ほぼ是好日。

日々是好日、とまではいかないけれど、
今日もぼちぼちいきまひょか。
何かいいことあるかなあ。

『炎路を行く者』

2013-02-01 | 読むこと。



今日は義母が110番通報したらしく、お巡りさんがやって来たのでびっくりしました。
先日から義母が失くしてしまった小さな金庫の鍵。
私も探したけれど見つからず、たいして大切なものは入っていないので
そのうち見つかるだろうとそのままにしていたら、いつのまにやら
義母は盗られたと言い出し、警察に連絡してしまったのです

私はお巡りさんに「母は認知症なんです。これまでもこんなことはよくあって・・・
申し訳ありません」と事情を話しましたが、110番で通報されたらそれなりに
調べなければいけないということで、鍵のなくなったいきさつを詳しく話し、
金庫のスペアキーを持って義母宅に行き、金庫を開けて紛失したものはないか確認し、
お巡りさんふたりと一緒にざっと部屋の中を探し、あとは私が探します、
見つかったら報告します、ということでお引取りしていただいたのでした。

この冬、認知症が一段と悪化した義母に、振り回されることが多くなりました。
実家の母からは、毎日毎日同じ電話がかかってくるし・・・
さすがにちょっとココロも疲れ気味。
こんなとき、現実逃避にはもってこいの本を偶然見つけました。
守り人シリーズの中で、幻の物語と言われた『炎路を行く者』です。

私も守り人ファンとして、「炎路の旅人」が出るらしいということは
ずっと前に聞いたことがありましたが、『天と地の守り人』が出てこの物語は
完結したものと思っていました。
このあたりのいきさつは作者があとがきにも書かれていますが、今こうやって
作品として世に出て、読むことができるとはファンとしても嬉しいかぎり。

この作品は、守り人シリーズの後半に重要な役割をもって登場するヒュウゴの
生い立ちを描いた中篇「炎路の旅人」と、バルサが15歳のときのエピソードを
描いた短編「十五の我には」が収められています。
たまたま上橋菜穂子さんの書かれる物語を続いて読むことになりましたが、
いつも感心するのは、ファンタジーといっても物語の世界観がしっかり
出来上がっていて、とてもリアルだということです。
それは登場人物にもいえて、それぞれの登場人物のそれぞれの人生が、作者の
頭の中にきちんと出来上がっているんだなあ、ということがよくわかります。
つまり、主人公ではないヒュウゴの人生も、作者の中には「炎路の旅人」として
もとは長編の物語になるほどしっかり出来上がっていたわけですね。

彼もまた主人公のバルサやチャグムと同じく、過酷な運命を生き、
自らの手で切り開いていく人物として描かれています。
そりゃあ、本編でも魅力的なはずですよね~




去年は本を読んでも途中まで書きかけて、そのままになってしまった記事が多くありました
今年はもう少しがんばって、短くてもレビューを書いていきたいと思ってはおりますが・・・
当分、現実逃避系(?)の本が多くなりそう。


そうそう、義母が盗られたと言っていた鍵はその後すぐに見つかり、
近くの交番へ行ってひたすら謝ってまいりました~
泥棒が入ったと、義母が警察に連絡したのはこれが初めてではないのに、
油断してた私も迂闊でした
丁寧に対応してくださったお巡りさん、申し訳ありませんでした



コメント (2)
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