:02:57 | 子牛


生後月齢6ヶ月で導入する子牛の育成法に基本的な問題があることに気が付いた。
常日頃、日本飼養標準(肉用編)を飼い方の指針とすべしが持論でありながら未熟な経験が独りよがりな対応であったことにも猛省中である。
6ヶ月令といえば、子牛用の飼養法が必要な月齢である。
該牛らが、乾燥を実によく食い込み夕方になれば、ゴムまりのごとくパンクしそうな腹容となることに、ふと思い出すことがあった。
今から約30年前、繁殖用雌子牛の栄養レベルに差を設け、それらの後年における繁殖成績を調査する試験を行ったときのことであるが、低栄養レベルの子牛が粗飼料の食い込みはよいが、腹容だけ大きくつまりはシケ牛となったが、現況の6ヶ月令の子牛たちも、以前の状態に近い子牛となっているのである。
離乳直後からの仔牛の飼料には、可能な限り多種のミネラルや高タンパク質が要求される。
それらが不足することで、子牛は肩から背・腰に至り、尖った格好となり、腹容だけがやたらと大きくなり体高の伸びが停滞し順調な発育ができない。
飼養標準を参考にすると、6ヶ月令子牛の給与飼料の内容については、Cpレベル16%のものを与え、体重160~175kgでDG1.0kgを確保するには、Cp830gが必要とある。
従来使用してきている肥育前期飼料はCp14%レベルであり、現状での飼料給与を計算すると、Cp値は700g余りでかなりCp値が不足している。
この月齢では、Cp17%を含有する子牛用配合を与えることで飼料計算値を満たすことができる。
覆おうにマンネリ化が常在化しがちである。
常に、初心に返ること、基本に忠実であることの重要性を今更ながらではあるが、再確認した次第である。