遺伝子が最も最適に活動する体温は36℃-37℃であるといわれています。表面体温での検査時は内部温度は約0、5℃は高く推移するとのことです。遺伝子の指示によって、タンパク質がアミノ酸に変換したり、各種のホルモンや酵素が現出されたりします。それら体内での活動を推進する原資の熱エネルギ-は、炭水化物・脂肪・勿論糖分である砂糖などがブドウ糖に変換され、脳や体を活性化します。この正常値36・5℃平均値は自然と眠りから覚めた時に、確認できます。但し活動を開始すべく起床すると一時的に体温は下がります。その後午前10時頃には、健康体の人は確保できています。ところが体調に多少なりとも不安を覚える時(東洋医学で未病状態)は36℃を切り、35℃ラインにで推移しています。現代病といわれる、仕事上等でのストレスや食事の栄養バランスの偏りがちな人たちは、健康体温を確保できずに不調感を常日頃抱いています。徐々にアップする活動力で、午後には血圧も、体温も上昇し、活力がみなきりますがそれは、体温がようやく正常値に到達するからです。健康体の人たちは仕事や運動などがピ-ク時は37℃以上を示し、退社時は活動時に機能していた交感神経から副交換神経に移行し、リラックスしなさいとのモ-ドに切り替わり休息状態へとなります。上昇した体温も徐々に下がり午前3-5時に最低体温を記録します。但し最低体温も常時36℃以下だと、どうも不調状態になるようです。
米独チ-ム 発がんリスク減
さまざまな組織に成長できる新型万能細胞「iPS細胞」を、遺伝子を使わずに作製することにマウスの実験で成功したと米スクリプス研究所など米独チ-ムが24日、米科学誌セル・ステム・セルに発表した。がん化などの懸念が少ない安全な手法として注目される。京都大山中伸弥教授らが開発したiPS細胞は、皮膚などの細胞に四つの遺伝子を組み込んで作る。米独チ-ムの方法では、遺伝子は入れず、遺伝子が作るタンパク質をあらかじめ別に作ってから細胞に入れる。タンパク質をマウスの胎児の皮膚細胞に入れて約1ヵ月培養すると、iPS細胞になった。肝臓や心筋、神経の細胞などに分化することも確認した。また四つの遺伝子のうち、がん遺伝子を除いた3種類で作ったタンパク質を入れても、iPS細胞ができたという。細胞膜を透過させてタンパク質を細胞の中へ入れるのは、タンパク質が大きいため通常は難しい。だが富沢一仁熊本大教授(生理学)が、末端にアルギニンというアミノ酸11個を付けて効率的に入れる方法を開発。米独チ-ムはこの方法を利用し、アルギニンを作る遺伝子とiPS細胞作製に必要な遺伝子を組み合わせ、細胞の中に入りやすいタンパク質をだ大腸菌に作らせた。
札幌乳腺外科クリニック院長 岡崎 稔さん 独自技術で正確に範囲把握“切除際小さく乳房温存”
食生活の欧米化や少子化で増えているのが乳がんだ。外科手術が第1選択とされるが、大切な乳房の温存を願う女性は多い。クリニックながら大学病院を超える高度な診断技術で、こうした願いをかなえる。札幌乳房外科クリニック(札幌市中央区)の岡崎稔院長(60)。同クリニックの2007年の乳がんの手術件数は道内最多の396件、昨年も409件と全国的にも10指に入る。岡崎院長はうち150件を手がける。乳房を残す乳房温存率は69%(昨年)の高率だ。当初、消化器外科医として勤務した北海道がんセンタ-(同市白石区)で乳がん診療の基礎を知った。注射針で細胞を取り出してがんを診断する細胞診で学位論文を取ろうと、乳腺の分野に進んだ。「当時、乳がん患者が少なく、札医大でも年に30-40件の手術しか行われていなかった。早期の診断法もなかった。消化器の胃カメラのように早期発見できる方法はないか、との思いだった」と振り返る。78年に札医大に戻り、臨床病理部に所属して細胞診の研究に着手。直径わずか0・8㍉という針を使い、機械で細胞を取り出す「自動穿刺吸引塗抹装置」を開発した。当時は注射針で細胞診が行われていたが、細胞を採取できないことが多く、画期的だった。夏休みを利用し、その機械を使った乳がん健診がスタ-ト。4年間でがんの疑いのある250人分の細胞を収集、顕微鏡とにらめっこした。「大学病院でもおこなわれていない検査だった。細胞の結合性、大きさ、染色体などを調べ、がんとそうでない細胞の区別が分かるようになってきた。今では96%の確立でがんを識別できる」機械は現在も、同クリニックのほか、札医大系の病院や東京医大(東京)などで使用されている。93年、ヘルシンキ大(フィンランド)に国際交流医として派遣され、ヨ-ロッパの乳がん手術を学んだ。当時の日本は、がんを取り残さないようにと、乳房ばかりでなく、その下の筋肉やリンパ節まで切除するのが標準治療だった。ところが、フィンランドて゜はがんの部分だけを細く、小さく切除するという現在の乳房温存手術に近い手法が取られていた。「最近はこんな方法でいいのか、と思ったが、参考になった」乳房温存には何が必要か-。96年、札医大放射線科の技師と磁気共鳴像装置(MRI)の画像を立体的に再現するソフトを開発した。これにより地図のようにがんの広がりが正確に分かるようになり、細胞診と合わせ、がんの診断力が向上。切除範囲を小さくすることが可能になり、高率で乳房を温存することができるようになった。「MRIの画像だけでは判断を誤ることもある。基礎的な病理診断を行うことが大切」と力を込める。乳がん健診の普及や検査機器の進歩で、最近では早期がんの発見が増加。1㌢以下のごく初期のがんには日帰り手術も行っている。「乳がんは10年も乳菅に潜み、しこりがない人もいる。早期発見が大切で、ぜひ定期的に検診を受けて」と訴える。実弟2人も乳腺外科医というユニ-クな家系だ。
<プロフィル>
おかざき・みのる 1974年札医大卒。77年北海道がんセンタ-、78年札医大臨床病理部、89年札医大第1外科講師。93年フィンランド・ヘルシンキ大。98年札幌乳腺外科クリニック開設、院長。2008年4月札医大第1外科臨床教授。北見市生まれ。