ジャズとレコードとオーディオと

音楽を聴く。人によって好みが分かれるでしょうが、このブログでは主に女性ジャズボーカルを紹介させていただきます。

FRANK SINATRA

2008年02月07日 | ジャズ全般
REPRISE/FS1012/FRANK SINATRA/IT MIGHT AS WELL BE SWING/Stereo

シナトラのアルバムはCAPITOLに傑作が多く在ると思いますが、REPRISEにも傑作はあると思います、本アルバムもその一つではないでしょうか。REPRISEの1000番台はシナトラの為の番号みたいなものでしょうが、それも当然でしょう。本アルバムはCOUNT BASIE楽団との顔合わせ、さらにQUINCY JONESのアレンジ指揮による豪華さですから、これで並の出来であるはずがありません。シナトラのスウィング感抜群の歌はもちろんですがハリー・エディソンのトランペット・ソロなどベイシー楽団の好演も聴き物です。このアルバムは先日、久保田さんやsimoneさんと淑女の三人にご案内いただいた名古屋の仁坊でターンテーブルに載せられたアルバムで久しぶりに僕も聴きました。今日再び聴いていますがアルバム最初のA-1のFLY ME TO THE MOONの華麗なこと、聴いているだけで気分は浮き浮きしてきます。シナトラの曲は今までもCMなどで使われたと思いますしMLBのヤンキース・スタジアムでは試合終了時にはNEW YORK,NEW YORKが使われています。このFLY ME TO THE MOONもクリント・イーストウッド監督主演映画“スペース・カウボーイ”の最後で使われました。トミー・リー・ジョーンズ扮する退役宇宙飛行士が自分を犠牲にして原爆と共に月方向へ向かっていく結末なのですが、確か大写しになった月とシナトラの同曲が印象的でした。こういう様々な場面で未だにシナトラの歌が使われているのは, いまなお彼の人気が衰えることなく続いているという事でしょうか。本アルバムの豪華絢爛で重厚なビック・バンドの演奏とシナトラの華麗な歌声はジャズやポップの境なく楽しめるアルバムと思います。なお僕の所有アルバムは深溝なしで, セカンドかそれ以降のアルバムだと思います。
この運転免許証は観光客向けのお遊びアイテムですが住所とシナトラのサインが印刷してあり、おもしろいと興味を持ったのがRESTRICTIONがRAT PACK, CLASSがCROONERとなっています。勿論ジョークですがRAT PACKは不良グループとか悪ガキ達そしてCROONERは小声で歌う人という意味合いでしょうか。誕生日は1915年12月12日で免許の有効期日は1998年5月14日つまリシナトラが亡くなった日となっています。特に所属が不良グループというのが気に入り入手しました。今でこそ、ちょいワル親父というような表現もされていますが、シナトラはその昔~昔からちょい悪親父総代表じゃなかったでしょうか(笑)。
追記:スペルが間違えていました。PAT RACK→RAT PACKに訂正しました。

収録曲
A面
1, FLY ME TO THE MOON
2, I WISH YOU LOVE
3, I BELIEVE IN YOU
4, MORE
5, I CAN'T STOP LOVING YOU
B面
1, HELLO DOLLY
2, I WANNA BE AROUND
3, THE BEST IS YET TO COME
4, THE GOOD LIFE
5, WIVES AND LOVERS

冗談伯爵

2008年02月05日 | 世間話
先日、出張の際に時間があったので梅田の冗談伯爵へ寄ってきました。JR梅田駅から歩くと10分弱でしょうか。看板が小さくで初めて行く場合は見逃すかも知れません。平日の夕方近くというのに先客が二人いらっしゃいました。まずボーカル物を見ましたが今回はこれという欲しいアルバムはありませんでした。ボーカル物はよく見かけるアルバムでも,あまり安くはないような気もしますが、これでも東京よりは廉価です。ただこのお店の盤の状態はかなり良い状態のものしか置いてないように思います。それが店主のグレードなのでしょう。手ぶらで帰るのも寂しいなぁ~という思いでインスト物も見てみました。今日は不思議に欲しいと思えるアルバムになかなか出会えません。こういう日もあるでしょうし、いろんな店を訪ねるたびに欲しいアルバムに出会っていれば、小遣いはすぐに底をつきます。どうしようかもう帰ろうかと逡巡していると、店主殿にこちらにもボーカルはありますよと言われた箱の中にMAVIS RIVERSの初めて見るアルバムがあったので。それを頂戴する事にしました。
勘定の時に店主殿に×××の××××と×××の××××のアルバムは入りませんでしょうか?と尋ねると、今までに1枚か2枚は販売したんですがという答えでしたので、僕“もし入手できれば連絡くださいませんか”とお願いすると“探してみますがリストをFAXででも送ってください”と言われたのでその場でメモを残し携帯番号を書き加えてお願いしてきました。ちょうどその頃は先客もいなくなりしばし店主殿と歓談しましたが、僕が欲しいというアルバムは実際にプレスされたのは700枚から1000枚程度じゃないだろうかという店主殿の話でしたが、そんなに少ないプレスなんですかと今更ながら恐れ入りました。いつになるか或いはいつまで経っても入荷したという一報は入らないかも知れませんが望みをつないでおきたいと思います。(お店の看板の写真は僕の携帯で撮ったもので、画像がよくなく申し訳ないのですが載せました)

