さくらおばさんの ひとりごと

日々の想いを綴ります。

『月明かりの下で』 「若者問題への接近」 「法人税減税は究極のバラマキ」

2010-07-01 | 暮らし
 いつも自分で文章を書かずに、コピペばかりで恐縮ですが、きょうもです。
 すみません。

 しかも、はじめの2件はあさって7月3日におこなわれるものですので、役に立たないかも知れませんね。
 申しわけありません。


 3件とも、国公一般ブログ「すくらむ」からです。




ドキュメンタリー映画
      「月あかりの下で~ある定時制高校の記憶~」

         完成披露有料試写会in東京



日時 2010年7月3日(土)19:00開演(18:30開場)
会場 文京シビック 小ホール(03-5803-1100)
内容 上映+関係者トーク
料金 前売1000円(当日1200円)
主催 グループ現代03-3341-2863(担当:猿田)
    http://tsuki-akari.com/wordpress/
<前売チケット取り扱い>
○グループ現代(電話予約+当日精算)
○チケットぴあ(Pコード:556-444)



かつて学校で夢をつぶされた彼らが、
再びその夢を語ることができた場所・・・
それは〈学校〉だった─


夜間定時制高校―
そこはいま働く若者たちの学びの場、そして小・中学校で不登校、
高校を中退した若者たちの再出発の場となっています。


映画の舞台は、1学年1クラス、全校生徒120人足らずの
埼玉県立浦和商業高校定時制のあるクラス。
派手なメイクで身を固め教師に暴言を吐く生徒、
家庭内暴力が原因で登校できなくなった生徒、


明るい笑顔が魅力のある生徒は自傷行為を繰り返し・・・
彼らのやわらかな心は、家庭や社会の歪みに傷ついていました。
そんな若者たちが、大家族のような〈学校=居場所〉の中で
悩み、ぶつかり、支えあい過ごした日々と、その先に見えた希望。


2002年の入学から2006年の卒業までの4年間、
そしてその後へと、生徒一人ひとりに寄り添った貴重な映像が、
テレビ放映を経て、ここにドキュメンタリー映画として誕生しました。


人との絆が、人を育てる。
いまを悩み、懸命に生きるすべての人へ、この作品を捧げます。



〈定時制とは?〉

 戦後の混乱から復興に向けて社会が歩みだした昭和23三年、「すべて国民は、ひとしく、その能力に応ずる教育を受ける機会を与えられなければならない」(新憲法第26条、教育基本法3条/当時)という教育の機会均等の精神に基づき、様々な理由で全日制の高等学校に進めない青少年に対し、高等学校の教育を受ける機会を与えるために誕生した定時制通信制課程。

 近年では、不登校生徒の増加や不況などからも入学希望者が増加する一方で、急速に進む少子高齢化はじめ、さまざまな社会環境や産業構造の変化により、そのニーズも多様化しているとし、単位制等への統廃合が進められ、縮小傾向にあります。(映画の舞台、浦和商業定時制課程も2008年3月に閉校となりました)



 映画の感想紹介


 生きる希望をもらった場所、みんなにも知ってもらいたい。定時制というのは、先生と生徒が一緒に卒業できる場所。(定時制卒業生・男性)


 各々の心の底に棲む自分の意見とは別な「モノ」との折り合いと、社会的(普通に生きること)との間で闘う「モドカシサ」割り切れぬ想い、それら諸々から、自分の世界を創っていく「タクマシサ」を感じた。(卒業生・男性)


 孤独・苦しさ・・・様々な思いをかかえて、けなげで、必死で、純粋で、自分を受け入れてもらえる場所、ありのままを出せる場所。仲間のなかでもがきながら、からを破り、成長していく姿・・・改めてこういう場所(学校)、仲間の大切さ、必要さを感じました。(元定時制教員・男性)


 卒業式。みんなのさわやかな笑顔がなんともいえない。彼らは、この浦商を人生の基地として、強く社会を渡っていくだろうと思った。この映画には学校の「原点」がある。私も教員であるが、この映画から学ぶものは多い。(教諭)


 人の居場所、私もない様な時がありました。人と人との間で、世の中が成り立っている。私の娘もお世話になりました。大変ありがたいと思っています。これからの私の人生にも役立ててゆきたいと思いました。本当にありがとうございます。(卒業生保護者・男性)


 重いテーマにもかかわらず、さわやかな切口で訴えてきた。子どもたちの内面を掘り下げ、本音を浮かび上がらせた努力・地力を感じた。(会社員・女性)


 人が人として育つ場を時間をかけて丁寧に追った、その仕事はすばらしいと思った。と同時に、若者のもつ生きるエネルギーはすごい、と改めて思う。若者本人にもぜひ観てほしい。(一般・女性)


