古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

医療事故調査制度スタート

2015-10-22 06:56:02 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

今年10月から医療事故調査制度なる制度がスタートし、
昨日、九州厚生局主催で国際会議場でワークショップがありました。
医療安全で有名な九州大学の鮎澤先生が企画のメンバーに入っておられたこともあり、
管理人も当院安全委員長と行ってまいりました。

医療事故調査制度とは
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000061201.html

医療安全ワークショップ実施要綱
https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kyushu/iji/iryouanzen27/documents/27puroguramu.pdf

丸一日でしたが情報も多く、行ってよかったです。
看護部長さんのお話ではラジオで1500人来ていたとのことでした。空席がない状況でした。
沖縄会場はインターネット中継でした。当院は会場に近く、歩いて行けました。

偶発的な死亡に至るような医療事故が起こるのは、高度医療を提供する大きな病院のほうがその確率が高く、
大きな病院の対策の話ばかりだったのは仕方ありませんが、
この手のワークショップに珍しく 医療事故の被害者のご遺族の方の
お話も聞けました。中小病院の病院管理者や
法律家の先生が演者におられなかったのが残念ですが、時間の都合もあるので難しかったでしょう。

管理人がもう一つ残念だったことは、この制度があくまでも医療機関側が医療事故であるという認識を
持って初めてスタートする制度であり、患者さん側からのアクションでは動かないというところです。
患者さん側と医療側の認識が合わない場合があるであろうことは容易に想像でき、
その場合、事故調査制度が動かなければ従来通り、いきなり法的手段という手段しかなくなるでしょう。
偶発的に起きた医療事故に警察の介入がなじまないからという理由もあって、事故調査制度が始まったのではないかと
思いますが、これでは片手落ちの感も否めません。
運用していくうちに 定義が変わっていくだろうとは思いますが・・・。被害者の遺族の方も
「小さく産んで、大きく育てる」とお話しされていました。

福岡は全国では医療安全対策が進んでいる「方」の地方だそうで(はじめて知りましたが・・)
演者のうちの一人の方が「先ほど、少し福岡県を褒めていただいたような気がしますが・・」と
言われ、「まだまだです」と言われていたのが個人的にはツボでした。

古森病院ホームページ http://komori-hp.cloud-line.com/

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