goo blog サービス終了のお知らせ 

ほぼ是好日。

日々是好日、とまではいかないけれど、
今日もぼちぼちいきまひょか。
何かいいことあるかなあ。

自分探し

2007-04-24 | 読むこと。

 『THE MISSING PIECE Meets the BIG O』
        Shel Silverstein


この絵本は、春休みに神戸へ行ったとき、子どもたちがとても気に入って買ってきた絵本です。
ご存知の方も多いと思いますが、これは『ビッグ・オーとの出会い―続ぼくを探しに 』のオリジナル。

↓こちらが最初に出た『ぼくを探しに』。




私が独身のころ、初めて買った絵本じゃないかと思います。
この絵本のことを知ったのは、内田善美氏の漫画の中だったと思うのですが、どんな絵本だろうとずっと気になってて、ある日京都の本屋さんで偶然見つけたときは、(心の中で)30センチほど飛び上がって喜びました。

まだ若くて、多感な年頃だった(?)私には、とても印象的な絵本でした。

そういうわけで、この『ぼくを探しに』は我が家の本棚にあたりまえのように並んでいて、他の絵本と同じように、長女は小さいときから読んでいて、よく知っていたのでした。
だから、長女の友達から「すごい絵本見つけたよ」と見せられたとき、「知ってる」と言って驚かれたそうです。

でも、その続編も出てるということを知らなかったため、わざわざ高い原書を買ってしまったのですねえ(苦笑)。
迷ったあげく、次女とお小遣いを半分ずつ出し合って買ったようですが、私も千円寄付しました(って、千円だけかいっ)。


今読み返してみても、シンプルなだけにどんなふうにも読み取れる、哲学的な絵本だなあ、と思います。

自分にぴったりの「かけら」を探す「ぼく」。
大きすぎたり、小さすぎたり、ぴったりだと思っても、壊してしまったり、おとしたり。
ようやくぴったりの「かけら」を見つけた「ぼく」は、完全な円になって、ころころ転がることができるようになったのだけれど・・・。

速く転がって、花の香りをかぐこともない。
口がふさがって、歌も歌えない。

「なるほど つまりそういうわけだったのか」

「ぼく」はかけらをそっとおろし、また一人で転がっていくのです。

これが『ぼくを探しに』のストーリー。

続編の『ビッグ・オーとの出会い』では、「かけら」のぼくが自分をどこかに連れてってくれる「かたわれ」を探しています。
でも、ぴったり合ったと思っても、角ばってて転がれなかったり、デリケートすぎて壊れてしまったり。
やっとぴったり合う相手を見つけたと思ったら、自分がどんどん大きくなってしまって、はみ出てしまったり。

気落ちした「かけら」は、ある日ビッグ・オーに出会います。
いっしょに転がりたいのに、完全な円のビッグ・オーには「かけら」が必要ありません。
がっかりする「かけら」に、彼(?)は言います。
自分で転がってみたらどうだい、と。
とがっているから転げないと言う「かけら」に、ビッグ・オーは角はとれる、形は変わると言って去っていきます。

少しずつ自分で動き出そうとする「かけら」。
すると、角がとれ、だんだん形が変わり、自分で転がれるようになるのです。
ころころ、ころころ、転がって、いつの間にかビッグ・オーに追いついて、並んで転がっていくのでした・・・。

う~ん、この年になると、いろいろ考えさせられますね。

いつの日か子どもたちも、自分の「かけら」や「かたわれ」を探すようになるのかな。
うまくいったり、いかなかったりして、そしてある日、ふと気づくのかな。
自分で転がりだしてみよう、って。
そのとき、きっとこの絵本のことを思い出してくれますよね。

そういう私は、どうだったのかなあ・・・。


コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今日の収穫 | トップ | 私の本棚から »
最新の画像もっと見る

6 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
う~む (jester)
2007-04-26 07:55:21
こんにちは。
なんか転がりすぎて、外の皮を削られ、かなり生身に近い部分までさらけ出し、やばいことになってるjesterです。(殴

とっても懐かしかった、この絵本。
以前読んだけど、また読み返したくなりました。

一人で転がるのは寂しいけど、所詮人間は(つか、私はだけど)一人でしか転がれんのかのお。

返信する
ころ、ころ、ころ・・・ (くっちゃ寝)
2007-04-26 09:44:12
若いときに読むのと、今読むのとでは、受け止め方も少し違ってくるような気もします。

欠けた部分があってスムーズに転がれなくても、それはそれで楽しいだろうし、自力で動き始めて、なんとかひとりで転がるようになったら嬉しいに違いないだろうし。
要は、他人まかせでなく自分で決める、ということでしょうか。
欠けてる部分(自分にぴったり合う相手?)を探すことばかりに一生懸命になると、疲れちゃいますよね~。

寂しいけれどひとりで転がっていれば、途中で誰かと出会って一緒に転がったり、ペースが違ってくれば別れたりできますよ。
まずは転がり始めることでしょうねえ。
私の場合、やたらいろんなものがくっついて、重くてこの場にとどまったまま~(涙)。
返信する
ええと (jester)
2007-04-26 11:38:41
欠けた部分があって、まわるたんびに「ごっつん、ごっつん」と地面にたたきつけられちゃうんですよね~

ああ、はやくまあるくなりたい。(爆)
返信する
痛いかも・・・ (くっちゃ寝)
2007-04-26 15:11:15
ちょっと痛そうだけど、まわりをきょろきょろしながら自分のペースで転がるのもきっと楽しいですよ(そんな余裕ないかなあ)。

まあるくなったらなったで、坂道で歯止めがきかなくなって暴走してしまうかも・・・
それも困る~
返信する
暴走しそうです (jester)
2007-04-26 21:30:18
うう、確かに丸くなりすぎたら暴走しそうですね~
がっこんがっこんとマイペースで転がっていきます。(きっぱり)
しつこく何回も書いてごめんなさい~~
返信する
マイペース♪ (くっちゃ寝)
2007-04-27 10:57:52
そうそう、自分らしくマイペースで。

欠けてたっていいや~、とんがってたっていいや~、ひとりでもいいや~、と居直ってごっつん、がっこん転がっていきましょう。

そういうことをこの絵本は描きたかったのではないのかな?(←と、勝手に解釈する)
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

読むこと。」カテゴリの最新記事