flow Trip -archive-

「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

相の谷古墳

2008-09-20 00:00:14 | いにしえびとの睡

(愛媛県今治市近見町 1990年9月14日踏査)
 相の谷古墳は、標高244mの近見山と来島海峡の間に位置する標高約60mの丘陵地、通称「芋桶山」に存在する。その規模と検出された年代から、学術的には乎致命(おちのみこと:越智河野氏祖)の墳墓と推定されているが、伝承としては市内馬越町の鯨山古墳を乎致命の墳墓と伝えている。何れにせよ、規模の大きい古墳であるため、この地方の有力者の墓であることは間違いない。
  1号墳は前方後円墳で、4世紀に築かれた全長82m,高さ10.5mの竪穴石室と礫床(小石を敷いた玄室)、二段築成からなる古墳であり、銅鏡、鉄剣、刀子、鉄斧等が出土し、外部施設として葺石(ふきいし:土止め)と埴輪を有する。 2号墳も前方後円墳であり、4世紀末から5世紀初頭とみられる全長53m,高さ5mの礫床、埴輪を有する古墳である。また、後円部には「仁誉上人」と刻まれた石碑が建っている。丘陵南西側は土取りにより崖となっているが、付近は深い雑木林に覆われており、一見では状態を確認し辛い。昭和43年(1967)の発掘調査以後の状態を維持しているようである。
(古墳から近見山を望む)


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