ジャズとレコードとオーディオと

音楽を聴く。人によって好みが分かれるでしょうが、このブログでは主に女性ジャズボーカルを紹介させていただきます。

LOTTE LENYA

2008年02月12日 | 女性ボーカルL
COLUMBIA/KL 5229/LOTTE LENYA/SEPTEMBER SONG

このロッテ・レーニャという女優・シンガーは日本ではショーン・コネリー主演の007シリーズの第二作1963年“ロシアより愛をこめて”でボンドの宿敵スペクターのローザ・クレッブ役を演じた事で僕はよく憶えています。当時僕は中学1年生ぐらいでしたが1度や2度ならず再上映も含めると数回はこの映画を観ましたから。当時はその彼女のアルバムを聴くことになろうとは想像もしていませんでした。彼女は1898年ウィーン生れで小さい頃はダンサーになりたかったらしいです。彼女の母親は洗濯婦、父親は馬引き(御者)でした。彼女の近くに小さな常設のサーカスが有り、彼女はそこで6歳から演技していましたが2年ほど練習して綱渡りができるようになったそうです。第一次大戦時に叔父を頼ってチューリッヒへ移りダンスを学んだ後にベルリンへ行った時にKURT WEILLと知り合い、ほどなく結婚するのです。と大まかに言うとアルバムのライナーノートには書かれているようなのですが、ジャズ批評誌の女性シンガー大百科vo2には岩浪洋三氏が彼女は11歳で街娼になり15歳で独立、その後でKURT WEILLと知り合って十代で舞台にデビューしたと記述していらっしゃいます。彼女の経歴についてライナーノートだけを見ると当たり障りのない事が書かれているのですが、岩浪氏の記述を読んでから, このアルバムを聴くと、また感じ方が違うんじゃないかと引用させていただきました。彼女のボーカルですが声がきれいなわけでもなく、音程が不安定というか声量が安定してないようで聴き手にはすこし不安定に感じられますが、聴いていると段々と味が出てきて、不思議に居心地が良くなるボーカルです。こういう味というのは人生の経験から滲み出てくるものでしょうか。ジャケット写真は007映画に出た頃の写真が使われているように思いますが、本アルバムを収録したのは付属している録音現場写真を見るかぎりその映画撮影よりも5~8年ぐらい前のように思えます。

MAURICE LEVIN指揮によるコーラスとオーケストラ伴奏
収録曲
A面
1, SEPTEMBER SONG
2, IT NEVER WAS YOU
3, SAGA OF JENNY
4, FOOLISH HEART
5, SPEAK LOW
6, SING ME NOT A BALLAD
B面
1, LONELY HOUSE
2, A BOY LIKE YOU
3, GREEN-UP TIME
4, TROUBLE MAN
5, STAY WELL
6, LOST IN THE STARS