MARION MONTGOMERY

2008年02月04日 | 女性ボーカルM
(英)JAZZ HOUSE/JHR011/MARION MONTGOMERY/NICE AND EASY/1989

このマリアンというシンガー、MARIANと表記されているアルバムも有ります、CAPITOL/MARIAN MONTGOMERY/LOVIN' IS LIVIN' AND LIVIN' IS LOVIN'というアルバム等です。本アルバムではMARIONと表記されていますが同一のシンガーです。彼女は1934年にミシシッピ生れで長じて英国に移り住んだシンガーです。最初はMARIANで表していたのですが、後にMARIONにスペルを変えたようです。米国から英国へ移り住んだ頃がその時期かと思います。バックのピアニストであるLAURIE HOLLOWAYは彼女の旦那さんですが、それで米国から英国へ移り住む事になったんでしょうか。本アルバムのレーベル, RONNIE SCOTT'S JAZZ HOUSEですが、ロンドンに存在したというか今も健在なJAZZ HOUSEで、このクラブで行われたライブを音源としてクラブが販売したものです。クラブ独自ではなくスポンサーもつけていたようで、レーベルにはCARLSBERGのマークも入っていますのでレコード化するにあたって協力してもらったのでしょう。CAPITOL盤/LOVIN' IS LIVIN' AND LIVIN' IS LOVIN'が1965年の録音で, 本アルバムが1989年録音ですから25年近く経っているわけです。本アルバムと1962年/SWINGS FOR WINNERS AND LOSERESや1965年のと聴き比べてみたのですが、声の張りや声量という点では多少は若い時より衰えていると思いますが,フェイクさせて歌うところなどは変わりなく歌い回しの巧みさやステージでの余裕はさすがにより経験深さを感じさせます。ジャケット写真の彼女は若い時とは違い頬はこけ髪は真っ白のようですが、本アルバム収録した後の90年初めに癌を患らい2002年に亡くなっています(合掌)。若い時からクラブ・シンガーとして活動していた彼女ですが聴衆が吸う煙草の煙を何十年も間接喫煙した彼女ですが本人は決して煙草は吸わなかったそうです。
本アルバムでの彼女の歌い口は経験を重ねた末に流れに逆らわず自然に歌いたいように歌っている感じで力んだところが感じられません。ライブの楽しさが窺われ, 彼女もステージを存分に楽しんでいる様子が聴き取れるようです。僕はA-4のLOARDS OF LOVEやB-2のNICE WORK IF YOU CAN GET IT~EASY TO LOVE、B-3のBUT NOT FOR ME あたりがライブも進んでより心地よいノリで楽しめて好きです。最後の曲のBYE BYE BLACKBIRDはヘレン・メリルなどの同曲とは味わいが違いフェイクたっぷりですが彼女のスキャットを楽しめますし, また各バックのソロも楽しめます。ライブの最後の曲という仕上がりにしています。録音は現代のもので不満はありません。また同レーベルでJHR003/I GOTTA RIGHT TO SINGというアルバムが有りますが、こちらはシンセサイザーがないバックでよりジャジーに感じる方もいらっしゃるかもと思います。

パーソナル:MARION MONTGOMERY(vo), PHIL LEE(g), JEFF CLYNE(b), TREVOR TOMPKINS(ds), SHAUN WHITTLE(synthe), LAURIE HOLLOWAY(p), JOHN HORLER(p)
収録曲
A面
1, AIN'T NO SUNSHINE
2, IT AMAZES ME
3, THE MAN I LOVE
4, LOADS OF LOVE
5, I WONDER WHAT BECAME OF ME
6, PARTNERS IN CRIME
7, IN THE WEE SMALL HOURS OF THE MORNING
B面
1, SUMMERTIME
2, NICE WORK IF YOU CAN GET IT/EASY TO LOVE
3, BUT NOT FOR ME
4, BLUES IN THE NIGHT
5, IF YOU CAN'T KEEP THE ONE YOU LOVE
6, BYE BYE BLACKBIRD