 人とのつながりほど大切なものはない。本当に当たり前のことを心から確信できました。学校っていいな、本当にいいな、人間ってすごいな、そんな思いを巡らせているうちに、あっという間の115分でした。今より少し、人に優しくなれる映画です。(会社員・女性)



↓朝日新聞報道
夜の教室、成長見つめて 廃止の浦商定時制高校が記録映画 埼玉
 いじめ、家庭内暴力、経済苦などの問題を抱える高校生たちが、夜の教室で本音をぶつけ合い、支え合いながら、ひたむきに生きる姿が克明に記録されている。



↓共同通信報道
定時制高校の記録映画完成 さいたま市で初の試写会
 生徒の多くは過去に不登校を経験。外見は派手でも孤独だったり、明るく振る舞いながらリストカットしたりする少女たちが、級友や教諭ときずなを深めて成長する姿が感動を呼ぶ。




若者問題への接近 - 自立への経路の今日的あり方をさぐる


 ※日本学術会議からのお知らせです。



 労働政策フォーラム
 若者問題への接近
 自立への経路の今日的あり方をさぐる


 未就職卒業者の増加から第2のロスジェネ問題の発生が指摘される中、若者たちの自立への経路は見えにくく、不安定になってきています。新規学卒で採用され、企業内訓練を経て職業的自立を獲得し、同時に新たな家族を形成して生活の自立も確立していくというモデルから逸脱する若者たちが増える中、新たな自立への経路はどう整備すれば良いのでしょうか。


 本フォーラムでは、これまで若者の自立を支えてきた社会的装置(学校、企業、職業訓練、自立支援機関など)の現状と課題を議論し、包括的支援政策の具体的な方向性を検討します。


日時 2010年7月3日(土)   
    13:30~17:00(開場13:00)


会場 浜離宮朝日ホール 小ホール
   (東京都中央区築地5-3-2 朝日新聞社新館2階)


主催 労働政策研究・研修機構(JILPT)/日本学術会議



第1部 講演


 自立に向けての高校生の現状と課題
  藤田晃之 国立教育政策研究所生徒指導研究センター総括研究官


 企業の果たしてきた役割と今後の方向性:キャリア形成と非典型雇用
  佐藤博樹 東京大学社会科学研究所教授/日本学術会議連携会員


 雇用保険でもなく、生活保護でもない第2のセーフティネットと伴走型支援
 ――支援の現場でみえてきたこと――
  湯浅誠 NPO法人自立生活サポートセンター・もやい事務局長
      反貧困ネットワーク事務局長


 成人期への移行政策の課題と構想
  宮本みち子 放送大学教養学部教授/日本学術会議連携会員


第2部 パネルディスカッション


 パネリスト:
  上記各講師(藤田晃之氏/佐藤博樹氏/湯浅誠氏/宮本みち子氏)


 コメンテーター
  太郎丸博 京都大学大学院文学研究科准教授/日本学術会議特任連携会員


 コーディネーター
  小杉礼子 労働政策研究・研修機構統括研究員/日本学術会議連携会員



参加費 無料 ※申込予約が必要です。
定員  300名 ※定員に達し次第締め切ります。
※問い合わせ、参加申込予約はこちらまで
  http://www.jil.go.jp/event/ro_forum/info/20100703.htm




法人税減税は究極のバラマキ -大企業の国際競争力強化が経済・財政悪化と貧困化の悪循環生む

 『日経ヴェリタス』(2010年6月27日付、第120号、日本経済新聞社)の52面に、「法人税減税は究極のバラマキ」と題した記事が掲載されています。筆者は、中野剛志京都大学助教です。


 記事のリードには、「国際競争力強化のために法人税減税をすべきだという議論がある。しかし、デフレ不況下では効果が極めて乏しく、むしろ有害ですらある。法人部門の貯蓄を増やすだけで、経済全体の需要を縮小させるからだ。」と書かれています。


 この記事の中で、とりわけ“なるほどっ!”と思ったところを紹介します。(※カギカッコの中が、記事本文そのままの引用です)


 ① 「国際競争力への影響は、法人税に社会保険料を加味した『公的負担』でみるべきだ。」


 → ※企業の国際競争力の問題を考える出発点として、すくらむブログの過去エントリー「日本の大企業負担(法人税・社会保険料)は他国より軽い - 法人税減税でなく欧州並みの負担増を」 と同じ指摘がされています。


