中札内村<海外へ>「香港、米で飛躍の一歩」
「商談中に食べてばかりですみません。おいしい もので」。札幌のホテルで3日に開かれた商談 会。十勝管内中札内村農協の山本勝博組合長 に、冷凍枝豆の試食を勧められた輸出業者の手 が止まらない。山本組合長はここぞとばかり「き れいな緑でしょ。『色を塗っているのでは』と誤解 されたこともあるんですよ」と売り込む。主催者は「こうした場でのトッ プセ-ルスは珍しい」と感心する。山本組合長は昨年1月以降、東 京や大阪などの商談会に22回出席した。「職員が参加しても相手は 『検討しておきます』で終わり。組合長なら話を聞いてくれる」と言う。 成果は実り、これまでにス-パ-など約170社と契約。長崎、岩手 など17府県の学校給食用にも300㌧を出荷している。2004年に 7860万円だた枝豆販売高は昨年度、6億3400万円に達し、農産 物販売高の23%を占める。商談の小道具となるのが枝豆加工品だ。 この三年間、ようかん、納豆、ギョ-ザなど19品を矢継ぎ早に販売し た。主力品・冷凍枝豆の引き立て役ながら、扱う商品の種類が多い ほど契約成立の可能性は高まる。このうち中札内産若鶏とむき枝豆 を使ったレトルトの「えだ豆カレ-」(210㌘入り220円)は、4月から 香港の道産食料品輸入販売業「北海道発展有限公司」を通じ、イン タ-ネットなどで販売された。同社の牧野正義社長は「千箱をほぼ完 売。香港では枝豆を使う料理が多く、他の加工品も注目したい」と話 す。売り上げの9割を占める冷凍枝豆(300㌘240円)も昨年から、 米国の日系ス-パ-で計約8㌧販売された。輸出入業者エ-ビスグ ル-プ(東京)の増島利彦社長は「価格は中国製の3倍だが、日本の 食品は安全とみられている」という。目標は、年間10㌧以下にとどま っている輸出量を5百㌧に拡大することだ。海外で安全性をPRするた め、食品製造の衛星管理システム「HACCP(ハサップ)」の認証取 得も目指す。山本組合長は「世界で勝負すれば、農業者の自信にな る」と意気込む。帯広市川西農協の「十勝川西長いも」は、台湾で薬 膳料理素材として人気だ。中札内の枝豆が同様に輸出品として定着 するか。挑戦が続く。
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