MARLENE DIETRICH

2008年02月03日 | 女性ボーカルD
CLUMBIA/CL1275/MARLENE DIETRICH/LILI MARLENE

このアルバムはジャケ買いしたアルバムです。以前にどこかで見た事があるとHOLLY COLEのアルバムの事で記述しましたが、思い出せずにいたところTAKASHIさんからコメントいただき思い出した次第です。その後に売り物があったので入手しました。二つのジャケットを比べて見て下さい。パクったとは軽々しく言えませんがまことに良く似てると思います。

彼女の大ヒット曲である“LILI MARLENE”ですが、ドイツ人の詩人が作曲, 同国の作曲家が曲をつけた歌でありながらドイツでもイギリスでもアメリカでも人気が出て、一部のイギリス軍内では禁止令が出たそうです。音楽というのは戦争下でもいやむしろ戦争下であるからなおさら人々の心をとらえるのでしょうか。マレーネ・デートリッヒがこの曲を歌ったのは1940年後半から1950年初頭にかけてですから、僕がまだ細胞にもなっていない頃です。“LILI MARLENE”は本来は“LILI MARLEEN”と書くそうですが、米国ではMERLENEとひっかけてLILI MARLENEとしたともあります、それぞれに国語の発音の違いもあったそうです。いずれにしても今でも彼女の歌での代表作となっているこの曲は彼女のアルバムには必ず収録されているのでは想像しています。MCA7160/LILI MARLENEでは英語で歌われていますが、本アルバムは全曲ドイツ語で歌われています。僕はドイツ語というとヒットラーの演説のような鋭角的で扇情的なイメージがあるのですが、本アルバムのA-2/MEAN TO MEの間奏で彼女の語りがあるのですが、それがまろやかでやさしく、ドイツ語もこんなにソフトで母性が溢れているんだと思いました。彼女のボーカルは上手い下手とかで聴くのではなく、ムードで聴きましょう。

ところで、こちらのジャケット写真のアルバムは、COLUMBIA/GL 105/MARLENE DIETRICH OVERSEAS/10inchですが収録曲は全く同じで曲数が異なります。音源も同じだと思いますが違いますでしょうか?

JIMMY CARROLLのアレンジ指揮によるオーケストラ伴奏
収録曲
A面
1, LILI MARLENE *
2, MEAN TO ME *
3, THE NOBELLIED
4, ANNIE DOESN'T LIVE HERE ANY MORE *
5, YOU HAVE MY HEART
6, THE SURREY WITH THE FRINGE ON TOP *
B面
1, TIME ON MY HANDS *
2, TAKING A CHANCE ON LOVE *
3, MUST I GO
4, MISS OTIS REGRETS *
5, YOU HAVE TAKEN MY SOUL
6, I COULDN'T SLEEP A WINK LAST NIGHT *
*印が10inch収録曲



レコード・ショップ

2008年02月02日 | 世間話
今日は残業で遅くなってしまいました。土曜日だというのに食事が済んだのがつい先程でした。またもや今夜は雪になりそうです。毎週土日となると雪模様になるとは、僕の地方では本当に珍しいことです。

先日、久し振りに地元のレコードショップへ行ってきました。大きなお店ではありませんが輸入盤専門でジャズとクラシックを扱っているお店です。ヴィンテージ物のオーディオ機器も扱っているお店ですが、僕は今までレコードだけを目的に行っています。ヴィンテージ物のオーディオは結構置いてあります。大体1950年代から1970年以前の機器が主で、僕の1970年代のオーディオよりさらに一世代は古い機器ですのでどちらかというとあまり興味がありません。入り口を入って左手にクラシックを置いてある棚ですが。この反対側にジャズがあります。しかしスペースが狭い為、棚に収められているジャズレコードはごく一部で、大部分は床に置かれているというシュールさがおもしろいです。そこに座り込んでアルバムを探すわけですが、これが時間が経つにつれ腰にきます。当日は3枚を購入したのですが、店主は勘定の時に値段表を外しながら一口づつコメントをくれます。それがおもしろかったので紹介します。