 ② 「公的負担は自動車、電機、情報サービスいずれの産業でも日本より独仏の方が重い。英米の自動車、電機産業の公的負担は日本より軽いが、国際競争力は弱い。米国の情報サービス業は競争力は強いが、その公的負担は日本より重い。(中略)つまり、日本企業の公的負担は欧米より重いとは言えず、公的負担の軽さと競争力とが一致しているとも言えない。」

 → ※この部分は“なるほどっ!”と思いました。“日本企業の公的負担は欧米より軽い”ということは、すくらむブログの過去エントリー「日本の大企業負担(法人税・社会保険料)は他国より軽い - 法人税減税でなく欧州並みの負担増を」 で指摘してきましたが、“国際競争力強化のために法人税減税で企業の公的負担を減らさないといけない”と言うけれど、現実には、日本より公的負担が軽い英米の企業が国際競争力が弱かったり、日本より公的負担が重い米国の企業が国際競争力が強かったりしているのです。公的負担を軽くしたからといって企業の国際競争力が強化されるわけではないのです。つまり、“国際競争力強化のために法人税減税をすべきだ”という主張は、現実の企業の存在によって、根本から間違っていることがすでに証明されているということなのです。


 この記事は文字だけでグラフや表は掲載されていないのですが、ここで指摘しているのは、すくらむブログの過去エントリー で紹介した財務省のホームページに掲載されている「平成22年度税制改正の大綱」の「参考資料 法人所得課税及び社会保険料の法人負担の国際比較に関する調査(平成18年3月)」のグラフのことです。以下に再掲しておきます。


 ③ 「税務会計学の権威である富岡幸雄氏によれば、法人税は課税ベースの侵蝕化(徴税漏れ)が著しく、特に大企業の実際の負担率は法定税率よりはるかに低い。」

 → ※この部分も過去エントリー「日本の大企業負担(法人税・社会保険料)は他国より軽い - 法人税減税でなく欧州並みの負担増を」 で紹介した指摘と同じです。そのとき紹介している表を以下掲載しておきます。


 ④ 「02~06年の日本経済は輸出主導で景気が回復したが、雇用者報酬は上がらず、デフレを脱却できなかった。国際競争力を強化しても国民は豊かにならないのだ。(中略)そもそも日本の輸出は国内総生産(GDP)の2割にも満たない。輸出の拡大で経済全体を引っ張ろうとするより、8割以上を占める内需の拡大を重視した方が合理的だ。法人税減税はその内需を逆に縮小させる公算が大きい。なぜなら今の日本経済は、需要不足でマネーが投資に向かわない貯蓄超過(カネ余り)だからだ。しかもその過剰な貯蓄は、もっぱら法人部門にある。法人部門にカネはあっても投資先がないというのが、デフレ不況の問題の本質だ。需要のない中での法人税減税は、この法人部門の貯蓄をさらに増やすだけで国内投資を促進しない。むしろ、減税分だけ政府支出(公需)は減らざるを得ないから、経済全体の需要はより縮小する。(中略)政策効果のある使途に限定せず、予算を一律に配分する政策を『バラマキ』という。(中略)法人税減税こそ究極のバラマキだ。」

 → ※この部分の指摘の大筋は、すくらむブログで繰り返し紹介してきた以下のエントリーの指摘と同様です。“大企業の国際競争力を強化すれば国民は豊かになる”――これが、小泉構造改革、自公政権の新自由主義政策で、大企業の国際競争力強化→内需縮小・外需依存→国内生産縮小→経済(GDP)の縮小→税収の減少…という悪循環に陥って、国民は豊かになるどころか“大企業の国際競争力の強化で国民は貧困になった”のです。この悪循環の中に、さらに消費税増税・法人税減税を加えるとなると、国民の暮らしは壊滅的な打撃を受け、貧困化が幾何級数的に加速してしまいます。


 最後のセンテンスで、中野剛志京都大学助教は、この論考をこう結んでいます。


 「結局、『競争力強化による経済成長のための法人税減税』という政策論は、様々な角度から検証すると、ほとんど系統的に間違っていると言わざるを得ない。」

▼すくらむブログ関連過去エントリー


 ★『フィナンシャル・タイムズ』が内部留保の大幅削減こそ日本経済成長の最重要な要件と指摘


 ★富士通総研が内部留保急増で「日本の賃金は他の先進国の半分に」「最賃引上げが最大の成長戦略」と指摘


 ★経済危機打開のための緊急提言 - 内部留保を労働者と社会に還元し内需拡大を


 ★トヨタもキヤノンも内部留保を使うが雇用には使えない? -10年で2倍増の内部留保こそ“埋蔵金”


(byノックオン。ツイッターアカウントはanti_poverty)





        国公一般ブログ「すくらむ」

            http://profile.ameba.jp/kokkoippan






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