古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

小児の帯状疱疹

2015-11-27 22:03:37 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

最近、立て続けに「小学生低学年で帯状疱疹に罹患したことがある」という
若者にお会いすることがあり、子供が帯状疱疹?と思って調べてみました。

横浜市衛生研究所
水痘・帯状疱疹について
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/eiken/idsc/disease/chicken1.html
帯状疱疹を発病する小児は少ないですが、胎児や乳児のときにVZVに感染したことがある小児などで、帯状疱疹の発病が見られることがあります。妊娠13-24週に母親が水痘に罹患した場合にこどもの0.8%で、妊娠25-36週に母親が水痘に罹患した場合にこどもの1.7%で、帯状疱疹の発病が見られました。

yahoo 知恵袋
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1491757829
こんなに子供の帯状疱疹の相談があるとは・・・

ちなみにバルトレックス(一般名:塩酸バラシクロビル)が小児の水痘に保険適応になったのは2007年のようです。
http://glaxosmithkline.co.jp/press/press/2007_01/P1000400.html

水痘ワクチンは二回接種したほうがよい
http://www.nih.go.jp/niid/ja/iasr-sp/2256-related-articles/related-articles-404/3449-dj4047.html

ので、先般 小児の定期接種メニューに入り、二回接種となったばかり
http://www.city.zushi.kanagawa.jp/syokan/kosodate/yobou/p06084.html

以下、金原出版 小児科 2014年9月号より引用
http://www.kanehara-shuppan.co.jp/magazines/search_list.html?kubun=04751

帯状疱疹が発生するメカニズムは明らかにされていないが、ウイルスの免疫記憶T細胞数の減少により発生すると言われている。
小児における帯状疱疹は、多くは胎児または生後1年以下の免疫不完全な時期の水痘感染後に生じている・・・
抗VZV抗体値が高値のものでも、帯状疱疹に罹患することから、液性免疫は関係なく、細胞性免疫とくにVZV特異的T細胞数の減少が
潜伏VZVの再活性化に関与していると考えられている・・・近年、帯状疱疹は年々増加傾向にあり、小児においてもその傾向がみられている・・・

あまり書くと著作権関係もありますので、このあたりでやめて、興味がある方は購入してください(笑)

論文でも見つけきれず、本にも書かれてありませんが、管理人が小児科のドクターから聞いた話の中には、
2回水痘になった子供を診察されたという経験談もあり、
幼児期の水痘罹患児の一律の抗ウイルス薬投与は 昨今の小児の帯状疱疹の増加に関係ないのかなあと密かに思っている
管理人でした。個人的な話ですが、管理人の子は二人ともワクチン後に水痘に罹り、抗ウイルス薬を出されそうになりましたが
ワクチン後で軽症だったので、お断り申し上げました。

定期接種化により、帯状疱疹が減ったという方向に向かうといいですね。水痘が流行っていたほうが
暴露されて、T細胞が活性化するという話もあるものの(すなわち帯状疱疹になりにくい)、、、

病院ホームページ http://komori-hp.cloud-line.com/





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antiaging から withaging へ

2015-11-23 17:47:41 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

最近、
「何らかの身体の不自由になるイベントの後、
回復期リハビリテーション病院にてリハをやって
ずっとつきっきりで体を支えれば
歩行器で歩行可能になりましたので、
後はよろしく。認知症もあります。」と
言った趣旨のご紹介がちらほら見受けられます。

要介護度は低く(すなわち入院の適応はあまりありません)
施設内事故や転倒の可能性のみ増して(骨折の可能性も)
医療ケアもあまりない方。

「家では見れません」
とご家族は言われるのですが・・・
療養病床の適応とも思えません。

もともとリハする前から運動能力に難のあった方、、
もともとリハする前から高度の認知症のあった方、

その方のもともとの知的能力、体が不自由になった病名や
その後の身体残存能力にもよるのですけど
リハ後もそんなに身体能力の向上が望めない方は、回復期リハに行く前から
ある程度はわかるはずです。

