さくらおばさんの ひとりごと

日々の想いを綴ります。

ロコ企画 『あした、また遊ぼうね』

2006-08-14 | 演劇
 61年前の広島と同じように、カンカン照りの暑い日となった8月6日、「東京芸術座 ロコ企画 語り」の会に行きました。

  文 : さかもと としえ
  絵 : 夜川 けんたろう
  構成、演出 : 滝沢ロコ
  音響 : 馬場真勝、安田かほる
  『あした、また遊ぼうね』

          

          

 さかもと としえ さんが、ご自身の子ども時代の体験を、子どもたちにもわかりやすく綴った短編です。

 小さな舞台に、小さめのスライド映写幕、椅子、ほおずきの鉢植えが置かれたテーブルがあり、少し暗めの灯りの中、四人の俳優さんが一人ひとり一話ずつ、簡単な演技をつけて語ります。

 客席で落ち着かない小学生を母親が小突きながらも、みな、目と耳を舞台に集中させます。
 
 気がつくと、観客は若い人が半数以上のようでした。

 あとでロコさんに聞いたところ、ロコさんが演劇の指導をしている(いた)生徒さんたちが何人もいらしたそうです。

 プログラムに書かれていたごあいさつには、こうあります。(写真では読みとりにくいと思いますので。)


 私の父は帝國海軍将校で、南方戦地での手柄を生涯自慢としていた人でした。物心ついた頃から、晩酌の肴に、首を切る話や軍隊の話などを繰り返し話し続ける父のそばで夕飯を食べる毎日でした。
 今、私には、父が戦争中に命を奪った方々への、償いきれない鎮魂の思いがあります。何かをしなくては、いられないのです・・・        滝沢ロコ


 そしてメールには、


 素直なまっすぐな人間だったから、軍国教育にどっぷりと浸かり、他のどんな価値観も、全く入り込む隙は無かったのです。
 思えば気の毒な人です。
   ・・・・・
 今、私がロコ企画の中で力を入れているのは、報道が伝える戦争ももちろん重要だけれど、それだけではなくて、○○ちゃんの心に残った戦争の傷跡、動物達の事、世の中は忘れてしまったけれど、○○ちゃんには絶対忘れられない一こま等です。
 それを重ね合わせたら、天文学的数字になるでしょう。
 それ全て、人を蝕む戦争の大きな被害です。
 特に子ども達の目を通しての話を大切にしたい、だって子どもこそ本当のただの被害者だから・・
 命を失う恐ろしさ、これは絶対にくい止めなければなりません。
 そして、それと同じくらい恐ろしい事が、心に傷を持つ事だと思います。


と。

 私を含めて、あの戦争のなかを生きていた人間は少なくなってしまいました。

 「国家」の意志で人間が人間を殺すという行為が日本にもあったという歴史を、消してしまってはいけません。

 明日は、8月15日です。


 『あした また遊ぼうね』は、発行:よも出版/発売:千早書房です。

          

          
コメント (2)
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