ほぼ是好日。

日々是好日、とまではいかないけれど、
今日もぼちぼちいきまひょか。
何かいいことあるかなあ。

メキシコの世界遺産とクリスマス絵本 

2005-11-07 | 読むこと。
ハロウィンが終わったとたん、お店にはクリスマスグッズが並び始めましたねえ。
えっ、もうそんな時期!?と、主婦は焦ってしまいますよ。

きのうの「世界遺産」はメキシコのグアナファトという所でした。
16世紀に銀鉱山で巨万の富を手に入れた町、ということでしたが、数千人もいた鉱夫は今や30人。
しかし、当時の繁栄を物語る荘厳な教会や、裕福だったスペイン人の荘園、今では幹線道路として利用されている昔の地下水路などがあり、メキシコの文化ととスペインの文化が混ざり合った独特の雰囲気と強烈な色彩を放つ街でした。

街並みとか空の色とか日本と全く違うんだなあ、この街にオダギリのナレーターは暗いよ、いや、奴隷として過酷な労働を強いられてきた先住民の悲しみが伝わってくるかな、なんていろいろ思ってたときにふと映った映像。
あっ、これ!

それは公園で誕生日を祝ってもらってる子どもたちが、吊り下げられたくす玉を割って、その中から飛び散ったお菓子を拾うシーンでした。
これと同じ場面を絵本で見たことがあります。

マリー・ホール・エッツの「セシとポサダの日 クリスマスまであと九日」。
数あるクリスマス絵本の中でも、ちょっとめずらしい絵本です。
というのも、メキシコのクリスマスの様子が描いてあるのです。

インディオとスペイン人の文化が混じり合って独特の文化を作り上げたメキシコでは、クリスマスも他のキリスト教の国のクリスマスとは異なっています。
クリスマスの前の九日間、ポサダという特別なパーティーを毎晩違う家で開くのです。
そのときピニャタという、素焼きの壷を中に入れまわりを紙で好きな形に作り上げたものを庭に吊るし、それを割ると中からお菓子が出てきて、それを拾うのが子どもたちの楽しみなようです。

この絵本は、初めて自分のポサダをしてもらえることになったセシという女の子の物語です。
楽しみにポサダを待つセシは、市場で星の形をしたピニャタを買ってもらい、お菓子を詰め庭に吊るしてもらうのですが、お気に入りのピニャタが割られるを思うと悲しくて、木の後ろにかくれてしまいます。
でも、とうとうピニャタは割られてしまいました。
すると、星の形をしたピニャタは・・・

エッツの絵本は色彩豊かな絵本が多いなか、地味~な印象があるかもしれません。
色もあまり使ってないし、絵もおとなしいし。
でも、彼女の描く子どもの世界はとても豊かです。
色彩がなくても、子どもたちは頭の中に自分で色をつけて読んでいるのです。
この絵本はおとなしいながらも、メキシコらしい鮮やかな色彩がところどころに使ってあり、それがとても印象的。

それに、このセシという女の子がとてもかわいいんです。
池のあひるが好きなセシは、
  水の上にうかんでいる あひるになりたいな!  
  どんな気もちが するかしら?
と思うと、お風呂場で湯船に水を入れて中に入るのです!
水が冷たくて息も止まりそうになりながら、お風呂の中にしゃがんでガーガーとあひるの鳴きまねをするんです!
寒くて真っ青になっているセシを見て驚くお母さんに、「あひるに なってみたかっただけなの」なんて言うのです!
お母さんでなくても、抱きしめたくなりますよ。

この絵本が描かれたのは今から50年近くも前。
メキシコのクリスマスは今でもポサダがあるのでしょうか。
真っ赤なお鼻のトナカイさんと、白いおひげのサンタさんが飾られていたら、ちょっと悲しい・・・。


  
  



コメント
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