flow Trip -archive-

「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

割塚

2016-09-27 00:00:00 | いにしえの人びと

(愛知県宝飯郡一宮町篠田字割塚 1993年8月6日)
 篠田の小字になっている割塚(わりづか)を訪れる。割塚は直径8m,高さ0.9m,楕円形をしていて、中世の何らかの塚と考えられているが、詳細は分からない。現在竹林となっている割塚の地主が塚の西側のお宅であることが分かり、その地主の方に詳細を伺った。地主の方は「うちは分家で地所を分けて貰うとき、あの塚は祟りがあるから手を付けないようにと言われ、未だにそのままにしてある。気分的なものもあるし」ということであった。割塚の隣字である古井戸に、かつて長篠の戦いで敗れた武士とされる五輪塔が発見され、触ると祟りがあるという場所があったが(現在は四ツ家墓所に移転)、この割塚も同様の性格の塚かもしれない。また、篠田は近世から近代にかけて、かわらけ(土師系土器の皿)を生産する時期があった。「わりづか」は、その土器を処分する意味合いがあるのかもしれない。

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