転倒の危険性だけが増すリハってどうなんだ・・?
最近 管理人が疑問に思ってやまないことです。
やってみたけど、結局寝たきりのままだったというほうが
ご本人にとっては まだましな気がしてなりません。

ご家族もそういう状況でも「リハくらいしてもらわないと」と言われる方がおられます。
でも、退院(外出すら)の見込みがないんですよね。
少なくとも、管理人が入院面談でお会いした患者さんで、
ご本人がリハに積極的な方など一人もおられません。(積極的な方もおられるのでしょうが
多分、在宅になっているのではと思います)
仮にリハを一生懸命やったとしても
家に帰れなければ、外に出れなければ張り合いないんじゃないのか

維持リハ(拘縮を防ぐために行うリハ)には意味があると思います。
何しろ拘縮がどんどん進むと、更衣や排泄の介助が難しくなり、
骨折しやすくなりますから。
骨折はご本人もしたくないでしょう。維持リハしても拘縮は進むのは進みますが・・。

いつまで頑張ればいいんでしょう?
いくつだと思っているんでしょう?
高齢になれば臥床したいのは当然でしょう。
デイサービスでも横になることも許されず、
座らされていてばかりで辛いという外来患者さんは珍しくありません。

美容の世界がそうであるように、ご本人の気力が尽きた時は
もうwithagingではないでしょうか・・?
(with aging  管理人の所属していた岡大の同門会誌に先輩ドクターが書かれてあった造語ですが
結構気に入っています。)

医療介護スタッフでもおかしいって思っている人 結構いるんじゃないのかなあ。。?

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ホームページについて

2015-11-23 08:50:09 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

昨日からホームページが表示されなくなっております。
無料ドメインだったのがいけなかったのかもしれません(笑)
クラウドラインからは何も聞いておりませんが、連休明けに確認いたします。

当面ブログのほうで 情報を発信します。

取り急ぎ ご連絡です。

追記 11月27日からつながり始めました。


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人権擁護研修会

2015-11-20 18:41:13 | 日記
古森病院@福岡市博多区 です。

昨日、当院で人権擁護研修会を外部講師の方に
お願いして行いました。

1時間のお話でしたが、講師の方のお話が
非常に面白かったので、ずっと集中して聴けました。
職員も同様だったようです。

聴きやすいお話、
最後まで無理なく読める本は
講師や作者の相当な知識と工夫があります。

今後も人権講習は
今回の外部講師の方にお願いしたいと思っています。

虐待の芽チェックリスト
http://www.fukushizaidan.jp/htm/042koureisumai/pdf/05_gutairei.pdf#search=%27%E8%99%90%E5%BE%85%E3%81%AE%E8%8A%BD%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%27
9ページめにあります。

日本社会福祉士会編『都道府県・市町村のための養介護施設従事者等による高齢者虐待対応の手引き』より引用

病院ホームページ http://komori-hp.cloud-line.com/

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Sアミーユ川崎幸町の続報記事

2015-11-16 15:50:44 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。(変なお題がついていますが、参加した覚えはありません(笑))

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ニュース追跡◎川崎市の有料老人ホームで謎の連続転落死
老人ホーム職員による虐待事件から学ぶべきこと
2015/11/9 永井 学=日経ヘルスケア

川崎市の有料老人ホームで起きた連続転落死を巡っては、入居者への虐待も発覚した。現場の予兆に組織が適切に対応せず、虐待という職員の「暴発」を招いた今回の事例は、高齢の入院患者が多い病院にとって他人事ではない。

 川崎市は2015年9月から10月にかけて、市内の介護付き有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」(川崎市幸区、80室)に対して介護保険法に基づく監査を実施した。同ホームは、高齢者住宅大手の(株)メッセージ(岡山市南区)の子会社である積和サポートシステム(株)(東京都中央区)が2011年11月に開設した。