最初のREMINGTON/SARAH VAUGHAN/HOT JAZZ/10inch 店主『おっ、やっぱりエエのを買うなぁ~』僕「(内心で)値段も3枚の中では一番エエんですが」2枚目のDECCA/ELLA FITZERALD/ELLA SINGS GERSHINE/10inch 店主『これもエエ!!』僕「(内心で)DECCAのELLAは今イチかとも思うんですが聴いてみてから判断します」3枚目のMGM/JONI JAMES/in AWARD-WINNING ALBUM vol2 店主『ジョニ・ジェイムスかぁ~、どこがええんかのう~』僕「歌声が可愛いですよ」店主『そうかのう、あんまり聴かんから、よーわからんがのう。女性ボーカルというのは男の垢にまみれとるほど味があってエエと思うんじゃがのう~』僕『(爆笑)そうですかぁ~ハッハッハ、おもしろい意見ですねぇ、そう言えばエラもサラもビリー・ホリディーも男の垢にまみれとるかも知れませんね』店主『わしが言う垢にまみれとるという事は男遍歴しとると言う意味ではなく歌が垢にまみれとるという意味じゃからな』僕「(内心で)店主殿はジョニ・ジェイムスやビヴァリー・ケニーは歌い口が素直で垢にまみれていないという意味らしい」どうも店主はジョニ・ジェイムスはお気に召さぬらしい。歯に衣着せぬ店主らしいお言葉でした。
このお店は、僕にとっては一年に一度ぐらいの頻度でよくこういうアルバムが置いてあるなという掘り出し物に出会うので無視して通り過ぎるわけにはいかないお店です。置いてあるのはほとんどオリジナルかそれに準ずるアルバムです。入手した3枚のアルバムはどれも入手してよかったと思える内容でしたが、特にジョニ・ジェイムスのvol2を入手したのでvol1と揃いました。またvol2に収録されている“YOU BELONG TO ME”は僕の好きな曲なので満足してます。値段も田舎にふさわしいリーズナブルなものが多いです。店主殿これからも元気でつづけてくださいませ。

記事を書いて公開しようと、窓を開けると雪がかなり降っています。子供の頃から雪が降ることは少なく雪が降ると嬉かったのですが、雪が降ると犬は庭を駆け回り猫は炬燵で丸くなるといいますが、いまの僕はやはり嬉しく部屋で音楽三昧でしょうか。

DRIS DREW

2008年02月01日 | 女性ボーカルD
STEPHENY/MF4004/JACK FASCINATO/ARRANGES THINGS with vocals by DORIS DREW

JACK FASCINATOはアレンジャーとしてまた1950年前後は自身のジャズ・トリオを持って活動していた人ですが、後にはアレンジャーとして手腕を発揮した人だったようです。こういう方面の知識は相変わらず疎いのですが(恥)、彼のアレンジによるアルバムとしてはDOT/BONNIE GUITAR/MOONLIGHT AND SHADOWSも彼のアレンジ・指揮によるものです。他にもあるのだろうと思うのですが, すぐには出てきません。本アルバムは6曲をドリスが歌っていて、その他の8曲はインスト物の演奏となっています。どちらもJACKのアレンジ・指揮によるものですが、インスト物とドリスのボーカルの時とは編成が違うように思えますがライナーノートに記述がないので推測です。ひょっとすると収録日も違うのかも知れません。より詳しくご存知の方がいらっしゃれば教えていただきたいと思います。
A-4のTHERE WILL NEVER BE ANOTHER YOUは彼女のMODE/DELIGHTFUL DORIS DREWにも収録されていますが、MODEの方はマーティー・ペイチのアレンジでストリング入りですが、本アルバムの方にはストリングはなく小編成のバックでテンポがMODEのより少し早く歌われているように思いますが、どちらもイイですね。曲自体が好きなB-4のTEA FOR TWOはDORIS DAYのもBEVERY KENNEYのもイイですが、このDORIS DREWのも今まで聴いた中では一番ゆっくりと歌っていると思うのですが胸にジーンときます。B-6のTHE MOMENT WE METがこのアルバムの中で一番のお気に入りで、この曲を聴いていると自分が今までに経験したいろんな想いを思い出させてくれるようなボーカルの出来栄えで、何度も聴いたのですが聴く度に感動して物思いに耽ってしまいそうです。こんなにやさしくてロマンチックな曲を聴けてよかったと思う僕です。

収録曲
A面
1, HAPPY MEDIUM
2, ABA DA ABA DU *
3, DRUM CITY
4, THERE WILL NEVER BE ANOTHER YOU *
5, DIGGIN' DUGGAN
6, BE MY LOVIN' BABY *
7, FIFTY FATHOMS
B面
1, RAINBOW IN THE SKY
2, I'M ALONE BUT NEVER LONELY *
3, CUSTER'S LAST ONE-NIGHT STAND
4, TEA FOR TWO *
5, ROAD RUNNER
6, THE MOMENT WE MET *
7, I LOVE TO SING
*印をDORIS DREWが歌っています。