食材にかかる輸送コストを意識することで、国産品の活用や地産地 消の推進につなげる英国発祥のフ-ド・マイレ-ジ運動。国内に“上 陸”゛したのが数年前で、まだまだ認知度は低いが、札幌市内でも 運動を進める飲食店が出てきた。身近に豊かな食材があることを見 直すきっかけにもなることから、今後徐々に広がっていきそうだ。
地産地消飲食店登録 札幌に4店運動に共鳴
フ-ド・マイレ-ジは「食料の輸送距離」の意味。生産地と消費地が 近いほど環境への負荷が小さくなるとの発想で1994年に英国で提 唱された。食料の6割を輸入に頼る日本は、2001年の農水省の試 算で重量と距離を掛け合わせた総量が約9千億㌧・㌔㍍に達し、米 国の約3倍、英国、ドイツの約5倍、フランスの約9倍という不名誉な 状況だ。「大地を守る会」(東京)05年、地産地消や国産活用に取り 組む飲食店を認定、登録する制度「フ-ド・マイレ-ジキャンペ-ン」を 創設し、現在、全国で約40店が名を連ねている。また、今年6月には 四国のとくしま生協が地場産品を対象に独自の数値化を導入した。守 る会によると、道内の登録店は現在、4店で、すべて札幌にある。「参 加して、運動に共鳴しているということをまず表明したかった」と、中央 区北5西25のレストラン「オ-ガニックカフェinfo、〇(インフォ-マル)」 の目良裕美子店長(40)店で提供する野菜は道産の有機栽培が主体 で、昨秋に登録された。札幌駅パセオ1階西口の生ジュ-ス店「リトル ジュ-スバ-」は今年2月に加わった。今の時期、トマトは新篠津産、 イチゴは檜山管内上ノ国産などほんどを道産でまかなう。萬年暁子店 長(39)は「マンゴ-やバナナはどうしょうもないが、地産地消を大事に したいのでなるべく農家から直接取り寄せている」と言う。また、11年 前のオ-プン当初から道産小麦100%で焼いている「地麦パン工房れ もんベ-カリ-」(豊平区西岡3の1)は今年1月に登録された。荒川伸 夫社長(61)は「英国の取り組みを知って関心を持っていた。最近、世 の中が食の安全と自給率の向上という方向に向かっている」とみる。今 夏参加のアイスクリ-ム店「ジェラテリアレ・ディ・ロ-マ」(清田区清田 6の3)も素材のほとんどが道産なのが売りだ。守る会は食材輸送で生 じる二酸化炭素の排出量をはじき出すことができるフ-ド・マイレ-ジ計 算器をホ-ムペ-ジ上に開設して、国産品の利用でどのくらいの排出 抑制につながっているかが割り出せるようにしている。個々の商品のフ -ト・マイレ-ジ算出は複雑で労力もかかるため、市内4店で表示を出し ているところはまだないが、「シ-ズンオフ中に準備したい」(レ・ディ・ロ -マ)と意気込んでいる店もある。
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