浮上した「虐待へ至る構図」
 監査の対象は、(1)入居者3人のベランダからの転落・死亡事案、(2)入居者からの金銭窃盗、(3)入居者の浴槽内での呼吸停止・死亡、(4)入居者への虐待─の四つに分けられる。このうち、事件・事故の両面の可能性がある(1)の転落・死亡事案がクローズアップされ、週刊誌やワイドショーなどで大きく取り上げられた。(2)は容疑者で転落事案にも関わる元介護職員(懲戒解雇)が起訴され公判中だ。(3)は事故の線で検証が進められている。

 転落・死亡事案は謎が多いだけに世間の注目を集めているが、高齢者介護に携わる医療・介護従事者にとっての教訓を本件から引き出すとするならば、それは(4)の虐待に端的に表れている。川崎市のホームでの虐待は、メッセージの他の施設でも起こっており、その発生の経緯や基本構造、業務管理体制上の不備などに似通った面が多いからだ。そして同様の事態は同社に限らず、どの介護事業者や高齢者介護が必要な医療機関にも起こり得る。

 川崎市のホームで起きたのは、入居者である要介護3の85歳女性に対して、施設の複数の介護職員が「死ね」といった暴言を浴びせたり、頭をたたく、ナースコールを外すといった虐待を行った─という内容だ。不審に思った家族がカメラを設置して判明したもので、これまでに4人の介護職員が虐待認定を受けた。

 監査では職員からの聞き取りで、虐待に関しては、最初は悪ふざけだったものが徐々にエスカレートしたことが明らかにされた。複数の介護サービスを組み合わせるのではなく、包括的な介護サービスを提供する介護付き有料老人ホームは、外部の目が入りにくいために閉鎖的になりがちな側面がある。これまでの監査では、本社はナースコールを外した点は報告を受けていたものの、暴言や暴行までは把握していなかったという。

 この虐待を巡っては、メッセージが運営する別の介護付き有料老人ホーム「アミーユ豊中穂積」(大阪府豊中市、45室)でも同様の事故が起きた。豊中市は9月14日、同施設に対して6カ月間の新規入居者の受け入れを停止する「指定の一部効力停止処分」を下した。これは2015年5月中旬から6月にかけて、同ホームの介護職員が70歳代の女性入居者に対して、たたく、蹴る、首を絞めるといった身体的虐待を複数回行っていたことに対する処分だ。

 豊中市が問題視したのは、この介護職員は虐待に至りそうな「サイン」を出していたにもかかわらず、法人としての適切な対応を怠った、という点だった。「以前から当該入居者の夜間の徘徊を職員がその都度押しとどめていた処遇困難事例で、暴行した職員は『このままでは手を上げてしまいそうだ』と周囲に漏らしていた」(豊中市健康福祉部福祉指導監査課)という。

事業の根本リスクへの対応を
 現場に予兆があったにもかかわらず、組織的な対応が不十分だった結果、虐待という形で「暴発」へと至る。これは、どの施設でも起こり得ることだろう。

 同じ大阪府でグループホームを運営する経営者は、こう語る。「人手が足りない状態で夜中に認知症の行動・心理症状(BPSD)などが激しい入居者をケアしなければならないストレスは非常に大きいものがある。だからこそ、管理者や経営者は現場職員を孤立させないように悩みを共有し、困難事例であればホーム全体で手を尽くしていく体制を作らなければならない」。

 介護職員の資質に期待する性善説だけでは限界もあるだろう。今回の事案が示したのは、介護事業が持つ根本的なリスクに他ならない。そのリスクマネジメントの方法については、業界を挙げて模索していくしかない。

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事前に虐待者からサインがでていたということは 我々施設側にとって貴重な情報です。
報道された状況は 非人間的ですが、最初から非人間的な職員というのはそう多くはありません。
介護する側からのサインも見逃さないようにしたいものです。
併せて 認知症対応の教育、職員間のコミュニケーションも大事にして参りたく思います。

認知症ケアの参考になる本
①医者には書けない!認知症介護を後悔しないための54の心得 工藤広伸   新書です。
②認知症の9大法則、50症状と対応策 杉山孝博 

魔法のような方法はありませんが、目の前のことを順々に片づけていくしかないと思います。

病院ホームページ http://komori-hp.cloud-line.com/

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