小梅日記

主として幕末紀州藩の学問所塾頭の妻、川合小梅が明治十八年まで綴った日記を紐解く
できれば旅日記も。

六月九日

2020-03-02 | 嘉永六年 癸丑日記
六月九日 


早々に起き出して岡野氏へ稽古に行く。
下屋敷は花盛りなのでそこで本読みもよしというので、その節には雄介も連れてくるといいとおことで同道した。昼前に帰る。
主人は督学へ寄る。昼飯は岡野で頂いた。
おおいに節倹で菜飯になすびのお汁。キスを焼いたものをつけ、酒も飯の時に二、三こん勧めたばかりで肴なし。
誠にこれらはいにしえの人の風にておもしろい。
帰る折にも丁寧に送りにこられ礼儀厚い。
主人はそのあと山本で一盃よばれて二時頃に帰った。
今日は少し風があって、みなを休ます。
明日とふりかえ絣の布をのばす。




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